青い日記帳 

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『芸術家の家』

西村書店より刊行された『芸術家の家―作品の生まれる場所』を読んでみました。


芸術家の家: 作品の生まれる場所』(西村書店
原書名:Maisons d’Artistes(Lemaire,G´erard‐Georges;Amiel,Jean‐Claude)
ジェラール=ジョルジュ ルメール (著), G´erard‐Georges Lemaire (原著), Jean‐Claude Amiel (原著), 矢野 陽子 (翻訳), ジャン=クロード アミエル

個性豊かな14人の画家と彫刻家の「家」を美麗な写真と流麗な文章で紹介する一冊。

モネやモロー等、日本人に馴染みの深い画家からジェームズ・ミュンター、フランティシェク・ビーレクと言った馴染みの薄い作家・彫刻家の住んだ家やアトリエが掲載されています。

ページを開いてすぐ誰の家だか分かる作家さんと「えーーこんな家に住んでいたの!」という大きく二つのパターンに分類される傾向に。例えば↓すぐ誰の家だかわかりますよね。


ルネ・マグリット

ベルギー、ブリュッセル郊外のジェット地区という場所にマグリットは居を構えていたそうです。添えられた文章が大変読みやすく笑いどころを押さえているのもこの本の魅力です。

マグリットと彼の奥さんとでは家具の趣味が全く合わず諍いの種になっていたこと。二人がそれぞれ自分の好みの家具を持ち込んだ為、家全体が「滑稽」な空間になってしまったとか。

またマグリットの絵に登場する「室内」も掲載されており、ファンにとっては嬉しいことばかり。

【『芸術家の家: 作品の生まれる場所目次


アンドレ・ドラン
ブルームズベリー・グループ
フランティシェク・ビーレク
ギュスターヴ・ド・スメット
アルフォンス・ミュシャ
ルネ・マグリット
ローザ・ボヌール
ギュスターヴ・モロー
ウィリアム・モリス
ガブリエーレ・ミュンター
ジェームズ・ミュンター
クロード・モネ
アルフレート・クビーン
ジョルジョ・デ・キリコ



ウィリアム・モリス

自らがデザインした布地が張られた椅子や壁紙にカーペット。まさに自分の作品に包まれて過ごす空間。しっかり壁は奥さんの肖像画も飾られていたりします。

モリス自身が提唱した「アーツ・アンド・クラフツ運動」を率先した室内。植物文様がいたるところに用いられているのが分かります。これで庭園の写真もあれば尚良し。

ほぼどの作家さんもイメージ通りの住いに住んでいますが、たまに想像に反する家が登場するのもこの本の面白い点です。良い意味で期待を裏切ってくれます。しかし文章を読んでいると「なるほど〜」とその理由も頷けます。


ジョルジョ・デ・キリコ

キリコの住い「家」ではなくもう立派な「宮殿」です。

独特の作風で一世を風靡した後、作風を変えるものの以前のような高い評価を得られることなく、晩年は再び初期の作風に逆戻りしたキリコ。

住まいもローマ、フィレンツェ、ミラノ、パリ、ニューヨークと転々と。終の棲家となったのがこの本に掲載されているローマの家。

この本を読んで、キリコが絵を描けなくなったことや、若い時期の制作年をわざと作品に記した理由も垣間見えてきました。


ギュスターブ・モロー美術館内に残されているモローが生前生活していた居間や寝室(撮影:Tak)

モロー美術館のように嘗ての住いがそのまま美術館になっているところもありますが、画家の家、アトリエは中々見る機会がありません。滅多矢鱈に人さまの家、入りこんで見学すること叶いませんからね。

この本がその夢を叶えてくれます。ルメール,ジェラール=ジョルジュの文章を矢野陽子氏が大変読みやすい日本語に翻訳。またアミエル,ジャン=クロードの美麗な写真も大きな魅力です。勿論全頁オールカラー。

作家の言葉や生涯も掲載されています。大型でずっしりと重みのある一冊です。また一冊お気に入りの本が本棚に加わりました。


芸術家の家: 作品の生まれる場所

モネ、ミュシャ、マグリット、アンソール、モリス、ドラン、デ・キリコほか、芸術家が生活と制作のために築き上げた美的センスあふれる「家」を紹介。

Twitterやってます。
@taktwi

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フランチェスカ プレモリ=ドルーレ,エリカ レナード,マルグリット デュラス
西村書店

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