青い日記帳 

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「畠山直哉展」

東京都写真美術館で開催中の
「畠山直哉展 Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ」に行って来ました。


http://www.syabi.com/

どこでどう勘違いしていたのか畠山直哉氏をとてもお若い写真家さんだと思い込んでいました。(同じような方がいて安心しましたが)

畠山 直哉(はたけやま なおや、1958年 - )

年齢的に自分より10歳以上も上。そうですよね。それじゃなきゃ国内のみならず海外に於いてこれだけ高い評価を受けるはずがありません。(ただ単に長くやっていればいいというものではありませんが)

自然と人間との関係を俯瞰的に捉える写真。今でこそ当り前のありきたりのテーマですが、畠山氏の実績を鑑みるとそんじょそこらのカメラ小僧が撮る写真とはまるで似て非なるモノだと分かります。


畠山直哉「テリル」展示風景
「風景は、そこに実体として存在していたものではなく、僕たちが詩を詠んだり、写真を撮ったりすることによって初めて、僕たちの眼前に価値ある姿として現れてくるものだったのです。(中略)僕たちは、この真っ暗な世界で、言葉や写真を灯火のようにして、次の一歩を踏み出さなければなりません。その一歩を踏み出す行為のみが、生存を意味するということを、僕たちは誰もが心の深いところで知っているからです。」
畠山直哉(eyesvoI.70より抜粋)

畠山直哉「ヴェストファーレン炭鉱

意外なことに、畠山直哉の個展を首都圏の美術館で開催するのは今回が初めてだそうです。国内、海外で数多くの個展を開催しているにも関わらず。。。

首都圏初となる畠山展では、自然と人間との関わりを捉えた作品を中心に136点で構成されています。


畠山直哉「陸前高田2011」展示風景

「ライム・ヒルズ」「シエル・トンベ」「テリル」「ブラスト」といった代表作から、彼の生まれ故郷である陸前高田の震災後の様子を捉えた生々しい作品まで。

展示にパーソナル・ヒストリーを含めるのは初めて」と語る畠山氏。

2011年3月以降に撮られた写真と、それ以前に撮影された写真を視覚的にも体感的にも対照的に観られる工夫がなされています。ここは会場でじっくり足を止めて観たい要所です。

そして最後にはやはりこれが待っています。


畠山直哉「ブラスト 1995-

森美術館での展示を上回る?!およそ300インチの大画面に映し出される迫力ある映像は圧巻。

決して人間の目が捉えることの出来ないある種「見えなくてもよいもの」を大映しでかなり暴力的に押し付けてきます。


畠山直哉「ブラスト 1995-」展示風景

以下、展覧会カタログへの執筆を依頼する為に、畠山氏が小説家フィリップ・フォレスト氏に書いた手紙の中から一部引用します。
今度の展覧会では、岩石や鉱物を扱ったものが多く出品されるでしょうから、なんとなく自然史博物館(ナチュラル・ヒストリー・ミュージアム)の展示物を連想させるような内容になりそうな気がしています。でも、もし歴史と物語がもともと同じ言葉であるというのなら「ナチュラル・ヒストリー」の「ヒストリー」は「ストーリー」でもあるわけで、いっそこの際、複数形で「ストーリーズ」と書き換えてみてはどうかと思っています。「自然についての物語」あるいは「自然な物語」といった字義通りの意味の向こうに「自然史」が連想されればと思っているのです。

沈黙する自然に対して呼びかけても、返ってくるのはこだまになった自分の声だけかもしれません。でもこのこだまを集めて、僕なりの物語として編むことが、今は必要な気がしているのです。(2011年5月)

また今回の展覧会では「自分の外の世界を再構成する」という考えの実践より、フェルメールも使用した?カメラ・オブスクラを使い畠山氏自らが描いたドローイングも展示されています。

これもまた見ものです。

「畠山直哉展」は12月4日までです。
大きな写真ですが人間が何処に映っているのか凝視しないと分かりません。「自然との共存」なんて軽々に口にできなくなります。きっと。


畠山直哉展 Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ

会場:東京都写真美術館2階展示室
http://www.syabi.com/

開催期間:2011年10月1日 (土) 〜 12月4日 (日)
休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/産経新聞社
助成:芸術文化振興基金
協賛:ニコン/ニコンイメージングジャパン/東京都写真美術館支援会員
協力:DNPアートコミュニケーションズ/タカ・イシイギャラリー
後援:サンケイスポーツ/夕刊フジ/フジサンケイビジネスアイ/iza!/SANKEI EXPRESS

Twitterやってます!
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2643

JUGEMテーマ:アート・デザイン


日本を代表する写真家の一人として、海外にも広く紹介されている畠山直哉の個展を首都圏の美術館では初めて開催いたします。本展は近年に制作された作品を中心に、日本では未発表のシリーズ、新作も紹介いたします。
今まで畠山の作品には、石灰岩や石炭といった鉱物資源に関わる工場や採掘現場、その跡地などを捉えたシリーズがあります。それらの光景は、普段あまり人が行かないような、見ることのない風景ですが、自然と人間の生活との関わりの接点や、その場と人間との時間のやりとりを感じさせる独特の描写がされています。それらの作品には壮大で、時には畏怖を感じさせる光景が写されています。
 
この3月11日に畠山は生まれ育った陸前高田市の、彼の記憶の中にあったであろう風景を失いました。本誌の表紙の作品は、その後に始められた陸前高田市の風景を捉えた作品です。ホテルのエレベータの扉に挟み込まれた松の葉や枝は津波によるものです。人間の抗うことのできない自然の力を見せつけられます。
回は「Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ」と題して、初期の作品から現在に至るまでの作品の中から、自然と人間との関わりを改めて俯瞰するような作品を主に構成します。これらの作品からは、美しく素晴らしい自然の魅力を感じるだけではなく、時には不条理で厳 しい光景を見ることができます。長い年月をかけて自然と人間がどのように共存し、対峙してきたかを改めて考えるきっかけになるでしょう。
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