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「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」

山種美術館で開催中の
山種美術館創立45周年記念特別展「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」に行って来ました。


http://www.yamatane-museum.jp/

45周年を迎える日本画専門の山種美術館が所蔵する約1800点の収蔵品の中から名品を選りすぐり、全後期総入れ替えで一挙公開する特別展その名も「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」

一体どんな順序、構成で展示するのかわくわくしながら会場へ。

構成は意外と言うか、堂々直球勝負で挑んでいました。何て言ったって「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」です。下手な小細工必要ありません。

【前期:江戸絵画から近代日本画へ】
・江戸絵画と浮世絵
・近代日本画


ね、潔いでしょ。年明け2012年1月3日から始まる後期展示では【戦前から戦後へ】速水御舟「炎舞」や東山魁夷「年暮る」は後期展示となります。

まずは江戸絵画から。


岩佐又兵衛「重要文化財 官女観菊図」17世紀前半
池大雅「指頭山水図」1745年
田野村竹田「二橋亭図」1827年
椿椿山「重要文化財 久能山真景図」1837年

元々「金谷屏風」の一図であった又兵衛の「官女観菊図」。現在では所在は散り散りになっていますが、「お姫様を描いた図は最も高額だった」と山下裕二先生が仰る通り、画像では分からない部分にぎょっとさせられます。

例えば背景に薄ら金地が施されていたり、女官の唇にほんのり紅色がさされていたりと。最近では「『源氏物語』の一場面を描いたのではないかという考えもある」そうです。


岩佐又兵衛「重要文化財 官女観菊図」(部分)

薄いアクリル板で仕切られているだけですので、単眼鏡を用いずともここまで接近し裸眼で隅々まで拝見すること出来ちゃいます。又兵衛流に官能的に描かれた伊勢に下向する六条御息所と娘の斎宮をたっぷり堪能可能。

池大雅他、南画に関しては、こちらの講演会の記事をじっくり読まれてから伺うことをおススメします。→佐藤康宏氏講演「日本の南画―江戸時代の新興美術運動」

同じ展示面に展開されている浮世絵の名品(鈴木春信「梅の枝折り」がお気に入り)にうっとりし、180度回転すると目の前に今度は琳派の名品が間髪入れずに現われます。


酒井抱一「重要美術品 秋草鶉図」19世紀前半
伝 俵屋宗達「槙楓図」17世紀前半

こんな調子でどこを見渡しても一度や二度は見たことのある名画ばかり。知らない絵師の初めて目にする作品に心奪われる感動と等しく、こうしたいつもの作品に囲まれると自ずと幸せな気持ちに。

そしてそのまま歩みを進めると山種美術館の真骨頂である近代日本画のコーナーへ突入。初代館長であり山種美術館の創設者でもある山種二氏が「絵は人柄である」という信念のもと直接画家から買い求めたコレクションがメインとなっているだけあり、他に類を見ない質の高さを誇る近代日本画コレクションが形成されています。


上村松園「」1913年

松園が京都から東京にやって来る際には、車の送迎や宿の手配まで種二氏が行ったそうです。とりわけ戦中戦後、絵が売れず画家が貧しかった頃は様々な支援を行うなど生活面でのサポートも積極的に買ってでたとのこと。

奥村土牛の自宅に電話を引いたことや、川合玉堂にお米を送ったことなど数々の逸話が遺されています。


松岡映丘「春光春衣」1917年
前田青邨「腑分」1970年
村上華岳「裸婦図」1920年

山下裕二先生がしばしば山種美術館を称するのに用いる美術の業界用語「蔵が深い」。現在でこそ知名度は高くない松岡映丘の超一級の名画を所蔵していることだけでも、その言葉当てはまります。

他にも戦後急速に忘れ去られた日本画家の隠れた名作も展示されています。もしかして10数年後何かの拍子に脚光を浴び「そういえば、山種美術館にあの画家の優品があったな〜」なんて事になる日が来てもおかしくありません。

山下裕二氏が選ぶ「知られざる山種コレクション十選」

最後にこちらを。


横山大観(文字揮毫)「銘板 嶽心荘」1892年頃
安田靫彦「書・山種美術館」1960年代

こんなレアなものも観られる「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」(前期)は12月25日までです。

山種美術館では今後美術館内でコンサートも実施していかれるそうです。

山種美術館 スペシャル・ミュージアム・コンサート〜第1弾「聖夜」(フルート)
12月9日(金)18:00〜19:00奏者:
竹山愛「武満 徹:フルートのためのエア」他


http://www.yamatane-museum.jp/event/2011/12/a.html


山種美術館創立45周年記念特別展
「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」

会期:
[前期] 江戸絵画から近代日本画へ 2011年11月12日(土)〜12月25日(日)
[後期] 戦前から戦後へ 2012年1月3日(火)〜2月5日(日)
*12/26〜1/2は休館
会場:山種美術館
主催:山種美術館、日本経済新聞社
協賛:SMBCフレンド証券
開館時間:午前10時から午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:月曜日(但し、1/9は開館)、12月26日(月)〜1月2日(月)、1月10日(火)

山種美術館館長の山妙子氏の特別講演会&鑑賞会があります!

山種美術館創立45周年記念特別展 ザ・ベスト・オブ・山種コレクション  関連講演会・特別鑑賞会のご案内 / 「山種コレクションの魅力−画家との交流を中心として」

→お申し込みはこちらまで。


テープカットを行う山妙子館長。お父様で山種美術館名誉館長の山富治氏のお姿も。また文化庁長官、SMBCフレンド証券、日本経済新聞社文化事業局長の姿も。

「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション展」は前期後期で全て作品を入れ替えます。因みに速水御舟の「炎舞」が登場するのは後期(1月3日〜)となります。

カフェ椿では毎回好例となった特製和菓子を今回も用意しています。何と前期後期合わせて10種類も!こちらも気合入っています。 「山種美術館創立45周年記念特別展ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」 特製和菓子

また、こんな特別メニューも!

45周年ランチメニューとして「ほうれんそう」のポットパイが、カフェ椿とパパスカフェのコラボにより実現。

会社での基本とされる「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」ということばは山種美術館名誉館長の山富治氏がその著書で示した教え。

ほうれんそう・玉ねぎ・ひき肉・キノコをパイに入れクリーミーに仕上げた絶品。美味しゅうございました〜

まだちょっと気が早いですが、2012年2月11日からは「和のよそおいー松園・清方・深水」


Twitterやってます。
@taktwi

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2690

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1966(昭和41)年、日本初の日本画専門の美術館として誕生した山種美術館は、2011年で開館45周年を迎えます。これを記念し、当館が所蔵する約1800点の収蔵品の中から名品を選りすぐり、一堂に展示する特別展を開催いたします。

当館のコレクションは、横山大観、上村松園、小林古径、加山又造、平山郁夫など、名だたる作家たちと直接交流を重ねる中で蒐集された日本画が核となっています。また、「幻の画家」と呼ばれた日本画家、速水御舟のコレクションは、質・量ともに国内外随一を誇ります。さらに、当館の収蔵品は日本画だけにとどまらず、琳派などの江戸絵画や浮世絵、近代の洋画も含まれています。

今回の特別展では、岩佐又兵衛《官女観菊図》★、竹内栖鳳《班猫》★などの重要文化財や、切手になったことでも知られる村上華岳《裸婦図》★、福田平八郎《筍》☆、速水御舟《炎舞》[重要文化財]☆、奥村土牛《醍醐》☆をはじめ、当館の代表的な作品から隠れた優品まで約80点をセレクトし、前期と後期で全点を入れ替えてご紹介いたします。普段はまとまって展示されることのない傑作の数々が一堂に会する本展覧会を通じて、山種コレクションの真髄を心ゆくまでご堪能いただければ幸いです。

註:★前期展示(11/12〜12/25)☆後期展示(1/3〜2/5)

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