青い日記帳 

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「セガンティーニ展」

損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の
「セガンティーニ ―光と山―」展に行って来ました。


http://www.sompo-japan.co.jp/museum/

今年2011年4月29日〜7月3日の会期で損保ジャパン美術館で開催予定だった「セガンティーニ展」。ご存じの通り、東日本大震災の影響で止む無く中止に追い込まれてしまいました。

巡回先の佐川美術館(滋賀展:7月16日〜)と静岡市美術館(静岡展:9月3日〜)では予定通り開催。本来ならここで終了ですが、東京展が復活に!拍手!!

しかし、日ごろの行いが悪いのか生憎足を怪我してしまい、まだ観に行くこと叶っていません。今日も自分の代わりにかみさんが観て来た感想を元に記事書きます。

展覧会の構成は以下の通りです。

1:ミラノとブリアンツァ:初期
2:肖像画
3:サヴォニン:山岳の光 1886年
4:マロヤ:アルプスの象徴主義
5:自画像
6:シャーフベルクでの死、マロヤでの埋葬



「1:ミラノとブリアンツァ:初期」展示風景

すこーんと突き抜けたアルプスの青空と山々、そしてそこで生活する人々の姿を明るい色彩で描いたという印象の強いセガンティーニですが、展覧会を通して観るとそうしたセガンティーニらしい作品は少なく、逆に暗い色調の作品が多いそうです。

ジョヴァンニ・セガンティーニのミラノにおける青年時代は、陰鬱なものだった。」と図録にある通り、死んだ動物の静物画を多く描いたりしているそうです。

また、バルビゾン派のジャン=フランソワ・ミレーを彷彿させるような農民や羊飼いを描いた作品も。導入の第1章で「おっ!」と当惑。そして続く第2章でも…


「2:肖像画」展示風景

風景画家としての印象がどうしても強いセガンティーニ。余計に肖像画が奇妙に思えてくるそうです。(第5章の自画像も含め)

描かれている人物の心の奥底にある悩みや憂いを狙って描いているかのようなある種の凄みを感じたそうです。風景画家が描く人物画。気になります。とても。

「3:サヴォニン:山岳の光 1886年」


セガンティーニ「アルプスの真昼
左:大原美術館所蔵、 右:セガンティーニ美術館所蔵

待ってました!これぞセガンティーニ!!と言える作品の登場です。それまで暗い作品ばかりだったのでより一層美しく感動的に目に飛び込んでくるそうです。

画像で見るよりももっともっと奇麗な青空だったそうです。まさに突き抜けんばかりの空とアルプの山々。

でも、「アルプスの昼寝」の美しい印象があまりにも強く、また我々の抱くアルプスのイメージにぴたり一致するので、この作品をしてセガンティーニのイメージが固定化されてしまうのは果たして如何なものかと。

単に美しい景色を描きたかっただけではないはずです。笑顔の下に隠された涙。物語の中ではよくあること。果たして本当にそうなのかやはり実際に足を運んで観なくてはなりません。


「4:マロヤ:アルプスの象徴主義」展示風景

セガンティーニが繰り返し描いた「生の天使」と名付けられたモチーフや画像左の「虚栄」と題された作品など象徴主義的な作品が登場します。

とりわけ「虚栄」は。ラファエル前派的でもあり、ベルギー象徴主義的でもあり何とも不思議な作品。個人的にはこの展覧会で一番観たい作品です。

驚きはまだ残されていました。


セガンティーニ「自画像」1882年頃
セガンティーニ美術館所蔵

先ほど観た肖像画よりも更に内面性を露わにした作品です。

よく小説の世界では情景描写(風景描写)は心情描写(内面描写)と云われます。この展覧会の風景画と自画像が奇妙な一致をしているのではないかと思えてなりません。

そう考えるとやはり「アルプスの真昼」のような明るい色調の作品はもしかしてセガンティーニの代表作ではなく、逆にイレギュラーな作品であったのかもしれません。

そしてセガンティーニに死が突然訪れます。
「6:シャーフベルクでの死、マロヤでの埋葬」


ジョヴァンニ・ジャコメッティ「ムオタス・ムラーユのパノラマ」1898年
ビュンドナー美術館所蔵

セガンティーの弟子ジャコメティが師の意志を受け継ぎ描いたパノラマ作品。

アルプスの山々に抱かれ41歳の若さでこの世を去ったセガンティーニ。日本で33年ぶりの回顧展を通して見えてきたのは謎ばかりのような気がしてなりません。

少しでもその謎を解く為にも損保ジャパンへ期間中どうしても行かねばなりません。捻挫した足を引きずってでも。「セガンティーニ展」は12月27日までです。


「セガンティーニ ―光と山―」展

会期: 2011年11月23日(水・祝)〜12月27日(火)
月曜定休
会場: 損保ジャパン東郷青児美術館
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/

開館時間: 午前10時から午後6時まで 金曜日は午後8時まで
※入館は閉館の30分前まで
※会期変更前のチケットは今展でご利用いただけます。
主催: 損保ジャパン東郷青児美術館、NHK、NHKプロモーション、東京新聞
協賛: 損保ジャパン、グラウビュンデン州文化庁、スイス・プロヘルヴェティア文化財団
後援: イタリア大使館、スイス大使館
協力: スイス インターナショナルエアラインズ、スイス政府観光局

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影されたものです。
(撮影yukitwi)

【次回展】
東日本大震災チャリティー企画
日本赤十字社所蔵アート展」東郷青児、梅原龍三郎からピカソまで−復興への想いをひとつにして


開催概要
会期 2012年1月7日(土)〜2月19日(日)
月曜定休(ただし1月9日は開館)
会場 損保ジャパン東郷青児美術館
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン本社ビル42階
開館時間 午前10時から午後6時まで
※入館は閉館の30分前まで
主催 損保ジャパン東郷青児美術館
協賛 損保ジャパン
協力 日本赤十字社

Twitterやってます。
@taktwi
   
この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2709

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ジョヴァンニ・セガンティーニ(1858-99年)は、アルプスの風景を描いた画家として知られています。故郷イタリアで活動した初期には、フランスの画家ミレー譲りのスタイルで農民生活などを題材にしました。後にスイスのアルプスに魅せられ、澄んだ光より高い山地へ転居しながら、雄大なアルプスを舞台にした作品に取り組みます。次代の前衛美術に貢献する新印象派風の明るく細かいタッチの色彩技法もこのころ確立しました。さらに晩年には、母性・生・死などのテーマで象徴主義の代表画家となります。本展では、スイスのセガンティーニ美術館をはじめ国内外の所蔵作品より、初期から晩年までの厳選した作品によって画家の全貌を紹介。国内33年ぶりの回顧展となるこの機会に、セガンティーニの魅力をぜひご堪能ください。
展覧会 | permalink | comments(3) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

先日、僕も行って来ました。
「虚栄」が一番見ごたえがありましたね。

「生と死」を巡って、いろいろな解釈ができる作品かと思います。

トラックバックを貼らせて頂きました。
よろしくお願いします。
草野俊哉@三線伝道師 | 2011/12/11 12:22 AM
セガンティーニの遺作三部作「生」、「自然」、「死」はコールタールが塗られていて真っ黒で肉眼では殆ど見えないほどです。

経年変化もあると美術館員に聞きましたが、実際のアルプスの光と影でもあり、創作意図としてもバルビソン派からも通じるかと思われます。
pfaelzerwein | 2011/12/11 4:11 AM
こんにちは。お怪我されたそうですね。いかがでしょうか。
ご不自由でしょう。どうぞお大事になさって早く快復されますように。
ヨッコ | 2011/12/11 3:38 PM
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アルプスの画家 セガンティーニ  −光と山− 【損保ジャパン東郷青児美術館】 | 関東近辺の美術館めぐり 〜美術・美景・美味を楽しむブログ〜 | 2011/12/11 2:23 AM
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