青い日記帳 

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「セザンヌ展」

国立新美術館で開催中の
「セザンヌーパリとプロヴァンス"Cézanne.Paris-Provence"」展に行って来ました。


http://cezanne.exhn.jp/

「一番好きな画家は?」と聞かれたら「セザンヌ」と答えます。
(フェルメールも好きだけど)

学生時代からモネやシスレーなど印象派の画家達の美しい風景画に魅せられ、多くの展覧会に足を運び、古典絵画を含め片っ端から見てまわりました。次第に20世紀美術や現代美術と呼ばれるモノに興味関心が。それらも一通り目にし最も惹かれたのがポール・セザンヌだったのです。

自慢できること少ない自分ですが、1996年にロンドン、テイト・ギャラリーで開催された(グラン・パレ、フィラデルフィア美術館巡回)世紀の大セザンヌ展をわざわざ見る為に英国まで行きました。世界中から集められたセザンヌ作品約200点に囲まれまさに至福の時を過ごしました。

それでは何故そこまでセザンヌが好きかと聞かれると答えに窮してしまいます。好きは好き。中々言葉に出来るものではありません。だって彼氏のどんなところが好きか上手く言えないでしょ。それと同じ。

ただ、セザンヌ作品の前に立つととても安心するのです。と同時に花見酒に酔ったようなそわそわと落ち着かない気もちにもなります。相克する気持ちが何ともたまらないのです。(やっぱり答えになっていませんよね)

日本の展覧会で、美しい人物像や風景画を描く印象派の画家たちの中にセザンヌ作品が混じっていると、大抵そこは閑散としていたりします。まるで異質のものだからです。

でも、本当はちょっとだけ足を止めて絵と向き合ってみると、そこにはルネサンス絵画から脈々と受け継がれてきた西洋絵画の常識では計り知ることの不可能な多くの魅力がぎっしり凝縮されていることに気が付くはずです。

それまで正しいとされてきた構図や遠近法等、絵画の常識がセザンヌの手により壊さし、ばらされ次のステージに向け再構築されている痛快さ。

また確固たる自論に基づいた清々しいほどの筆さばき(サクサクと平筆をキャンバスにあて、面で対象を描きあげています)に魅了されます。

加えて考え抜かれたセザンヌ作品の配色にはただただ感心させられるばかりです。「色相環」思い浮かべながら使用している色にポイント置き作品と向かい合ってみて下さい。カラーコーディネートを学んでいる人に是非セザンヌの作品を観てもらいたいです。

油彩画もさることながら彼の魅力が最も容易に理解出来るのは水彩画です。セザンヌ曰く「色彩が調和するに従ってデッサンも明確になる」薄い水彩を画面にポンポンと置くだけで林檎のボリューム感を出す。神業に近いものがあります。

ここにこの色を置けばこうした形が出来上がるということ(イメージではなく確信)が、セザンヌの頭の中にはキャンバスに向かった時から既にあるのです。将棋や碁の世界で何十手先も読み通すことが出来る名人の如く。

セザンヌについては、もう幾らでも語りたいのですが、きりがないのでこの辺で。兎にも角にもセザンヌ観て下さい。貴重な初期作品も出てます。

展覧会の構成は以下の通りです。

1章:初期
2章:風景
3章:身体
4章:肖像
5章:静物
6章:晩年



「1章:初期」展示風景


「2章:風景」展示風景


「4章:肖像」展示風景


会場内にはセザンヌ故郷エクス・アン・プロヴァンスのレ・ローブに残るアトリエも再現されています。

アトリエ・セザンヌのミッシェル・フレッセ館長曰く、実際にセザンヌが制作に用いたオブジェ約20点を今回プロヴァンスから六本木へ貸し出しているそうです。

今回の展覧会ではプロヴァンスとパリを往来しつつ絵画制作をした点にスポットをあてています。プロヴァンスで描かれた作品にはオレンジ、パリで描かれた作品には青のラインがそれぞれキャプションに施してあります。要チェックです。

「セザンヌ展」は6月11日までです。今年のベスト5入り絶対間違いない展覧会です。是非!!強力にプッシュします。(多分もうこの規模のセザンヌ展、日本で今後観られることありません)


「セザンヌ−パリとプロヴァンス」展
http://cezanne.exhn.jp/

会期:2012年3月28日(水)〜 6月11日(月)
休館日:火曜(ただし5月1日は開館)
開館時間:10:00〜18:00まで 
(金曜日は20:00まで)
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
http://www.nact.jp/

主催:国立新美術館、日本経済新聞社
後援:フランス大使館
特別協力:オルセー美術館、パリ市立プティ・パレ美術館
協力:エールフランス航空、日本航空


ミュージアムショップではセザンヌのリンゴをあしらったオリジナルグッズ。

ハンカチに付いているタグにご注目。切符の形してます。よく見ると「パリ=プロヴァンス」の往復切符のようです。上手いな〜

おまけ:

あっ!山口晃さんだ!!

「セザンヌ展」関連イベントで語りまくるそうです!乞うご期待。

「セザンヌは山をどこから描くか」
山口晃氏(画家)
2012年4月21日(土)
14:00〜15:30(開場13:30)


Twitterやってます。
@taktwi

注:会場内の画像は内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。

この記事のURL
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「セザンヌ−パリとプロヴァンス」展は、「近代絵画の父」と称されるポール・セザンヌ(1839−1906年)の画業を、パリとプロヴァンスという2つの場所に注目して振り返る大規模な個展です。
南仏のエクス=アン=プロヴァンス(以下「エクス」と略)に生まれたセザンヌは、1860年代のはじめに、画家としての成功を夢見てパリに出ます。1870年代に入り、セザンヌは、当時世に出た印象派の輝くような明るい色彩に大いに感化される一方、形態と空間の表現に創意を凝らしました。そして、伝統的なアカデミスム絵画とも同時代の印象派とも袂を分かつ、全く新しい絵画を確立したのです。
1880年代以降のセザンヌは、パリに背を向け、故郷のエクスにこもって制作した孤高の画家と見なされてきました。しかし、実際には、1861年から晩年に至るまで、20回以上もパリとプロヴァンスの間を行き来していたのです。フランス南北間の頻繁な移動は、これまで注目されてきませんでしたが、セザンヌの創作活動に決定的な役割を果たしたと考えられます。本展は、セザンヌの芸術的創造の軌跡を、北と南の対比という新たな視座から捉えなおそうという画期的な試みです。

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