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ミヤケマイ個展「膜迷路」

Bunkamuraギャラリーで開催中の
ミヤケマイ個展「膜迷路 −Down the Rabbit Hole−」に行って来ました。


ミヤケマイ公式サイト
http://www.maimiyake.com/

Bunkamura1階メインロビーフロアにあるBunkamuraギャラリー。「フェルメールからのラブレター展」へ急ぐお客さんの喧騒をよそに静かに開催されています。

しかし、一歩中へ入るとそこには存在感溢れるスペースが待っています。個展のタイトル(膜迷路)にあるように、まさにさながら迷路に迷い込んでしまったかの印象を受けます。



半透明の白いビニールシートで区切られた空間は記憶の何処かに潜む懐かしい場所のようでもあり、踏み入れてはならない禁忌の場所のようでもあります。因みにこのシートは工業用のものだそうです。上手く転用していますね。

恐ろ恐ろ中へ這入り込むと更に細かく区切られたスペース毎に作品が配置されています。あたかも昔からそこが「居場所」であったかのように。


ミヤケマイ「鏡よ 食物連鎖」、「リサイクル

ミヤケマイさんが手掛けるオラクルシリーズ。視覚、とりわけ物の見え方に固執するミヤケマイさん。目の前にあるものが実体なのかそれともカゲロウなのか。

また光のあたり方でも見えるもの、見えないものが出て来ます。直截的に目にしているものだけが真実とは限らないことは、今回の震災や原発事故に関する一連の報道からも明らかです。

「原子力は安全でクリーンなエネルギー」という一元的な見方により、見えなくなっていたモノが浮き彫りになり白日の下にさらされました。そして今は「原子力は危険なもの」といった見方に偏重しつつあります。また何かが見えなくなってしまっているのです。


ハニカムシリーズ

ミヤケマイさんにお話を伺ったところ「フォーカルポイント(Focal point)」というものを意識して作品制作にあたったとのことでした。

作品はそれぞれ距離をおき真正面からしか観ることは出来ません。少しでも横にずれるとまるで抽象画のように何がそこに描かれているか判別できなくなります。

先ほどの原発の例ではありませんが、現代社会はちょっとしたはずみでものの見え方が変わる時代です。正義が悪に。味方が敵にとちょっとしたはずみで寝返ります。

それに加えて個人ではとても処理できない程の高度な情報化社会となってしまいました。メディアリテラシーという言葉もある意味拷問のように聞こえてきます。



ギャラリーの突き当たり(膜迷路を抜け出た場所)にはこんな作品がまっています。河口龍夫が「大地の芸術祭」で手掛けた「関係ー黒板の教室」のようにチョークで思い思いのことを書き込むことが出来るそうです。

個展タイトルを「膜迷路」と題し、3月兎(兎年の3月に起こった東日本大震災より着想を得ている)を追って穴に落ち、まるで不思議の国のアリスの世界に迷い込んでしまったかのごとく、平衡感覚や自分の常識に対して揺らぎを感じる日常の世界を、ミヤケマイならではのピュアでありながら毒のある独特な世界で展開します。

毒がありながらもユーモアも忘れていないのがミヤケマイさんの良さです。例えばこんな可愛くお茶目な作品もありますよ。


「たまちゃん貯金箱」
アザラシのたまちゃんが描かれている掛け軸。よく見ると貯金箱にもなっています!?実際にお金が入れられるような仕組みになっています。これ欲しいですよね。

ミヤケマイ個展「膜迷路」は2012年1月12日までです!是非。
入場は無料です。


「膜迷路 −Down the Rabbit Hole−
ミヤケマイ個展」


会場:Bunkamuraギャラリー
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/

会期:2011年12月23日(金・祝)〜2012年1月12日(木)
※1/1のみ休廊
※年末年始の営業時間
 12/31・1/2・1/3は18:00 CLOSE
※最終日は17:00 CLOSE

ミヤケマイ公式サイト
http://www.maimiyake.com/

注:会場内の画像は作家及びギャラリーの許可を得て撮影したものです。

ツイッターやってます。
Twitter @taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2725

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【近日羽鳥書店より発売】

それでも世界はうつくしい
ミヤケマイ最新作品集

2011年展覧会――壺中居「八百萬」(東京)、FINE ART ASIA 2011(香港)、横浜市民ギャラリー「ニューアート展 NEXT 2011 Sparkling Days」(横浜)、Bunkamura Gallery「膜迷路:Down the Rabbit Hole」(東京)――を中心に、最新作69点収録。ハニカム構造の作品群や日本美術のDNAをうけつぐ掛軸など、光と陰をたくみに用いながら天衣無縫に展開するミヤケマイの“2.5次元”世界を堪能する決定版作品集。

◆A4判変型 並製 136頁 ◆定価 5,040円(本体4,800円+税)
◆ISBN 978-4-904702-31-4 C1071 ◆2012年1月下旬刊行
◆ブックデザイン:有山達也+岩渕恵子(アリヤマデザインストア)
◆撮影:久家靖秀、繁田諭 他 

寄稿: 浅井俊裕(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)、
内田真由美(アートコーディネーター)、中島利充(壺中居)、萩尾望都(漫画家)
日本独自のDNAに立脚しながら、繊細かつ大胆にサイトスペシフィックな作品を展開する作家、ミヤケマイ。そこに在るのに無いもの、無いのに在るものを素材にしながら、注意をしないと見落としてしまうディテールを通し、遊びのある独特の世界を展開しています。Bunkamura Galleryでは過去に2度個展を開催し、各方面に存在感を鮮烈にアピールしました。

今展では、個展タイトルを「膜迷路」と題し、3月兎(兎年の3月に起こった東日本大震災より着想を得ている)を追って穴に落ち、まるで不思議の国のアリスの世界に迷い込んでしまったかのごとく、平衡感覚や自分の常識に対して揺らぎを感じる日常の世界を、ミヤケマイならではのピュアでありながら毒のある独特な世界で展開します。

あるひとつの物事でも、見る視点によって、見えたり、歪んだり、見えなくなったりすることは誰にでもあること。世界には様々な解釈や理解の方法がある中で、人は自分の立ち位置によって、見える世界が違うのだというメッセージが込められたミヤケのハニカムシリーズを多数展示販売予定です。

ベースにあるテーマは、「人の物差しを疑うより、自分の物差しを疑え」と語るミヤケマイ。これまでに数多くのギャラリーや美術館、アートフェアでの展示、さらには企業とのコラボレーションや本の装丁など、多岐に渡る活動を通じて進化を続けてきました。
前回の個展の後、パリのエコール・デ・ボザールへの留学などを経験し、5年の歳月を経てBunkamuraに帰ってくるミヤケマイから、一体どんな作品が飛び出してくるのでしょうか。ご期待ください。

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ミヤケマイ個展 膜迷路 −Down the Rabbit Hole−に行ってきました。 このDMのビジュアル、実際にどうなっているかと思います? 奥にある画面はこれまでのミヤケさんの作品のテイストなんですが目の前を遮るものが気になりました。 てっきりガラスかアクリルが6角形