青い日記帳 

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『Vermeer: In The Mauritshuis』

『Vermeer: In The Mauritshuis』を読んでみました。


Vermeer: In The Mauritshuis

オランダ、ハーグにあるマウリッツハイス美術館が所蔵するフェルメール作品3点を中心に、他作品も紹介しつつフェルメールの魅力や科学的な分析結果を得ることができるコンパクトな一冊です。

2005年に刊行された本です。かつてマウリッツハイス美術館を訪れた際に現地で購入したものですが、現在ではAmazon等でも購入可能となっています。1500円程度で手に入るフェルメール本の中では1、2位を競う程の出色な出来栄え。


マウリッツハイス美術館

70ページに渡りマウリッツハイス美術館の所蔵する「ディアナとニンフたち」「真珠の耳飾りの少女」「デルフトノの眺望」につてい数多くの図版を交え詳細に紹介されています。英語版ですがテキストもさほど難なく読解出来るのも魅力的。



フェルメールが比較的初期に描いたとされる数少ない宗教画のひとつ「ディアナとニンフたち」はかつて昼間の光景として描かれていた時期がありました。

それが科学的な調査により空の色が後世の補色によるものだと判明、現在では昼間から夜の情景へと姿を変えて展示されています。

この修復後の「ディアナとニンフたち」が初めて日本にやってきたのが2008年に上野、東京都美術館で開催された「フェルメール展」。そしてまた近々我々の眼にするところとなるはずです。


ヨハネス・フェルメール「ディアナとニンフたち」1655-56年頃
マウリッツハイス王立美術館蔵

またこの作品は、科学的な調査により、元々は右側が今より12cmほど長かったそうです。仮にそれがあったとするとこんな絵となります。



僅か12cmでも随分と全体のバランスが良くなりますね。綺麗な大きな三角形を描く構図が見えてきます。このようなことが、『Vermeer: In The Mauritshuis』には、簡潔に図版と共に記されています。


マウリッツハイス美術館

また、フェルメールの最高傑作と言っても過言ではない「デルフトの眺望」についても、ここまで見せていいの?!と思わせるほどの細部画像や実際に描かれた地点の「今昔物語」などが具に記されています。



そして、この本で何と言っても必見なのはフェルメール作品でも最も人気のある「真珠の耳飾りの少女」に対し1994年に行われた科学調査及び修復に関する記述、画像が掲載されている点です。



修復により場面が昼間から夜に変換を遂げた「ディアナとニンフたち」に比べるとさほど大規模な変化は見られませんが、それでもフェルメール作品の真骨頂でもあるハイライト表現にかなりの違いが見て取れます。



真珠のイヤリング」と「」この2点が新旧「真珠の耳飾りの少女」を見分けるポイントです。この本ではそこを拡大し視覚的に一目瞭然に。

来年の初夏、装いも新たにオープンする東京都美術館(神戸市立博物館へ巡回)で開催される「マウリッツハイス美術館展」にてこの作品を間近で拝見することができるのです!


ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」1665年頃
マウリッツハイス美術館蔵

予習今からしっかりしておかないと!


マウリッツハイス美術館

そうそう、2008年にアクオスのCMにこの作品が登場したこと覚えていらっしゃいますか?
機は熟しアクオスCMにフェルメール登場!



Vermeer: In The Mauritshuis』てはマウリッツハイス美術館所蔵の3作品だけでなく、他の美術館が所蔵するフェルメールの名品についても同時代の作家の作品と比べつつページを割き紹介しています。

全72ページから成るコンパクトな一冊。
しかし内容はフェルメールファン必見。


Vermeer: In The Mauritshuis

A richly illustrated book about all Vermeer paintings in the Mauritshuis. The first part in a series of books in which the collection of the Mauritshuis is featured in a light hearted manner.


マウリッツハイス美術館ミュージアムショップ

【「真珠の耳飾の少女」関連エントリー】
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デン・ハーグ市内の様子。









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For many people Vermeer's paintings form the highlight of a visit to the Maurithuis. This museum holds three of his paintings; Diana and Her Companions, the exquisite View of Delft and the Girl with a Pearl Earring, all of which have become some of the world's most beloved paintings. Vermeer in the Mauritshuis is aimed at those who want to find out more about these three works of art. This beautifully designed book displays many of the meticulous details that appear in these paintings and explores their relationship with the rest of Vermeer's impressive oeuvre. Selected fragments from the paintings draw attention to aspects that might otherwise go unnoticed; such as the moist lips of the girl in Girl with a Pearl Earring, the play of sunlight on the Nieuwe Kerk in Delft as well as one of the most stunning water reflections in art history. This is the first volume in a series of publications about prominent pieces in the rich collection of the Mauritshuis.
フェルメール | permalink | comments(1) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

こんばんは。素晴らしい本の紹介ありがとうございます。「Vermeer: In The Mauritshuis」購入して読んでみようと思います。修復前や修復後の比較した内容等、面白そうな内容で興味を持ちました。
またブログのマウリッツハイスやデン・ハーグ市内の画像を見ていてマウリッツハイスに行きたくなりました。
ところでフェルメールの「ディアナとニンフたち」がまた東京で展示されるのでしょうか?記事を読んでいて気になりました。楽しみに待とうと思います。
merion | 2011/08/22 12:29 AM
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「マウリッツハイス王立美術館」を観た! | とんとん・にっき | 2011/08/21 6:19 PM