青い日記帳 

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ヴィットーレ・カルパッチョ「二人の貴婦人」

ヴェネツィア市立美術館群のひとつコッレール美術館(サンマルコ広場美術館群)より、ヴェネツィア派の画家ヴィットーレ・カルパッチョ(Vittore Carpaccio, 1455年頃 - 1525年頃)が描いた不思議な名品がこの秋、日本に初来日します。


ヴィットーレ・カルパッチョ《二人の貴婦人》 1490-95年
コッレール美術館

初公開となる展覧会は江戸東京博物館で2011年9月23日よりスタートする「世界遺産ヴェネツィア展 魅惑の芸術−千年の都


公式サイト:http://www.go-venezia.com/

全国数か所を巡回する予定の展覧会ですが、注目のヴィットーレ・カルパッチョ「二人の貴婦人」が展示公開されるのは東京会場のみ。(展覧会開催期間:2011年9月23日〜12月11日)

「たった一枚の作品」のカルパッチョ作品に何故にそんなに執着するか言うと…この本お手元にあるでしょうか?もしお持ちでしたら125ページ「半分と半分(ハーフアンドハーフ)」の巻を開いてみて下さい。


ギャラリーフェイク (15) (ビッグコミックス)

お持ちでない方、まだ展覧会までしばらく時間があります。今すぐ入手して「半分と半分」に目を通しましょう。ヴィットーレ・カルパッチョ「二人の貴婦人」が与える不思議な印象の謎が解けます。

漫画では更に突っ込んだ展開となっていますが、実はこのコッレール美術館所蔵の作品の上半分が、ポール・ゲッティ美術館所蔵のヴィットーレ・カルパッチョ「潟(ラグーナ)での狩猟」なのです。

百聞は一見に如かず。要するにこういうことです。


上部:ヴィットーレ・カルパッチョ「潟(ラグーナ)での狩猟
下部:ヴィットーレ・カルパッチョ「二人の貴婦人

元々1枚であった作品がいつ何の理由で切断されたのか?そして現在どうして離れ離れになってしまっているのか。なぞはつきません。

でも《二人の貴婦人》単体で観た時に感じた奇妙な感覚は少なくとも2枚合体したことにより多少は解消されます。特にバルコニーに置かれた花瓶に活けられた百合の花が繋がる辺りは、分かっていても身震いするほどです。

以下プレスリリースより。



ヴィットーレ・カルパッチョが《二人の貴婦人》を描いたこの作品は、疑いなく、ヴェネツィア絵画史の中でもっとも著名な作品のひとつであります。19世紀イギリスの偉大な批評家・歴史家ジョン・ラスキンは、本作品を「世界でもっとも美しい板絵」とたたえました。
本作品は15世紀の終わり頃に描かれましたが、一連の誤解によりその主題に関しては長らく、邸館のテラスで憩い犬と戯れる「二人の高級娼婦」であると解釈されてきました。ところが、近年の発見が、この奇妙な場面に説明をつけることを可能にしたのです。
20世紀の中ごろ、1枚の板絵がローマの古物商の店先に出されました。現在ロサンゼルスのゲッティ美術館が所蔵するその板絵は、ヴェネツィアのラグーナ(潟)での船上からの狩りの様子が描かれています。
そして実はそれが《二人の貴婦人》の上部をなすものだったのです(いつ元の板絵が切断され二つの部分に分割されたかは、未だ明らかではありません)。両作品の合成によって復元される元の板絵は、おそらくもともとは戸棚の両開き扉のうちの片方であったものと思われます。よって、現在では失われてしまっているもう一方の扉が再発見された時にはじめて、場面全体が正しく理解されることになるでしょう。


まだまだ謎は残されたまま。貴婦人たちの視線の先には一体なにが描かれているのでしょう。想像力フル回転さてまずは、こんな時期にも関わらず遠路はるばる海を越えヴェネツィアから初来日するヴィットーレ・カルパッチョ《二人の貴婦人》テンペラ・油彩、板絵 をじっくりと江戸博で眺めることにしましょう。

楽しみ楽しみ。

特別展「世界遺産ヴェネツィア展〜魅惑の芸術−千年の都〜」は江戸東京博物館で2011年9月23日より開幕です!
公式サイト:http://www.go-venezia.com/

Twitterやってます。
@taktwi

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本作品の作者は、画面左下部に記された署名から、ヴィットーレ・カルパッチョ(1455頃〜1525)であることが分かります。彼はヴェネツィアでもっとも著名で才能のあった物語画家で、当時は既に、現在ヴェネツィアのアカデミア美術館が所蔵する聖ウルスラ連作等の連作物語画によって名声を博していました。
親子であろうと思われる二人の貴婦人は、小円柱が並び大理石装飾のあるテラスに腰をかけ、明らかに誰かを待っているところのようです。待ち人はおそらく、狩りに出かけている夫たちでしょう。彼女らの衣装はたいへんに豪華で、15世紀の末から16世紀始めにかけての流行と趣味を完璧に表しています。
さて、本作品でとりわけ魅力的なのは、それが醸し出す謎めいた雰囲気です。物思いに耽り、他のことには無関心そうな二人の貴婦人は、一体何を考えているのでしょうか。欄干から顔をのぞかせる少年は誰なのでしょうか。場面を活気付ける動物たちは何のために描かれ、何を意味しているのでしょうか。そして見る者をとらえずにはおかない最大の謎、すなわち失われてしまったもう片方の板絵には何が描かれていたのでしょうか。

本作品は、絵を見るすべての人が、白らの想像・創作力を発揮して、自分だけの「物語」を紡ぎだすことができるのです。
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