青い日記帳 

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「皇帝の愛したガラス」

東京都庭園美術館で開催中の
「国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス」展に行って来ました。



ロシア皇帝とその家族たちが収集したヴェネツィアやボヘミアなどヨーロッパ各地で制作された優美なガラスたち。また皇帝ら自らが発注したガラス製品たち。自分で使用するだけでなく、贈答品として作られたほぼ一点もののガラスコレクションはまさにゴージャス!

この展覧会の見どころは「ヨーロッパにおけるガラス器の歴史」を俯瞰できる点です。そして同時に目にすることの少ないロシアガラスを体系的に拝見する好機でもあります。

単にエルミタージュ美術館から秘蔵のコレクションを借りて並べているだけでは決してありません。展覧会の構成・作りがとにかくしっかりしています。そして展示する場所もかなり考えられているのです。


「第1章:ルネサンスからバロックの時代へ」展示風景

注:展示室内の画像はプレス内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。

展覧会の構成は以下の通りです。

Chapter1 ルネサンスからバロックの時代へ
水の都の幻想 ―ヴェネツィア
深い森 光と影 ―ボヘミア、ドイツ、フランス
南国の情熱 土の香り ―スペイン

Chapter2 ヨーロッパ諸国の華麗なる競演
技巧と洗練 ―ヴェネツィア、イギリス、フランス、 オーストリア、ボヘミア、ドイツ
手仕事の小宇宙 ―装飾品
新しい夜明け ―アール・ヌーヴォー、アール・デコ

Chapter3 ロマノフ王朝の威光



手付き花器」ヴェネツィア 1700年頃
© Texts, photos, The State Hermitage Museum, St. Petersburg, 2011

花器表面に金色に輝く斑点が施されています。これを「アベンチュリン・グラス」と呼ぶそうです。17世紀ヴェネツィアのムラーノ島で特許権を取得したこの技法。他を寄せ付けないヨーロッパ最大のガラス生産地であったヴェネツィアのまさに真骨頂。

双頭の竜、ないしは大きく翼を広げた鳥のような高い取ってにまず目が行ってしまうので、本体に施された金の斑点お見逃しなきように。それにしても何て動的なガラス器でしょう。ガラスに関する科学的な発見のほとんどはここヴェネツィアでなされたもの。

イタリアを後にしてボヘミア、ドイツへ目を向けると…


神聖ローマ帝国の紋章を描いた大瓶」ボヘミア 1575年

ガラスの表面に繊細で華麗な装飾を施し、様々な形が競うように林立していたヴェネツィアン・グラスとは打って変わってこの大胆さ。

イエスと共に双鷹の神聖ローマ帝国の紋章が描かれた大杯。もう一体全体何パウント分のビールが注げるのでしょう。体調絶不調で観に行ったにも関わらずビールのことが頭から離れず。。。

快復したら代々木のドイツビール屋「TANNE(タンネ)」行くぞ!と心で静かに叫びつつ足を引きずりながら次のセクションへ。(タンネいいですよ〜常に数種類のドイツからの輸入樽生ビールが飲めます)
http://www.tanne-pf.co.jp/


階段を上り切ると2階に見事なアンサンブル展示が待っています!

こうした空間を最大限に生かした展示は庭園美術館はお手のもの。アールデコの館がより一層シャンデリアや美しいガラス食器たちを惹き立てるのに貢献しています。

そして中にはこんなユニークな作品も公開されています。


モザイク画「ティボリの大滝と巫女の神殿」金彩を施した木製額縁付 
ミラノ、ジャコモ・ラファエリ 1817年

モザイクに用いるガラスのことを「ズマルト」と呼ぶそうです。そのズマルトが要所要所にかなり大胆に使われています。有名な絵画の複製画をこうしたモザイク画で表したりもしたそうです。

展覧会ってこういう謂わば掘り出しものに出逢えちゃうから、少し無理してでも出かけてしまうんですよね〜他にも「ハンドバッグ」や「婦人用肩掛け」もありました。そう勿論全てガラスを使用しています!


「第3章:ロマノフ王朝の威光」展示風景

ロマノフ王朝が集めたヴェネツィア、ボヘミア、イギリス、スペインの各地・各時代のトップピースにアール・ヌヴォーにアール・デコといったお馴染みのフランス製ガラス器たち。

これだけでも十分見応えあり「ヨーロッパに於けるガラス器の変遷」を辿れますが、この展覧会ではそれらに加え日本で初めて紹介される「ロシアガラスの魅力」も最後の大きな見所です。


花器」ロシア、帝室ガラス工場 1810−1820年代
© Texts, photos, The State Hermitage Museum, St. Petersburg, 2011

とりわけ、エカテリーナ2世によって設立された帝室ガラス工場製の多様なガラス製品は必見です。17世紀ドイツにおいて発明された製造時に金を用いて赤いガラスを作る技法により作り出される「ルビー・ガラス」の「赤色」は必見です。

何でもロシア語で「美しい」と「赤い」は同じ語源なんだとか。

「国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス」展は9月25日までです。国立エルミタージュ美術館所蔵のガラス製品約190点から成る展覧会。必見です。

庭園美術館の優しさが現われている場所がふたつ。

2階ベランダ

熱中症予防のため、夏期期間中美術館2階ベランダで水分補給出来ます。

1階小食堂

普段解放していない小食堂(家族用食堂)で展覧会ビデオ流しています。

また、庭園美術館サイト上から展覧会のユニークで鑑賞するにあたりとても役立つ(これがあれば何倍も楽しく観られます)ワークシートがダウンロードできます。

本展出品作には、人の姿や顔が描かれたものがたくさんあります。皇帝や貴族の権勢を示すためのポートレートの他、民衆の風俗や当時の人々にとってエキゾチズムを感じさせるモチーフであった東洋人の姿なども、ガラス職人たちのお気に入りの題材でした。
宝物を大事そうに握りしめる王様や、堂々たるポーズで果物を差し出す女性など、ゆかいな人たちを展示室の中で探してみてください。お子様向けには、動物を探すワークシートをご用意しております。プリントアウトしてお使いください。


ワークシート(動物)pdf
ワークシート(人物)pdf

これとっても良く出来てますよ〜


皇帝の愛したガラス

会場:東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/

会期:2011年7月14日(木)〜9月25日(日)
開館時間:10時〜18時(入館は閉館の30分前まで)
8月13日(土)〜19日(金)は夜20時まで開館。但し庭園は18時で閉園。
休館日:第2・第4水曜日(7/27、8/10、8/24、9/14)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館
後援:東京都、ロシア連邦大使館、ロシア連邦文化協力庁
協賛:フィンエアー
企画協力:アートインプレッション


アール・ヌヴォーにアール・デコといったお馴染みのフランス製ガラス器たちも。手前はフランス、ナンシーのドーム兄弟ガラス工場「花を描いた花器」1900年頃

絵画以上にガラス製品って実際に見てみないとスケール感掴めません。それと角度を様々に変えて観ることによって違った表情も見えてきます。暑い夏ですが森林浴も兼ねて庭園美術館へ是非!


Twitterやってます!
@taktwi


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2566

JUGEMテーマ:アート・デザイン


 ロシア・サンクトペテルブルグにある国立エルミタージュ美術館は、その類い希なる充実したコレクションによって、世界有数の美術館として知られています。同館の数ある作品群のなかでもとりわけ貴重とされるガラスコレクションは、14世紀から20世紀にわたる幅広い時代を網羅し、ヴェネツィアやボヘミア、イギリス、スペイン、フランスなど、ヨーロッパ各地で制作されたガラス芸術の多様性を、当時の最高峰レベルの作品を通じて概観することができます。これらのコレクションは、歴代のロシア皇帝や皇后、貴族が身近に置いていた作品群をはじめ、いずれも出自や来歴が明らかな優品ばかりでありながら、これまで国外に紹介されることはほとんどありませんでした。
 本展では、ロマノフ王朝によって収集・継承されてきた質の高い作品群に、エカテリーナ2世によって設立された帝室ガラス工場製の多様なガラス製品を加え、15世紀から20世紀に至るヨーロッパとロシアのガラス芸術の精華を、珠玉の190点によりご紹介します。



展覧会 | permalink | comments(3) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

ワークシート・・・気がついてませんでした。残念‖>_<‖
Cos | 2011/07/21 12:35 AM
こんばんは。
Takさんの記事でブロガー募集のことを知り、土曜日に行ってきました。
どうも有難うございました。
chariot | 2011/07/21 11:33 PM
皇帝の愛したガラス展の企画を致しましたartimressionのスタッフ近藤と申します。
庭園美術館での開催の折は、ブログにも取り上げていただき、大変お世話になりました。ありがとうございます。
弊社でも細々とブログをやっており、この度、
ブックマークリンクをさせていただきました。
今後ともよろしくお願い致します。
ご報告まで。
artimpression | 2011/10/11 5:19 PM
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