青い日記帳 

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「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」

原美術館で開催中の
「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」に行って来ました。



東京で一番好きな美術館はどこですか?」と『カーサ ブルータス』がTwitterでアンケート行い見事1位に輝いた原美術館。毎回他の美術館にない独自路線のハイセンスな展覧会を開催しています。

20世紀初頭のヨーロッパ建築様式を取り入れた個性的な洋館をそのまま美術館へ転用した原美術館の売りとして、都会の喧騒が嘘のような静かな中庭を眺めながらお茶できる「カフェ ダール Café d’art」も人気の的。
「カフェ ダール」インタビュー記事

お洒落でハイソな都会の美術館である原美術館の今回の展覧会は、『第53回ヴェネチアビエンナーレ』において審査員特別表彰を受賞したシンガポール生れの作家ミン・ウォンの映像作品を中心とするもの。



原美術館の入口もご覧の通り、一昔前の映画館でよく目にしたネオンサインがお出迎え。この写真一枚ご覧になっただけでも「ん?!いつもの原美術館と何やら違うぞ。」と興味関心弥が上にも高まるかと。

そしてその胸の高鳴りは嘘偽りでないことは、ミン ウォンの作品に触れて行くに従いはっきりとしてきます。彼の手掛ける映像作品は、パッと見とにかく滑稽で可笑しい。古い映画を元に自分自身が何役もこなすその一生懸命さ自体が笑いを誘います。


ミン ウォン「Four Malay Stories
ビデオ オーディオ インスタレーション 
25分(4画面、ループ)2005年

注:展示室の画像は内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。

たまたま会場でお会いした藤原えりみさん(@erimi_erimi)もマレー語を話せないミン ウォンが必至に真似し習得しようとする姿に自然と笑みがこぼれると仰っていました。

しかし、その笑いはお腹の底からガハハ!と大笑いする類のものではないことは、承知の上での話。イギリスや日本が大きく加担している「シンガポールの歴史」や複雑な言語体系が抱える数多の問題の具現化でもあるのです。



1階の「CINEMA 1」では「Four Malay Stories」、2階の「CINEMA 2」「CINEMA 3」ではそれぞれ、「In Love For The Mood」「Life of Imitation」が複雑な問題を内包した渇いた笑いと共に絶賛「上映」中です。

2009年にヴェネチアビエンナーレで審査員特別表彰を受賞したのは伊達や酔狂でもなく正真正銘の事実であること、3作品を観ただけでも納得出来てしまいます。逆にヴェネチアで今、賞を取るにはこれだけの「クオリティー」が求められるのだということも。

鵜飼い見物をした帰途に「おもろうて やがて悲しき 鵜舟かな」と詠んだ芭蕉。ミン ウォンの映像作品もまた然り。

笑いの中にシンガポール生れでベルリン在住のミン ウォンが問題意識を持つ国家、言語、ジェンダー、ポストコロニアル…etc また急速に進行するグローバル化の中での自身の「立ち位置」等など強く訴えかけてくる作品たちなのです。

これは必見です!



ギャラリー1には、シンガポール最後の映画看板絵師、ネオ チョン テクによるによる看板絵や、シンガポールの個人コレクター、ウォン ハン ミンの貴重な映画資料や写真などを展示。

紙蒐集マニアの自分としてはシンガポール映画黄金時代(1950〜60年代)のチラシやチケット等の展示品に萌え萌えに。中には「蒙古軍東征」や「ゴジラ」といった日本映画のチラシも!

オープニングパーティーの挨拶でミン ウォン自身述べていましたが、日本の映画は勿論様々なものにインスパイアされ今の自分があるとのこと。



嘗て映画館が「ドリーム・パレス」と呼ばれた頃のワクワクする感じを、まるで原美術館の展示室に誂えたかのような展覧会「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」で心ゆくまでご堪能あれ。

2階の作品観終えた後に、いま一度1階「CINEMA 1」へ戻り「Four Malay Stories」を拝見すると先ほどとは違った感覚味わえます。これお勧め。1階と2階行ったり来たりしちゃいまいた。

「ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション」は8月28日までです。是非!

ところで、カーサのiPhoneアプリ『Casa美術館』はもう落としました?
『カーサ ブルータス』の最新MOOK『日本の美術館ベスト100ガイド』に収録した美術館&アートサイト100件リストがiPhoneアプリになりました。『Casa美術館』で検索してダウンロードを! 無料です。

以下、プレスリリースより転載。

【本展のみどころ】
・国際的に最も注目を集める気鋭の若手作家、ミン ウォンの日本における初個展。
・100年以上の歴史を誇る大規模な現代美術の国際展「ヴェネチア ビエンナーレ」における受賞展を原美術館の空間にあわせ、再構成。
・黄金時代のシンガポール映画に着想を得たミン ウォンの映像作品を中心に、写真、映画看板絵、1950〜60年代のチラシやチケットなど映画にまつわる資料、映画の周辺にいる人々を取材したドキュメンタリー映像から成るインスタレーション。
・多種多様な言語と文化が共存するシンガポールをベースに、ユーモアを交え普遍的な人間のあり様を表現。



作家のミン ウォン氏と本展覧会のゲストキュレーターのタン フー クエン氏(於:オープニング・パーティー)

ミン ウォン(Ming Wong)]
1971年、シンガポール生まれ。演劇に関わった後、1995年、ナンヤン美術アカデミーにてディプロマ(中国美術)、1999年、ユニヴァーシティ カレッジ ロンドンのスレード スクール オブ ファインアートにて修士号(美術・メディア)を取得。2008年、ベルリンのクンストハウス ベタニエンにて1年間の滞在制作を行う。ヨーロッパ、北米、アジアなどの主要な美術館、美術フェスティヴァル等で個展、グループ展多数。シンガポールビエンナーレ2011にも出展。現在、シンガポールおよびベルリンに在住。
http://www.mingwong.org

タン フー クエン
キュレーター、劇作家として、パフォーマンスから映画、視覚芸術に至るまで、現代と伝統美術、アジアとヨーロッパの間を横断しながら多様な仕事をしている。シンガポールアートフェスティヴァルおよびインドネシアダンスフェスティヴァルにてプログラムアドバイザーを務めている。ロンドンゴールドスミスカレッジでメディア学修了。シンガポールおよびタイに在住。



ミン ウォン:ライフ オブ イミテーション

会期:2011年6月25日(土)〜8月28日(日)
会場:原美術館
時間:11:00〜17:00(水曜日は20:00まで開館)
休館日:月曜(ただし7月18日は開館、7月19日は休館)
料金:一般1,000円 大高生700円 小中生500円
主催: 原美術館、シンガポール美術館
助成: 財団法人MRAハウス
ゲストキュレーター: タン フー クエン



http://www.haramuseum.or.jp
http://mobile.haramuseum.or.jp (mobile site)
http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/ (blog)
Twitter http://twitter.com/haramuseum

こちらはこの夏ハラミュージアムアークで開催される2つの展覧会


この世界には色がある―原美術館コレクション展
7月2日(土) −9月11日(日)

競・闘・争
・前期 7月2日(土)−8月3日(水) 
・後期 8月5日(金)−9月11日(日)

【開催要項】
会場:ハラ ミュージアム アーク  
〒377-0027 群馬県渋川市金井2855-1 
Tel: 0279-24-6585

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2545

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シンガポールに生まれ、母国とベルリンを拠点に制作するミン ウォン(1971-)は、第53回ヴェネチア ビエンナーレ(2009年)において審査員特別表彰を受賞した、現在、国際的に最も注目の若手アーティストです。受賞展である「ライフ オブ イミテーション」は、その後、新たな展示デザインや展示物を加えてシンガポール美術館にて再現され、シアトル、タスマニアなどを巡回し、ますます高い評価を得ています。

原美術館では、本巡回展を当館の空間に合わせ再構成します。出品作品の中核を成すのは、マレー映画の父と称されるP. ラムリー(1929-73)の映画の数々と、ハリウッドにおいてメロドラマを量産したダグラス サーク(1897-1987)の『イミテーション オブ ライフ』(1959年)、ウォン カーウァイ(1958-)の香港映画『イン ザ ムード フォー ラヴ』(2000年)を独自の視点で再演したビデオインスタレーションです。ミスキャストやモノマネなど、パフォーマンス性をベースとした滑稽とも言えるアプローチで、人種的・文化的アイデンティティや、ジェンダー、言語の問題などに言及しています。

さらに、シンガポール最後の映画看板絵師、ネオ チョン テクによるによる看板絵や、シンガポールの個人コレクター、ウォン ハン ミンの貴重な映画資料、往年の映画館建築を収めたインスタント写真などとともにシンガポール映画黄金時代(1950〜60年代)を振り返り、様々な言語と文化が行き交ってきたシンガポール、ひいてはグローバル化が進む現代社会における人間のあり様を見つめます。

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