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「名和晃平―シンセシス」

東京都現代美術館で開催中の
「名和晃平―シンセシス」に行って来ました。


展覧会公式サイト

公立美術館では初めとなる名和晃平氏の個展。

これまでも多くの展覧会やSCAI THE BATHHOUSEでの展示、またプロダクトデザインやファッション、そして音楽分野(ゆずのベストアルバム)等など多方面での幅広い活躍を精力的に行っていらっしゃる作家さん。

まさに待望の「名和晃平展」

展覧会をご覧になる前に会場のイメージを知りたくないとい方もいらっしゃると思いますので、展覧会会場の様子はこの記事の最後の方にまとめて掲載します。(観たとしても実際関係ないですけどね。体感式の展覧会でもあるので)

まずは開会に先立ち名和さん自身から今回の展覧会についてのお話がありましたので、それを簡単にまとめておきます。


「Catalyst(触媒)」

注:会場内の画像はプレス内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。

「BEADS(ビーズ)」や「PRISM(プリズム)」といった幾つかの違った種類の作品があるが、ほぼ同時に思いついたカテゴリーである。それは「円環構造」のようなものであり、自分が内包しているものの外在化でもある。

約1年前に東京都現代美術館で個展を開催することが決まり、そこから作り始めた。過去の作品の大半が海外にあることや、現代美術館の空間に合うよう新作を制作したいと思った。

1年間で作り上げた(さっきまで仕上げの作業をしていた)た作品。その間にKDDIのコンセプトモデルやゆずのミュージックビデオ、バングラディッシュ・ビエンナーレ、渋谷西武のウインドウ等様々なプロジェクトを通しながら、そうした新しいコンセプトもこの個展に落とし込んで行った。


「Catalyst(触媒)」

常にどんな仕事が舞い込んで来てもこの空間デザインに生かせるように頭の中で考えていた。それぞれのプロジェクトをこの展覧会に集約できればと思い1年間やって来た。

まだまだ自分自身も変化する。多くのプロジェクトを通じ1年前には想像もしなかったような作品も今回の個展に出てきた。これからやりたいことが見えてきたように思える。

目まぐるしく移り変わる12のゾーン。何回観ても新しい体験が出来るように作り上げた。是非グルグル廻って観て欲しい。

(記者会見要旨ここまで)


「玉座(Throne)」

東京都現代美術館地下2階企画展示室とアトリウムを12の部屋に分割。展示空間には作品名を含めキャプションは一切なし。代りに通常の現代アート展の逆をいく饒舌な解説マップが会場の最後に用意されています。

まずは何の知識も情報もなしに名和さんが1年以上構想を練り作り出した「synthesis(合成、総合)」の展示会場を巡ってみて下さい。2周目は「答え合わせ」の大判の解説シートを読んだ後に。

循環式(回遊式)の展示構成となっています。都合5周ほどしましたが、一度として「同じ」に観えませんでした感じませんでした。

会場内の照明もLED、ハロゲン等作品に合わせより効果的なものに変えている。そして展示室内の色も。これ目が慣れてくるとまるで違う空間に思えてくるから不思議です。

非公開の検索ワードでネットからダウンロードしたモチーフの表面を透明の球体(セル)で覆い、「PixCell(映像の細胞)」に変換する「BEADS(ビーズ)」インターネットで収集したモチーフを虚像として彫刻化するPixCellシリーズのひとつ、「PRISM(プリズム)」に代表されるようにWebで収集してきたモノを虚像化する作業を一貫して行っている名和さん。今回新たに「.eXe(エグゼ)」シリーズも加わり、より一層ボリュームある展示になっています。


「POLYGON(ポリゴン)」「Villus(ヴィラス)」
(ポリゴンで表現されているのは、ゆずです。)

そしてボリュームが増すと同時に生物を単なる情報として扱っている危うさが露見してくることに。ここで感じた違和感はこの先でまつ「POLYGON(ポリゴン)」の展示空間で今度はそれが、自分自身にも及ぶ危険性であることを実感させられます。身体感覚を麻痺させられた状態のまま。

名和さんの作品は一見すつとクールで格好イイのですが、一歩足を踏み込むと底なし沼のように深い闇へと誘われてしまいます。「情報」に重みや軽さを感じている我々がその世界へ誘われたとしたら…そこで計られるのは一体何なのでしょうか?身体性?それとも精神性?

第9室の「SCUM(スカム)」でそれをより一層強く意識させられます。情報も細胞も身体も全て融解しスカム(灰汁)となり不気味でシュールな不穏なドロドロ、デロデロとした目をそむけたくなる物体に変容してしまいます。そこは草薙素子少佐がダイブしたネットの海とは似ても似つかないイメージの世界です。

「SCUM(スカム)」は名和さんが最後に仕上げた部屋だったそうです。曰く「作っている最中に自分の作品世界の奥の奥に触れたような感覚を覚えた。」森美術館での展示から更に一段階進み今回の展覧会では完全に崩れ落ちトラールが床に広がるまでに。

この他、お馴染みの作品や昨年2010年バングラディッシュ・ビエンナーレで最優秀賞を受賞した「Villus#2」それに新たなプロジェクト作品「Manifold(マニホールド)」(2012年1月に北海道・札幌で仮組み後、4月に韓国・チョナンに設置予定)に加え映像作品も。

これを観ずして体感せずして名和晃平を語ること勿れ。名和晃平展「シンセンス」は8月28日までです。

同時開催のMOTコレクションもお見逃しなく!

MOTコレクション
サイレント・ナレーター それぞれのものがたり
特集展示 石田尚志


会期:2011年6月11日(土)〜10月2日(日)


名和晃平―シンセシス

会期:2011年6月11日(土)〜8月28日(日)
休館日:月曜日 (7月18日、8月15・22日は開館/7月19日は休館)
開館時間 10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
*節電等の影響により、開館時間の変更や臨時休館の場合もありますので、予めホームページ等でご確認の上ご来館ください。
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/124/

会場:東京都現代美術館 企画展示室地下2階・アトリウム
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
共催:産経新聞社
協賛:株式会社 資生堂
協力:SCAI THE BATHHOUSE / SANDWICH / 京都造形芸術大学ULTRA SANDWICH PROJECT#1-6 / Peng Pei-Cheng Collection / Queensland Art Gallery / 株式会社ノマル / ARARIO GALLERY / 株式会社そごう・西武 / セーニャ・アンド・カンパニー / 株式会社エービーシー商会インサルパック営業部 / DIC 株式会社 / 信越化学工業株式会社/株式会社マヅカ・スリーディー・ワークス / 株式会社ケイズデザインラボ / 株式会社ゼネラルアサヒ / 東リ株式会社 / 株式会社ドゥエル アソシエイツ / 日本ネットワークサポート(関西電力グループ) / オプトコード株式会社 / Bean Sprout Tokyo / TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE / パナソニック電工株式会社 / NECディスプレイソリューションズ株式会社 / 日本ヒューレット・パッカード株式会社 / 丸紅情報システムズ株式会社 / 東京大学苗村研究室 苗村健 橋田朋子 / 慶應義塾大学筧康明研究室 筧康明 / 京都大学大学院松原誠二郎研究室 / 株式会社 光和/ BEAMS ARTS

名和晃平 http://www.kohei-nawa.net/
SANDWICH http://sandwich-cpca.net/

名和晃平─シンセシス 関連イベント

「Drawing」公開制作
名和晃平による「Drawing」の公開制作を行います。

日時=7月17日(日) 15:00−17:00 (作業中に休憩時間あり)
会場=東京都現代美術館 地下2F講堂
参加=無料(名和晃平展チケットをお買い求めの上、ご入場ください)
*会場内での撮影はお断りしております。予めご了承くださいませ。

「Catalyst」公開制作
企画展示室地下2階エントランスを会場に、グル―ガンを使用して制作する作品「Catalyst」の公開制作を行います。

第1回 7月18日(月・祝) 15:00−17:00 (作業中に休憩時間あり)
第2回 8月28日(日) 15:00-17:00 (作業中に休憩時間あり)
会場=東京都現代美術館 企画展示室地下2階 入口
参加=無料(名和晃平展チケットをお買い求めの上、ご入場ください)
*展示室内での撮影はお断りしております。予めご了承くださいませ。

アーティスト・トーク
今回の個展に際して、新作の背景や今後のプロジェクトが作家自身の言葉で語られます。

日時=8月14日(日) 14:00-15:00 (開場:13:30)
会場=東京都現代美術館 地下2F講堂
参加=無料(名和晃平展チケットを事前にお買い求めの上、ご参加ください)
定員=200名(先着順)
申込=メールアドレスmotevent@mot-art.jp宛に、下記の要領でお申し込みください。
件名は必ず「名和晃平展アーティスト・トーク」とし、本文に参加者のお名前(応募はお一人様1回限り、1メールにつき1名様まで)をお書きください。原則1週間以内に、同メールアドレスから先着200名様に応募受付番号をお送りいたします。
当日は応募受付番号が記載されているメールのプリントアウトまたは画面を講堂受付でご提示ください。
*定員になり次第、受付終了させていただきます。
*トークでの撮影・音声の録音等はお断りしております。予めご了承くださいませ。

「名和晃平―シンセシス」 展示会場風景



















こちらは会場外のショップ奥の展示品。



Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2528

JUGEMテーマ:アート・デザイン


「Cell」という概念をもとに、先鋭的な彫刻・空間表現を展開する名和晃平(1975年生まれ)の個展を開催します。名和はビーズやプリズム、発泡ポリウレタン、シリコーンオイルなど流動的な素材・メディアを情報社会における感覚や思考のメタファーとして扱い、デジタルとアナログの間を揺れ動く身体と知覚、感性のリアリティを表現しています。本展では、国内外での多数の受賞・発表をふまえ、パラレルに姿を変える名和作品の根幹を各カテゴリーの方向性や相互の関係から探り、そこにかいま見える今後の姿を追求します。 BEADS / PRISM / LIQUID / GLUE / SCUM / DRAWINGなどのカテゴリーに新たな展開を加え、音楽やファッション、プロダクトデザイン領域とのコラボレーション、パブリックアート、プロジェクトチームによる制作などを通して、国際的に活躍する作品世界の魅力が紹介されます。また、手法そのものの開発からスタートする表現スタイルなど、名和作品の多義的な創作のありかたを探ることによって、そのすぐれた造形性、表現の拡がりや可能性を呈示します。名和は「映像の細胞PixCell=Pixel(画素)+Cell(細胞・器)」という概念を通して、感性と物質の交流の中から生じてくるイメージを追求しています。彼は自らを「彫刻家」としながらも、私たちが、感性と物質を繋ぐインターフェイスである「表皮」の質を通して対象をリアルに感知・認識していることに注目し、その表現領域をさらに拡げつつあります。本展は、その卓越した表現力の源とは何か、そして次世代の創作のあり方について考える貴重な機会となるでしょう。

展覧会 | permalink | comments(5) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんにちは。
いつも拝見しています。

疑問ですが…美術館内の写真などは許可を取って撮影・ブログupしているのでしょうか?
気になったので質問しました。
よろしくお願いします。
真々田 | 2011/06/14 11:22 PM
会場内の画像はプレス内覧会時に主催者の許可を得て撮影し掲載しています。

今後とも宜しくお願い致します。
Tak | 2011/06/15 9:40 AM
こんにちは。
先日はありがとうございました。
シンセシス展、僕も会場を5周ほどしました。
観るほどに目が馴染んで、はじめは不思議な風景に見えていたのが徐々にストーリー仕立てに見えてきてとても惹き込まれました。
照明やスケール感の演出等、建築的な見せ方も良かったです。
mizdesign | 2011/06/20 6:42 AM
はじめまして。
美術系にはまったくといって疎いわたしですが
今回こちらの展示に伺って、感激しまして
どうしても、会場の雰囲気をお知らせしたくて
私のブログにリンクさせていただきました。
事後報告で失礼いたします。
私のブログは食べ物ブログですので
もし、問題ありましたら、ご連絡ください。
こちらを拝見して、より一層作品の意味を感じることができました。
やはり、5周くらいしないとだめなんですね・・。
ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
KON | 2011/08/27 11:17 PM
すいません・・・ブログのURL張るのわすれましたので
再度投稿失礼いたします。
KON | 2011/08/27 11:19 PM
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 東京都現代美術館で開催中の「名和晃平-シンセシス-」を観ました。  2年前に「...
名和晃平-シンセシス-@東京都現代美術館 | Life with Art | 2011/06/20 6:36 AM
会期末の駆け込みで、東京都現代美術館で開催されていた「名和晃平―シンセシス」展に行ってきた。久しぶりに、いい展覧会を見たと思った。それは、名和さんの作品の力もさること ...