青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< April 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「あなたに見せたい絵があります。」 | main | 「KATAGAMI Style」 >>

「杉本博司 ハダカから被服へ」

原美術館で開催中の
「杉本博司 ハダカから被服へ」展へ行って来ました。



都内では森美術館で2005年に開催された「杉本博司 時間の終わり」展以来の開催となる待望の「杉本博司展」。

実に7年ぶりの杉本博司展となる今回の展覧会では、ガブリエル シャネル、イヴ サンローラン、川久保玲など、20 世紀を代表するデザイナーによるファッションの数々を撮影した「スタイアライズド スカルプチャー」シリーズを中心に、「ハダカから被服へ」という人類史的な軸を浮き上がらせることに挑んでいます。

杉本流の軽妙洒脱な解釈と展開によって繰り広げられる展示空間。一見関連の無さそうな個々の作品も杉本氏の手にかかれば「紙芝居」(本人談)的な面白さを包含した洗練されたウィットに富んだ展示となっています。


「近代 被服のブランド化」展示風景

また「ジオラマ」、「肖像写真」シリーズからも作品を選び「ハダカから被服」を纏うようになり、そしていつしかその被服がブランド化し記号化して行く人類史のゆるやかな流れを原美術館の中で展開しています。

動物的な発情期を失った人間は、発情を隠すことによって、より発情するようになる。羞恥と隠蔽のはざまで、人の心が育まれていった。いちじくの葉は腰蓑へ、そして衣服へと発展していく。」杉本博司



今回、原美術館での展覧会の為に制作された「数理模型」(負の定曲率曲線 双曲型の回転面)のプロポーションの美しさにうっとりしつつ、ふと窓の外に目をやると何とも無粋な竹箒が列をなして並んでいます。

こちらも杉本氏が手掛けた「作品」。窓から見える古びたエアコンの室外機を隠す為に、一本250円の中国製の竹箒でこしらえて「アートのほうき

江戸時代、尾形光琳が「光琳垣」をこしらえた要領で、今あるものを利用して何か「いちじくの葉」の代わりになるものはないかと探した結果、杉本氏の目にとまったのが驚くほど安価な竹箒だったわけです。

杉本氏曰く「垣根としては良いものではないので(笑)『悪あがき』『悪ガキ』とでも呼んで下さい」とのこと。



2階から屋上へ通ずる階段には、ダリやコクトーらと親交のあったデザイナー、エルザ・スキャパレリ(1938年頃)の服を纏ったマネキンが展示されています。

またマルセル・デュシャンの「階段を降りる裸体No.2」を彷彿とさせる展示作品もあり、ちょっとした趣向が随所に盛り込まれています。読み取りながら観ていくのも一興です。

この他にも、杉本氏の手により表具をあしらわれ茶会の席の掛け軸として用にるという、ジャック・ゴーティエ・ダゴティの「背筋図」や昭和初期の銀座のモダンガールたちを描いた榎本千花俊の「千人針」などの絵画作品も必見です。

人類の衣服の歴史は人類の歴史そのものと同じほど古い。」(杉本博司)

私は着せ替え人形だ。毎日服を着て、私は私を演出する。」(杉本博司)


雷紋 能衣装

さらに、杉本博司氏自身が演出を手がけた文楽の人形(「杉本文楽曾根崎心中付けたり観音廻り」)やデザインに携わった能楽の装束(「神秘域(かみひそみいき)」で野村萬斎が着用したもの)、これまで収集した美術工芸品も併せて展示。

あなたの意志とは係わりなく、あなたの着る服が、あなたの表情を決める。」(杉本博司)

大昔、私達が裸で暮らしていた頃、私達は幸せだった。」(杉本博司)

ドキュメンタリー映画も好評を博している杉本博司ワールド全開の展覧会。横浜トリエンナーレの展示に通ずるウィットに富んだ展示が随所に見られます。


映画『はじまりの記憶 杉本博司』
http://sugimoto-movie.com/

「杉本博司 ハダカから被服へ」展は7月1日までです。絶対行くべし!

作品は勿論ですが作家自ら書き下ろしたキャプションも読み応えあります。また展覧会図録として「洒落本 秘すれば花」を販売中。和綴じされたとても素敵な仕上がりとなっています。


杉本博司 ハダカから被服へ
(英題 Hiroshi Sugimoto: From naked to clothed)
会期:2012年3月31日[土] 〜7月1日[日]
会場:原美術館
〒140-0001
東京都品川区北品川4-7-25
ウェブサイト http://www.haramuseum.or.jp
携帯サイト http://mobile.haramuseum.or.jp
ブログ http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum
Twitter http://twitter.com/haramuseum
(アカウント名@haramuseum)

主催・会場:原美術館
特別協賛:Dom Pérignon
協力:公益財団法人京都服飾文化研究財団、公益財団法人小田原文化財団、ギャラリー小柳
開館時間:11:00am-5:00pm
(水曜は8:00 pmまで/入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日にあたる4月30日は開館)、5月1日
交通案内:JR「品川駅」高輪口より徒歩15分/タクシー5分/都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩3 分。


またこの展覧会は、ドン ぺリニヨンの特別協賛を得て開催される為、期間中原美術館カフェ ダールではこんなリッチな特別企画も用意されています。

原美術館[カフェ ダール特別メニュー] 水曜夜限定「ドン ぺリニヨン イヴニング」 ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2003をグラスで!お二人様用特別メニュー。一口サイズのお料理とともにちょっと贅沢な夜を。

日時 展覧会期中 [2012年3月31日(土)―7月1日(日)] の毎週水曜18:00〜20:00(ラストオーダー 19:30)

原美術館内カフェダールにて 予約制 2名で税込5,250 円(入館料別)

内容 ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2003 をグラスで各一杯、および一口サイズのフード各二品 (フードの詳細は後日お問い合わせください)

受付開始日 3月31日[土]11:00〜 各日限定5組10名様
※ご予約は電話のみで承ります。
03-5423-1609 (カフェ直通)

Twitterやってます!
@taktwi

注:会場内の画像はプレス内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2833

JUGEMテーマ:アート・デザイン


原美術館にて現代美術作家、杉本博司の個展を開催します。
杉本博司は、写真というメディアの本質を探究し、人間と世界の意味を照射する数々の写真作品で国際的に高い評価を受けています。日本語では「Photography」を「写真」と表記しているものの、デジタルメディア時代の今、写真画像の加工や修正はコンピュータ上で簡単にできるようになりました。しかし、杉本博司はデジタル時代以前に写真は虚構である事を見抜き、カメラの眼で世界をとらえる事によって、人間の眼の性(さが)を研究してきました。その精緻なモノクロームのプリントは透徹した思考と卓越した技術に裏打ちされ、他の追随を許さないイメージが鑑賞者を魅了します。
この展覧会は、ガブリエル シャネル、イヴ サンローラン、川久保玲など、20世紀を代表するデザイナーによるファッションの数々を撮影した「スタイアライズド スカルプチャー」シリーズを中心に構成されます。「人類の衣服の歴史は人類の歴史そのものと同じほど古い」ことに着目し、「人体とそれを包む人工皮膚を近代彫刻として見る」という視点から制作したこのシリーズは、生身の身体を持ったモデルではなく、慎重に選んだマネキンを使って撮影されています。これは、人間にとっての衣服の意味、人間と衣服の関係を掘り下げる示唆的なシリーズとなっています。
このシリーズに加えて、他のシリーズ(「ジオラマ」および「肖像写真」)から選んだ写真作品が「ハダカから被服へ」という人類史的な軸を浮き上がらせます。さらに、杉本博司自身が脚本・美術・演出を手がけた文楽の人形、デザインを手がけた能楽の装束、これまで収集した美術工芸品も織り込み、人間の身体と「装う」ことの意味を、杉本博司ならではの視点で読み解きます。
展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック