青い日記帳 

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「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」(静岡)

静岡市美術館で開催中の
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展に行って来ました。


静岡市美術館 http://www.shizubi.jp/

来年2012年の春まで待てば、Bunkamuraザ・ミュージアムに巡回してくる展覧会ですが、静岡会場にしか出品されないサライが描いたとされる《聖母子と聖アンナ》が観たいのと、開館して一周年を迎える静岡市美術館にまだ一度も伺ったことが無かった為、日帰りで観に行って来ました。


サライ(帰属)「聖母子と聖アンナ」1510-20年 
フィレンツェ、ウフィツィ美術館蔵
(c) Gabinetto Fotografico della S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze

ルーヴル美術館所蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチによる「聖母子と聖アンナ」と比べると背景に違いは見られますが、ちょっと無理なポーズで三角形の構図を作り出している三人と一匹の配置はぴたり一致。

画像で見る限りでは、果たしてどれほどの作品かとやや邪推していたのですが、実物は驚くほど丁寧に細部まで描かれていました。とりわけ聖母マリアの左腕の透けた衣服の表現や、足元に描かれた小さな植物などの描写に目を見張るものがありました。

レオナルドの真筆、ましてや油彩画となるとたった一枚来日しただけで大変な騒ぎ(ある意味で事件)となります。レオナルド自身によるメジャーな作品は今回の展覧会には出品されていませんが、レオナルドと関連性の高い作品がずらり。しかもそのほとんどが日本初公開なのです。


レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子(名誉監修カルロ・ペドレッティ氏説)《岩窟の聖母》1495-97年頃 個人蔵
©Private property in trust of The Pedretti Foundation, Los Angeles

ルーヴル美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリーにも所蔵される《岩窟の聖母》。ダ・ヴィンチとその弟子によるとされるもう一つの《岩窟の聖母》をプライベート・コレクションより初公開。

19世紀に活躍したフランスの巨匠アングルがダ・ヴィンチ作とした作品。個人蔵のため、専門家でも展観の機会が少ない貴重な1点だそうです。キャプションによると元々は他の2点同様板絵だったものをある時期キャンバスに移し換えたそうです。

一体どうしてそんな荒技を挙行したのか謎ですが…ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の「岩窟の聖母」の次に描かれた作品とも考えられるそうです。果たしてその真相は?!


レオナルド・ダ・ヴィンチ 《衣紋の習作》1470-75年頃 
バーバラ・ピエセッカ・ジョンソン・コレクション財団蔵
(c) Barbara Piasecka Johnson Collection Foundation

その謎を解くのは「岩窟の聖母」と同じ展示室にあったこの「衣紋の習作」がひとつの手掛かりになるかもしれません。

今回の展覧会の構成は以下の通りです。

1:レオナルド・ダ・ヴィンチとレオナルド派
2:レオナルドの時代の女性像
3:「モナ・リザ」イメージの広がり
4:「裸のモナ・リザ」、「レダと白鳥」
5:神話化されるレオナルド


東京に巡回して来ない作品でもう一点見逃せないものがあります。


レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子 《「紡錘の聖母」の習作》 16世紀初頭 
ヴェネツィア、アカデミア美術館蔵
【静岡展全期間展示、福岡展期間限定展示】

ウインザー城王立図書館所蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチ《「紡錘の聖母」の習作》 とは身体のボリューム感や微妙な傾きが違って見えます。「紡錘の聖母」の習作として描かれたものではなく、別の作品の為のデッサンなのかもしれません。

慎ましやかな女性を描く時は、頭を下げて、あるいは斜めに傾げるといった仕草で描くとよい。」レオナルド・ダ・ヴィンチ『絵画論』より

この他にもレオナルドが生きたルネサンス期の名画も。レオナルドの弟子サライ、レオナルド派のジャンピエトリーノ等。また同時代のラファエロ工房の作品《カーネーションの聖母》1506年頃 ハンブルク、ギャルリー・ハンス蔵も今回の展覧会で公開されています。

3:「モナ・リザ」イメージの広がり 4:「裸のモナ・リザ」、「レダと白鳥」のセクションは審美眼を試されるというよりも、なるべく先入観を取り払い目の前の一点一点と向き合うのがよろしいかと。


レオナルド・ダ・ヴィンチ構想/サライ(帰属)《裸のモナ・リザ》16世紀 
レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館寄託

これをレオナルドの真筆かどうかを素人が議論するよりも、そこに「物語」をどれだけ見出すことができるかが愉しめるポイントかと。


レオナルド周辺の画家 《レダと白鳥》  
16世紀 ローマ、ボルゲーゼ美術館蔵
(c) Alinari, Licensed by AMF, Tokyo / DNPartcom

それにしても、ミケランジェロの描いた「レダと白鳥」はエロイ。実にエロイ。それに比べてレオナルドの「レダと白鳥」は…東京国立近代美術館で開催中の「ぬぐ絵画」展でも示されていましたが、立っているポーズは官能性を和らげてくれる効果あるようです。

ところで、テレビなど一時話題となったこちらの作品。これまた初お披露目となっていますが、みなさんお好きですか?結構個人差出て来る作品だと思います。


アイルワースのモナ・リザ》16世紀(レオナルドによる1503年の未完成作説あり)個人蔵

美術史上、最高傑作といわれる《モナ・リザ》の中で、もう一つのダ・ヴィンチ作ともいわれた話題の《アイルワースのモナ・リザ》。流石にレオナルドの手によるものとは思えない部分が多いのですが…それでも妙な(蠱惑的的な)魅力を湛えた作品でした。

静岡市美術館開館1周年記念展「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」は12月25日までです。東京から新幹線で僅か1時間。しかも駅前にある真新しい美術館。雨の日も傘をささずに駅から美術館まで行けちゃいます。


美し過ぎる静岡市美術館エントランス

静岡県立美術館で開催中の「京都国立博物館名品展 京都千年の美の系譜−祈りと風景−」(12月4日迄)「草原の王朝 契丹—美しき3人のプリンセス—」(12月17日〜3月4日)と合わせて是非。


「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展

・静岡展
会期:2011年11月3日〜12月25日
会場:静岡市美術館
http://www.shizubi.jp/
主催:静岡市、静岡市美術館、(財)静岡市文化振興財団、静岡新聞社・静岡放送、毎日新聞社

・福岡展
会期:2012年1月5日〜3月4日
会場:福岡市美術館
http://www.fukuoka-art-museum.jp/
主催:福岡市美術館、毎日新聞社、RKB毎日放送


・東京展
会期:2012年3月31日〜6月10日
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/
主催:Bunkamura、毎日新聞社、テレビ朝日

東京展サイト http://davinci2012.jp/

3会場共通
後援:外務省、イタリア文化財・文化活動省、イタリア大使館、アメリカ合衆国大使館、スポーツニッポン新聞社
協賛:鈴与グループ、損保ジャパン、大日本印刷、宝島社
協力:アリタリア-イタリア航空、東急ホテルズ、日本航空
名誉監修:カルロ:ペドレッティ(カリフォルニア大学ロサンゼルス校 アーマンド・ハマー・レオナルド・ダ・ヴィンチ研究所 所長)
監修:アレッサンドロ・ヴェッツォージ(レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館 館長)
日本側監修:木島俊介(Bunkamuraザ・ミュージアム プロデューサー)

Bunkamuraザ・ミュージアム「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展 【早見早割チケット】発売中です!

早見早割チケット
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展(2012年3月31日(土)〜6月10日(日)開催)を、会期前半(※2012年4月22日(日)まで利用可能)のご利用で、とってもお得にご覧いただけるチケット。(会期後半は混雑が予想されます。)話題の展覧会を早目にお得に!
[販売価格] 1,000円(税込) *限定1,000枚、お一人様3枚まで
[ご利用可能期間] 2012年3月31日(土)〜4月22日(日)
[販売期間] 2011年11月16日(水)〜なくなり次第終了
[販売場所] Bunkamuraチケットセンターまたはローソンチケット(Lコード38500)にて


また12月23日より開催される「フェルメールからのラブレター展」と、Bunkamuraザ・ミュージアムにて2012年3月31日〜6月10日開催の「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展の2大巨匠の展覧会を両方観られる【フェルメール&ダ・ヴィンチ巨匠セット券】も魅力的。詳しくはこちらで。


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久々に「今日の美味

静岡おでん美味しかったです!!

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展覧会の予習・復習には池上英洋先生監修のこの一冊で。
《モナ・リザ》や《最後の晩餐》など世界の宝と言われる名画を残したレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)。彼はイタリアのヴィンチ村に生まれ、フィレンツェで修行時代を過ごし、ミラノで絶頂期を迎えました。その後、さまざまな都市を転々とし、最後はフランス国王フランソワ1世に招かれ、アンボワーズ郊外で67年の生涯を閉じました。膨大な手稿を残す一方、現存する絵画はわずか十数点と限られています。しかし、その「美の世界」は彼の生きたルネサンス期の芸術家はもとより、現代にいたるまで多くの芸術家たちに多大な影響を及ぼしてきました。
静岡市美術館では開館1周年を記念して、レオナルド研究の世界的権威であるカルロ・ペドレッティ氏の名誉監修、レオナルド研究の第一人者であるアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏の監修、そして木島俊介氏を日本側監修に迎え、レオナルドの創造した「美の理想」に迫ります。 世界各地から集めた日本初公開となるレオナルドの作品や、レオナルドと弟子による共作、弟子やレオナルド派と呼ばれる画家たちの作品、レオナルドと同時代の画家たちの作品、書籍や資料など約80点を展示し、「万能の天才」の美の系譜を紹介します。
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