青い日記帳 

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林綾野『フェルメールの食卓』

林綾野さん(キュレイター、アートキッチン代表)が上梓された『フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』をご紹介します。(ご本人へのインタビューも含め。)


フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』(講談社ARTピース)

林綾野さんは現在、京都市美術館で開催中の「フェルメールからのラブレター展」(宮城、Bunkamuraへ巡回)も日本側キュレーターとして携わっていらっしゃいます。


http://vermeer-message.com/

「フェルメールからのラブレター展」(京都)レビュー

数々の展覧会を企画される傍ら、独自の視点から執筆業もなさっている林綾野さん。絵画と食という一見接点が無さそうな2つを見事結びつけ、人気シリーズとなっています。(「クレーの食卓」、「ロートレックの食卓」、「ゴッホ 旅とレシピ」、「モネ 庭とレシピ」)

そもそも、絵画と食を一冊の本にするといった発想はどこから出てきたのでしょう?大変お忙しいスケジュールの中、時間を割いて頂きお話を伺ってきました。


林綾野さん(キュレイター、アートキッチン代表)

『クレーの詩』、『クレーの旅』といった美術書を手掛ける際に、クレーが残した膨大な量の日記を読みました。その中には、後から誇張し書いた部分や真実と違う記述もありますが、食べ物に関しての記述は嘘偽りの無いものに違いありません。

クレーの日記を何十回も読み直すとその食に関する記述が最も色鮮やかに目に浮かんで来ます。クレーがチュニジアで描いたビビットな作品のように。

勿論その記述が、とても美味しそうだったというのもひとつの大きな発端となっています。それから自分で企画書を書き出版社へダメ元で持って行きました。



クレーの食卓』 (講談社ARTピース)

こうして見切り発車的に(笑)出したのがクレーの食卓です。(クレーが残した料理メモ(1935年)、日記や手紙、家族に伝わるお話から、クレーが食べていたであろうメニューを選び、再現レシピを作りました。クレーがレシピを残しているメニューでは、できる限りそれを活かしましたが、日本で手に入りにくい食材を用いたものなどは、作りやすいレシピにアレンジをしました。)

「アートと食」という切り口が新鮮だったのと、日本人に馴染みの深いクレーの意外な側面を垣間見られるということが受けたのか、あちこちの書評で取り上げて頂き、自分でも驚くほどの大きな反響がありました。




その後、画家によりそれぞれアプロ―チを変えつつ『ロートレックの食卓』、『ゴッホ 旅とレシピ』、『モネ 庭とレシピ』と1年に1冊のペースで「アートと食」に関する本を上梓された林綾野さんが、今回満を持して?!フェルメールの食にチャレンジ。

フェルメールの食卓 暮らしとレシピ
目次

はじめに 
・17世紀オランダ「黄金時代」
作品ギャラリー
フェルメールとその暮らし
・画家の後ろ姿を探して
・フェルメールを巡る古文書
・デルフトゆかりの地を訪ねて
・フェルメールのデルフトマップ
室内の彩り
・ファッション
・人びとの暮らし
・食卓の風景
フェルメールの食卓
・17世紀のレシピ
・現代オランダのレシピ
フェルメール練り絵の具のレシピ
フェルメールの家族たち/略年譜
フェルメール散策 デルフト案内
フェルメール全作品美術館案内
掲載作品リスト
主要関係書籍



フェルメール作品のほぼ全てを網羅する「作品ギャラリー」では一点一点簡潔明瞭な解説が付けられています。そうか〜「デルフトの眺望」に描かれている船はニシン船なのね。

必読なのは「フェルメールとその暮らし」

林綾野さん自らがオランダ、デルフトを訪ね丁寧に取材を重ねた成果がギュッと凝縮されています。とりわけ「フェルメールを巡る古文書」を求めデン・ハーグの古文書館に赴かれた箇所等は他のフェルメール関連の本にない新鮮さが。

そしてデルフトの街並みを女性ならではの目線で捉えているのも大きな魅力のひとつです。最も丁寧で最も身近なフェルメールの故郷案内書となっています。



イラストレーターの高橋歩さんの温か味のあるイラストがより一層フェルメールの魅力を身近なものとしているのもポイントです。

そしておそらくシリーズの中でも最も苦労したと思われる「食」のコーナー
17世紀のオランダ人はどんな食事をしていたのか?1667年に出版された当時の食の指南書『賢い料理人』をヒントに林綾野さん自ら当時の食卓を再現。


作品「牛乳を注ぐ女」より「パンプディング」

<17世紀のレシピ5品>
サラダ/ホワイトアスパラ/牡蠣のシチュー/ひき肉のローストレモンソース添え/パンプディング
<現代オランダのレシピ11品>
ヘーリングの燻製プレート/マスタードスープ/エルデンスープ/野菜と肉のジャガイモマッシュ/豚肉のソテー オランダ風/ほうれん草とゆで卵 ジャガイモ添え/チコリのグラタン/ダッチシチュー/セモリナプディングほか


全ての料理には詳細なレシピも掲載されています。カトリックの国々に比べると簡素で質素な料理のオランダ料理ですが、こうしてみると実に美味しそうに見えるから不思議です。

TBS「情熱大陸」への出演も決まっている林綾野さんの新刊。是非ご一読あれ!

300年の時を経て、フェルメールの名画に秘められた“レシピ”が蘇る!「美術作品」を「食」の観点で切り取る女性キュレーターに密着。

そうそう、17世紀のオランダでは基本手づかみで食べていたそうですよ。


フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』(講談社ARTピース)

林綾野(はやし あやの)
神奈川県横浜市出身 キュレイター アートキッチン代表。
元日本パウル・クレー協会キュレイター。美術館での展覧会企画、美術書の企画、執筆を手がける。アーティストの芸術性と合わせて、その人柄や生活環境、食への趣向などを研究。手がけた展覧会は『ホルスト・ヤンセン 北斎へのまなざし』 『パウル・クレー 線と色彩』 『英国植物画の世界』 『ピカソとクレーの生きた時代』展など。 主な著作に『ゴッホ 旅とレシピ』(講談社)、共編著書に『ロートレックの食卓』『クレーの食卓』(講談社)、『クレーの旅』(平凡社)『モネ 庭とレシピ』(講談社)など。

Twitterやってます。
@taktwi

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JUGEMテーマ:アート・デザイン


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この記事に対するコメント

情熱大陸感動です!

一枚の絵からここまで突き詰められると
納得するしか無いでしょう。

生き方を見せていただきました。

フェルメール本明日買いにいきます!!!

感じる、創造する、調べる、行動する
すべて、見習いたい

ありがとうございます。

感謝です。

今後の活躍ますます期待します。


鬼太郎の棲む町から 
          声援!! 濱田哲弥
tet.mark | 2011/08/29 12:37 AM
昨夜、何気なく見ていたTVで初めて、林綾野さんのキュレーターというお仕事を知り、そのすばらしさに感動!フェルメールの作品をじかに見てみたくなりました。何かに打ち込める人って幸せだなあ〜って思いました。キラキラ輝く、林綾野さんに拍手!
松本すみ子 | 2011/08/29 4:43 AM
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