青い日記帳 

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ホノルル美術館所蔵「北斎展」

三井記念美術館で開催中の
特別展 ホノルル美術館所蔵「北斎展−葛飾北斎生誕250周年記念」に行って来ました。


http://www.mitsui-museum.jp/

昨年2011年に開催される予定でしたが、震災の影響により中止に。しかし今年再びホノルル美術館所蔵の北斎の優品を目にする機会が巡って来ました。館長以下主催者の並々ならぬ努力の賜物。
米・ホノルル美術館にはおよそ10,000点もの浮世絵コレクションがあり、そのクオリティの高さには定評があります。本展は2010年に生誕250年を迎えた飾北斎の作品のみを厳選したもので、ホノルル美術館として館外で初めての北斎展となります。代表作『冨嶽三十六景』をはじめ、北斎のデビューから最晩年までを概観するものです。
ハワイにまで行って美術館へ…と思うかもしれませんが、ビーチで泳ぎ、買い物満喫した後にちょっと立ち寄るのに丁度よい空間がこのホノルル美術館です。

しかし、残念ながら浮世絵(特に今回出ているような極上の北斎作品)を常時展示しているわけではありません。10000点をゆうに上回る浮世絵コレクションを誇るホノルル美術館の中にあって北斎や広重などメジャーな浮世絵師の質の高い作品が南国の島に所蔵されているのです。

コレクションの中核を成すのはミュージカル「南太平洋」の作者、ジェームス・A・ミッチェナー氏の寄贈による約5400点の高クオリティの浮世絵版画。ここに極上の北斎も含まれてます!


葛飾北斎「冨嶽三十六景 東都浅草本願寺
1830-1832年頃 横大判錦絵
ホノルル美術館蔵

セザンヌもビックリの三角形を見事画面に配置した作品。手前の本願寺の屋根の三角形が奥に見える主役の富士山の三角形とシンクロしています。

まるで富士山をそのまま手前に斜め移動させてきたかのようです。よく見ると屋根の上には何名かの人が作業をしている最中のようです。まさか「登山」じゃありませんよね。

更に構図の面では、中央を同じ方向へ斜めの角度にあがる凧が補助線の役割をになっています。そして画面左の天まで届く勢いの井戸掘りやぐらも描かれているのといないのでは大違い。試しに手でやぐらを隠して観ると…ほら途端に全体のバランスが右寄りに崩れてしまいます。

それと今回注目したのが「緑」です。


葛飾北斎「冨嶽三十六景 東海道品川御殿山ノ不二
1830-1832年頃 横大判錦絵
ホノルル美術館蔵

一般的に北斎、特にこの「冨嶽三十六景」シリーズでは当時日本にやって来たばかりであったベロ藍(青色)に注目が集まります。この青の色がまた奇麗なんですよね〜グラデーションも素敵だし。
 何よりも北斎のやる気を誘ったのは、永寿堂がまだ入手困難な、舶来の鉱物顔料であるベロ藍(プルシアンブルー)を、高価な値段で買い付け、北斎に手渡したからである。
 ベロ藍は、1704(宝永元)年から1710(宝永7)年にかけて、ドイツ・ベルリンで染色・塗料製造に従事していたディースバッハと錬金術師デイツペルが、フローレンスレーキという赤い顔料を作ろうとした時、偶然、青色の色材(フェロシアン化鉄)が発見されたのである。これが俗に言う、ベロ藍(プルシアンブルー)である。
日経ビジネスオンライン「ベロ藍を手に入れた北斎」より。

しかし、今回の「北斎展」では青も勿論なのですが、画面上の緑色の部分がとても鮮やかで美しい色をしているのに目が釘付けになりました。

モニターで通してご覧になっても中々言いたいことが伝わらないかと思いますが、「諸国瀧廻り」や「琉球八景」も含め圧倒的存在感を放っていたのは北斎グリーンでした。

良いモノを、良い環境下で拝見するとこれまで気がつかずにいたこと、見逃していたことがふっと目の前に現れてくることしばしばあります。これが堪らないんですよね〜行って良かったです。


葛飾北斎「渡舟図」1830年代初頭頃
絹本着色軸装
ホノルル美術館蔵

この展覧会の構成は至ってシンプルです。

1:揃物の名品
2:北斎の生涯と画業


そして「北斎の生涯と画業」コーナーに肉筆画も多数出ているのです。北斎の娘のお栄(葛飾応為)が描くようなやわらかく温かみのある人間たち。一期一会同じ船に居合わせた人々の様子と雄大な自然が押し付けがましくなく描かれています。

17日まで三井記念美術館で開催しています。ホノルル美術館外で「北斎展」が開催されるのはこの展覧会が初めてのことです。

とてもまとまりのある展覧会でした。今週中に是非。


葛飾北斎「鶯と垂桜」1832年頃
堅中判錦絵
ホノルル美術館蔵

ホノルル美術館所蔵「北斎展」
期間:2012年4月14日(土)〜6月17日(日)
時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
場所:三井記念美術館
http://www.mitsui-museum.jp/

主催:三井記念美術館、産経新聞社
協賛:日本航空
協力:ホノルル美術館
後援:アメリカ大使館

(展示替え)
前期:4月14日(土)〜5月13日(日)
後期:5月15日(火)〜6月17日(日)

Twitterやってます!
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2893

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アジア美術の収蔵で世界的に知られるホノルル美術館は、約10,000点もの浮世絵版画を収蔵しており、歌川広重などそのクオリティの高さは定評があります。しかし、葛飾北斎の作品が、大系だてられた世界有数の優れた収蔵内容を誇っていることは、一般にあまり知られていません。
このたび、葛飾北斎生誕250周年の記念事業の一環として、ホノルル美術館外で初めての「北斎展」を開催する運びとなりました。本展は、大きく2部で構成されます。北斎デビュー時の春朗と名乗っていた時代の作品から、最晩年の89歳時の作品「地方測量之図」までを、年代順に陳列し画業を概観するセクション。そして、北斎を代表する「冨嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」、「諸国瀧廻り」、「琉球八景」、「詩哥写真鏡」、「百人一首うばがゑとき」のシリーズを紹介する画期的なセクションです。以上を約160点で網羅する一大展覧会となります。
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