青い日記帳 

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京都 細見美術館展Part1「都の遊び・王朝の美」

横浜そごう美術館で開催中の
京都細見美術館展Part1「都の遊び・王朝の美−美を愛でる、京を知る−」に行って来ました。


http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/

京都へ出かけた際は必ず細見美術館へ足を運びます。はじめ伺った時はその外見からは想像もつかない奇抜な建物の構造に戸惑いを感じましたが、今ではそれもすっかり慣れっこ。受付で入館証となるシールをもらい自動ドアの彼方へ。

大阪の実業家であった故 細見良(初代古香庵)にはじまる細見家3代のコレクションをもとに、1998年3月京都の岡崎に開館した細見美術館。

収蔵品は、縄文・弥生時代の土器に始まり、仏教・神道美術、絵巻物や水墨画、茶の湯釜などの工芸品、近世の風俗画、琳派や伊藤若冲を中心とする江戸絵画など、日本美術のほぼ全ての分野、時代を網羅しています。

今回の展覧会は横浜に居ながら、京都の風情を味わえる好企画。江戸時代の作品をメインに桃山時代から大正時代までの約90点の作品で構成されています。


鈴木其一「燕子花団扇に笹図」江戸後期

展覧会の構成は以下の通りです。

1:王朝の雅−和歌と物語−
2:都の四季−遊びと飾り−
3:京の絵師−若冲から雪佳までー


「王朝の雅−和歌と物語−」に4点出展されていた本阿弥光悦と俵屋宗達によるコラボ作品は銀色が退色してしまってはいるものの「心の目」で描かれた当時の色彩を補正しながら一点一点うっとりと。


本阿弥光悦・書/俵屋宗達・下絵「忍草下絵和歌色紙『郭公』
江戸前期

「郭公(ほととぎす) はつ声聞けば あぢきなく 主さだまらぬ 恋せらるはた」『古今和歌集』にある素性法師の歌を記した色紙。金銀で細やかに表現された忍草の上を自由闊達に飛び回る小鳥のように光悦の書が踊ります。

これとはまたまるで違う表情を魅せる「萩薄下絵和歌書扇面」こちらも二人のコラボレーションが見事に功を奏している作品ですが、とりわけ宗達の絶妙な間合い、配置が一層魅力引き立たせています。


俵屋宗達「歌仙図色紙『藤原仲文』」江戸前期

「有明の月の光を待ほどに 我よのいたくふけにける」『捨遺抄』に収められた仲文の歌。画面左上に「右」と書かれてあることから、歌合絵として描かれたものでしょう。このちょっと緩い力の抜けた表情がそのまま琳派に受け継がれて行ったのでしょうか。

「琳派の祖」として名高い宗達ですが、その生涯についてはほとんど解明されていないと言っても過言ではありません。しかし宗達無くして日本美術の系譜辿ること不可能です。

最近、東大出版会より刊行されたばかりのこちらの本を今、読んでいます。

「本阿弥光悦とともに制作した書のかざりや,宗達を育んだ日本中世の美意識に注目し,伝統を受け継ぎながら新しい〈かざり〉の美を生み出した宗達の活動の全貌に迫る」これまでに無かった俵屋宗達本の決定版です。


俵屋宗達: 金銀の〈かざり〉の系譜
玉蟲 敏子 (著)

書のかざりや都市を彩る屏風絵…宗達の作品に引き継がれる美の伝統を、奈良、平安時代まで遡って詳細に考察。従来のイメージを刷新し、日本美術に滔々と流れる金銀の絵画の系譜から読み直す待望の宗達論。

閑話休題。

「都の四季−遊びと飾り−」「京の絵師−若冲から雪佳までー」も見応え充分です。小沢華獄が描いた「蝶々踊図屏風」は画面から京の町の人々の祭りに興じる声が今にも聞こえてきそうです。

京の絵師と言えば近年特に注目を浴びている伊藤若冲。ジャニーズの大野君が司会進行役を務めたNHKの若冲番組のおかげで細見美術館を訪れる若い女性が増えたそうです。


伊藤若冲「伏見人形図」江戸中期

若冲の名品を多く所蔵することでも有名な細見美術館。今年5月26日〜7月16日に同じくそごう美術館で開催される、京都細見美術館展Part2「琳派・若冲と雅の世界」でたっぷりと拝めます。

今回の展覧会では上記の伏見人形図ともう一点のみ。京都の絵師と言えばこれまで円山応挙だったのですがすっかりその立場逆転してしまった感があります。(少なくとも人気の面では)

そうそう、神坂雪佳も細見美術館を代表するスターです。今回もたっぷりと拝見することが出来ます。「神坂雪佳展」いま一度観てみたいものです。


中村芳中「初夏山水図」江戸後期

観たい展覧会と言えば中村芳中。どこかの美術館で「中村芳中展」開催してくれないかと折に触れて語っています。他の追随を全く許さない芳中ワールド。

琳派もゆるゆるですが、文人画すらもこんなにしちゃうなんてやはりただ者ではありません。佐藤康宏先生のコメントが聞きたい。

京都細見美術館展Part1「都の遊び・王朝の美」は3月20日までです。毎週土曜日午後2時からは学芸員さんによるギャラリートークが行われます。細見美術館さん行ってもこれだけまとまって拝見すること叶いません。この機会に是非!


京都 細見美術館展Part1「都の遊び・王朝の美」

開催日:2012年2月4日〜3月20日
会場:そごう美術館(そごう横浜店6F)
http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/

開館時間 :午前10時〜午後8時
※最終日は午後5時閉館
※入館は閉館の30分前まで
主催:そごう美術館、細見美術館
後援:神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会
協賛:そごう・西武


京都細見美術館展Part2「琳派・若冲と雅の世界」
2012年5月26日〜7月16日

琳派、伊藤若冲の個人コレクションとしては世界有数の規模を誇る細見美術館。「Part供廚任蓮⊇|から始まった琳派300年の華麗な様式、若冲のユニークの作品を中心に、細見コレクションが誇る平安、鎌倉、室町時代の雅な物語絵、仏教美術の優品など約70点を展覧いたします。

【関連イベント】
連続講演会 開催予定
細見良行氏(細見美術館館長)
山下裕二氏(明治学院大学教授)
仲町啓子氏(実践女子大学教授)

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2767

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日本美術を総覧する、京都・細見美術館。
本書では、宗達、光琳、抱一、雪佳など、琳派三百年の様式美と若冲の魅力をはじめ、根幹をなす仏像や荘厳具などの仏教美術や物語絵のほか、能装束、蒔絵、七宝など美術工芸品も収載。
選び抜かれた名品の数々を掲載し詳細な解説を付す。
第一章 華麗なる琳派
第二章 若冲の魅惑
第三章 祈りの美
第四章 王朝の雅と源氏絵
第五章 かざりの意匠


 平安時代以来、長きにわたり文化の中心であった京都。都で生み出されてきた様々な美術は、平安の王朝期に始まる和歌や物語、優雅な遊び、祇園祭や賀茂競馬といった祭礼など、都のあらゆる文化が源泉となっています。
 Part1の展覧会では、歌仙絵や物語絵、祭礼・遊楽図屏風、きらびやかな調度品のほか、俵屋宗達をはじめ円山応挙、伊藤若冲、近代の神坂雪佳にいたる京の絵師達の絵画まで、京都にまつわる作品約80点を展覧し、長い歴史のなかで受け継がれ育まれてきた「都の美」をご紹介します。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

若冲と言えば、きょう(2月8日)のGoogleのトップページが、「伊藤若冲生誕296周年」の特別ロゴになっています。
「296周年」とは半端な数字ですが、4年後の300周年に期待しましょうか。
と思ったら、4年後は神坂雪佳生誕150周年でもあるわけですね!
三日月湖 | 2012/02/08 1:35 PM
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京都 細見美術館展 Part 1 『都の遊び・王朝の美ー美を愛でる、京を知るー』そごう美術館(そごう横浜店6階)へ行ってきました。(2/20)                      2012年2月4日(土)〜3月20日(火・祝)            
都の遊び・王朝の美 そごう美術館 | すぴか逍遥 | 2012/02/21 9:11 AM
「都の遊び・王朝の美」展、チラシ 横浜・そごう美術館で、「京都・細見美術館展 Part ? 都の遊び・王朝の美―美を愛でる、京を知る―」を観てきました。Part ?はちょっと間が開きますが、「琳派・若冲と雅の世界」と題して、2012年5月26日(土)から7月16日(月