青い日記帳 

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「興福寺国宝展」─鎌倉復興期のみほとけ

東京藝術大学大学美術館で開催中の
「興福寺国宝展─鎌倉復興期のみほとけ」に行って来ました。(来てしまいました)





木造無著・世親立像など国宝9件29点、重文22件52点などを紹介する展覧会。
一言で言うなら『カッコイイ』仏像の展覧会。
ポスターやチラシでもその堂々たる姿を披露している国宝「金剛力士立像
何も付け足す必要のないこの完成された雄雄しい姿を観に行くだけでも
充分に価値ある展覧会です。

隣で観ていた方が「観れば観るほど離れなれなくなるな〜」とつぶやいて
いましたが、まさにその言葉通り、見飽きることなど全く無くいつまでも
その前に立ち観ていることのできる作品です。

仏像の見方はよく分かりませんが、それでも筋肉の表現や浮き出た血管、
睨みつける形相、手のしぐさ、翻る裙裳。迫力満点です。

展覧会会場は3つに分かれていて、はじめは曼荼羅図(多数あり)や
重要文化財「二天王像のうち 持国天」などの南都絵所の絵画が展示されています。
「春日社寺曼荼羅図」「春日鹿曼荼羅図」「春日若宮曼荼羅図」など
お隣の春日大社との関連を色濃く示す曼荼羅が多数展示してありました。

中でも「春日若宮曼荼羅図」は春日大社の『おん祭り』の神聖な様子を
想い伺わせる作品でした。『おん祭り』は毎年大学の研究会で
見に行っていたので思い出深いものがあります。

展示室2はお隣にあって、こちらは今ではなくなってしまった
興福寺中金堂に関するものと再建資料などが展示してありました。
国宝「中金堂鎮壇具 銀製鍍金唐花文鋺」や水晶玉、瓦など
発掘された品々が展示してあり、それと平行して現在建築が進んでいる
新しい中金堂の20分の1の模型などが展示されていました。
「中金堂再建の資料」(1675)の所蔵先がすぐ近くの東京国立博物館
だったのにはちょっと笑えました。

また興福寺の明治時代の荒廃ぶりを正岡子規が俳句で詠んでいて
それも紹介してありました「秋風や囲もなしに興福寺」

まぁ、ここまでが前菜なわけで、メインディッシュはエレベーターで3Fまで。
この階にある展示室は圧巻です。目が覚めます。
決して国宝だから、重文だから必ずしも素晴らしいという事はないかとは
思いましすが、ここだけはそうも言っていられません。

まず国宝「世親菩薩立像」「無著菩薩立像」が並んで
出迎えてくれます。贅沢だ〜
日本彫刻史に残る最高傑作と称えられていますが、嘘ではありませんでした。
運慶の工房で作られた傑作中の傑作です。

その後も展示室奥へ進むにつれ名品、名作の乱れ打ち。
どこから観ていいのか戸惑ってしまうほどです。
早く観ないと観られなくなってしまうのでは!などと自分の心に
脅迫されながらも、しっかりと一つ一つ崇めてきました。

持国天、増長天、広目天、多聞天の4体の四天王立像が部屋の真ん中に
聳え立っている姿はまさに圧巻。足元に押しつぶされている邪鬼の
ような下からの視線で鑑賞してきました。
(展示室1にあった海住山寺の四天王立像も小振りながら
大変よい作品でした。邪鬼の表情が特に素晴らしかったです)

邪鬼といえば、国宝「龍燈鬼立像」もありました。
「四天王像に踏みつけられた邪鬼を立たせて、仏法を照らす役目を担っている。」そうです。チケットにはこの立像がプリントしてありました。

また国宝「法相六祖坐像のうち 伝行賀」「伝善殊」はそれぞれ
表情が豊かで普通の仏像にはない人間味が感じられました。
特に「伝善殊」はいつまでも自分を見ているように思えました。

このほかにも実朝の『玉葉』や舞楽面、特に『散手』!!
小さな小さな国宝「千手観音菩薩立像」などもたっぷり見られました。

これだけでも満足ですが、10月13日からは後期日程で展示替えがあります。
また図録には載っていても東京展には出展されていないものもありました。
国宝「十二神将立像」は4体だけの展示でしたが
他の会場ではもっと展示されるとのことです?!

以下この後の巡回先です。
・2005年2月11日(金・祝)〜3月27日(日) 
 岡崎市美術博物館(愛知県岡崎市高隆寺峠1、岡崎中央総合公園内、0564-28-5000)
・2005年4月12日(火)〜5月22日(日)
 山口県立美術館(山口市亀山町3-1、083-925-7788)
・2005年6月7日(火)〜7月10日(日)
 大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82、06-6771-4874)
・2005年8月5日(金)〜9月11日(日)
 仙台市博物館(仙台市青葉区川内26、022-225-2557)

厨子入り 吉祥天椅像」は細木数子にそっくりでした。

以下プレスリリース
平安末期の戦禍により灰燼に帰した奈良・興福寺。その復興の成果をゆかりの宝物で検証する展覧会です。
 古都奈良を代表する大寺・興福寺は、来る2010年に創建1300年を迎えます。記念の年に向け同寺では、中心伽藍・中金堂の再建を中心にさまざまな記念事業を計画・実施しています。本展は、その一環として計画されました。
 興福寺は、創建以来、兵火や落雷などで幾度となく罹災してきましたが、1180年、源平の争乱を背景にした平重衡の南都焼き討ちでは、寺中の堂宇がことごとく炎上焼失するという未曾有の災禍を被ります。復興は翌年から始まり、13世紀前半にかけて堂宇の再建や諸仏の造像がなされていきます。この復興造営のなかで、明円、院尊らとともに、康慶、定慶、運慶など「慶派」の優れた仏師が造像を担当し、鎌倉仏教彫刻の新潮流を切り拓いていきます。復興事業のために組織された絵仏師の座である南都絵所では、彫像の彩色だけでなく、厨子絵や仏画、垂迹図、絵巻などが制作され、伝統的な大和絵に新たな息吹を吹き込みました。
 無著・世親両菩薩立像(運慶一門・国宝)などの彫像と、絵画、書跡、考古資料など、興福寺に伝わる宝物を中心に、各地の寺社や博物館などが所蔵する関連の宝物を加えた60余件で、興福寺鎌倉復興造営の文化的意義を検証します。併せて、再建計画が進む中金堂の模型や出土品も展示し、現在の復興にも焦点を当てます。
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この記事に対するコメント

Takさん。

素晴らしい感想文を読ませて頂きました。拝観してきた仏像たちが眼前に浮かんできます。

ちょっと前に観た「空海と高野山展」といい、今回の「興福寺国宝展」といい、「慶派」の実力には底知れぬものを感じます。

西洋のゴシック彫刻と時代をほぼ同じくしており、宗教性については互角だと思いますが、人体表現という点については「慶派」のほうに軍配を上げたいと思います。

最近「RIMPA」というヘンナ世界語が出現しましたが、「KEIHA」の国際性にも注目してもらいたいと思いました。
とら | 2004/09/25 11:21 PM
@とらさん
コメントありがとうございます。
もったいないお言葉恐縮です。
しかし良い見応えある展覧会でした。
規模もこれくらいが丁度いいかもしれません。

斜め前の東博でやったりすると
こうはいきませんからね。

確かに人体表現、木々の模様までをも上手く
その表現に用いているなんて驚きです。
ブロンズ像はぴたりと止まって見えますが
木像は今まさに動かんばかりの迫力がありました。

「KEIHA」良いですね。
でも海外に作品もっていかれては困りますよね(^^ゞ
Tak管理人 | 2004/09/28 8:12 PM
詳細なレポート楽しませてもらいました。また,随分インスパイアされました。ということで,同じことを書いても仕方ないので,少しだけ違う角度から感じたことを書いてみました。よかったら暇なときに遊びに来てください。
vagabond67 | 2004/10/11 12:45 AM
@vagabond67さん
コメントありがとうございます。
良かった展覧会ついつい長文になってしまいます。
読んでいただいて恐縮です。
貴ブログも拝読しました(^^)v
今後ともどうぞ宜しくお願いします。
Tak管理人 | 2004/10/11 2:01 PM
仙台に国宝展が来たので行ってみましたが、すごい迫力でしたよねー
最初の金剛力士像だけでお金を払った価値があったと思いましたよ!
ちも。 | 2005/08/22 3:23 PM
@ちも。さん
こんばんは。

コメント&TBありがとうございました。
仙台に今巡回しているのですねー
先日の地震にもびくともしませんよね。仏様。
価値ある展覧会でした。また見たいです。
Tak管理人 | 2005/08/22 11:10 PM
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