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「ドビュッシー展」

ブリヂストン美術館で開催中の
オルセー美術館、オランジュリー美術館共同企画「ドビュッシー、音楽と美術−印象派と象徴派のあいだで−」展に行って来ました。


「ドビュッシー展」公式サイト:http://debussy.exhn.jp/

2012年2月21日から6月11日までパリ、オランジェリー美術館で開催され人気を博した「ドビュッシー、音楽と美術」展がいよいよ日本にやってきました。

オルセー美術館館長ギ・コジュヴァル氏が総合監修を務めたと聞けば、美術ファンの皆さんであれば約78万人もの入場者を集め多くの方に感動を与えた「オルセー美術館展 2010」@国立新美術館が思い浮かぶはずです。

あの感動を再び…ところが同じ展覧会を繰り返すわけにはいきません。そこで大胆にも19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスを代表する音楽家クロード・アシル・ドビュッシー(1862-1918)を軸に据え、彼と共に同時代を生きた印象派や象徴派の画家たちの作品を紹介する展覧会を企画。これがまたとても新鮮!


モーリス・ドニ「木々の下の人の行列」1893年 「ミューズたち」1893年 オルセー美術館蔵
マルセル・バシェ「(習作)」1887年 個人蔵
ダンテ・ガブリエル・ロセッティ「祝福されし乙女(習作)」1873年頃 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館蔵

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章:ドビュッシー、音楽と美術
第2章:《選ばれし乙女》の時代
第3章:美術愛好家との交流−ルロール、ショーソン、フォンテーヌ
第4章:アール・ヌーヴォーとジャポニスム
第5章:古代への回帰
第6章:《ペレアスとメリザンド》
第7章:《聖セバスチャンの殉教》《遊戯》
第8章:美術と文学と音楽の親和性
第9章:霊感源としての自然−ノクターン、海景、風景
第10章:新しい世界


元々音楽と美術は親密な関係にありますが、特に今から約1世紀前のパリに於いてはそれが顕著だったようです。新しい画風に挑んだ印象派やナビ派と時代の最先端を走ったドビュッシーの独創的な音楽。時として徒花のように捉えられたこともしばしば。しかし美術・音楽共々新たな潮流を止めることは不可能。そして現在では、彼らの名前そして音楽や絵画を知らぬ人は、どこにもいません。

ドビュッシーは同時代のフランス人アーティストたち同様にジャポニスム(日本趣味)にも大きな関心を寄せ熱狂します。自宅の壁に浮世絵が掛けられている写真や旅先にまで連れ歩いたという日本製の蛙の文鎮等も展示されていました。


展示風景

「オルセー美術館展」では紹介しきれなかったジャポニズムも北斎の浮世絵から半跏思惟像(ギメ美術館蔵)更に浮世絵のそのまんまな作品、ジェームズ・アボット・アムニール・ホイッスラー「紫と緑のヴァリエーション」(オルセー美術館蔵)まで実に幅広く豊かに紹介されています。

ジャポニズムは「ドビュッシー展」を解くひとつの大きなキーワードです。実際にドビュッシーは自身の曲「海」の楽譜の表紙絵に北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の《波》の部分を大胆に用いています。(その楽譜も展示されています。それとは別にドビュッシーの直筆楽譜も!)

第6章:《ペレアスとメリザンド》も注目のセクションです。ベルギーの象徴派の詩人モーリス・メーテルリンクの戯曲に基づきドビュッシーが残した唯一の歌劇(オペラ)「ペレアスとメリザンド」に関する資料、インスパイアされた絵画等が展示されています。

普段音声ガイドを借りない方も今回ばかりは是非使ってみることをお勧めします。「ペレアスとメリザンド」のストーリー紹介が何とドビュッシー自身が奏でるピアノ曲と共に紹介されます。(「ペレアスとメリザンド」第3幕より「わたしの長い髪が」 歌:メアリー・ガーデン)

この他にも1900年代当時の古い音源で全6曲程収録されています。ドビュッシーの作曲した音楽を聴きながらブルー一色に染まったブリヂストン美術館展示でうっとりゆったりと。美術館の外の暑さや都会の喧騒が信じられなく(信じたくない)なります。


ウィンスロー・ホーマー「夏の夜」1890年 
クロード・モネ「嵐、ベリール」1886年 
アレクサンダー・ハリソン「海景」1892-30年 
エドゥアール・マネ「浜辺にて」1873年
全てオルセー美術館蔵

先日、某美術館でお会いした美術館ファンの方が仰ってました「『オルセー美術館展』と銘打ってもおかしくない展覧会ですよね〜」と。まさに。正確にはオルセー美術館をメインに、オランジェリー美術館、ギメ国立東洋美術館、パリ市立プティ・パレ美術館、モーリス・ドニ美術館等々錚々たる美術館から約150点の作品が集結しているのです。

ブリヂストン美術館開館60周年記念、オルセー美術館、オランジュリー美術館共同企画「ドビュッシー展」実に素晴らしい内容の展覧会となっています。そして随所にブリヂストン美術館の名品が散りばめられています。全く遜色なく。

オルセー美術館も羨む作品を所蔵するブリヂストン美術館だからこそ開催出来た展覧会。フランスでは前述のオランジェリー美術館のみ、日本ではブリヂストン美術館のみの開催です。

有りそうで無かった音楽と美術のコラボレーション展覧会。「ドビュッシー 、音楽と美術 ー印象派と象徴派のあいだで」は10月14日までです。是非!(実はあまりにも好く既に2回も足を運んでしまいました。)


ブリヂストン美術館開館60周年記念
オルセー美術館、オランジュリー美術館共同企画

期間:2012年7月14日(土)〜2012年10月14日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜日は20:00まで)
会場:ブリヂストン美術館
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/

主催:オルセー美術館、オランジュリー美術館、石橋財団ブリヂストン美術館、 日本経済新聞社
後援:フランス大使館
協賛:NEC、大日本印刷、東レ、みずほ銀行
協力:日本航空
本展監修者:総合監修オルセー美術館館長 ギ・コジュヴァル/監修フランス国立科学研究所学芸員 ジャン=ミシェル・ネクトゥー / オルセー美術館学芸員 グザヴィエ・レイ
ブリヂストン美術館館長 島田紀夫 / ブリヂストン美術館学芸課長 新畑泰秀 /ブリヂストン美術館学芸員 賀川恭子



@taktwi: ドビュッシーってC.W.ニコル、山下裕二先生に似てるよね。

Twitterやってます。
@taktwi

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ジュリーニ(カルロ・マリア),ラヴェル,ドビュッシー,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

クロード・ドビュッシーは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスを代表する音楽家です。ドビュッシーが生きた時代には、音楽や美術、文学、舞台芸術が、互いに影響し合い、時に共同で作品をつくり上げましたが、彼は音楽家の中ではその代表的な人物と言えるでしょう。本展はドビュッシーと印象派や象徴派、さらにはジャポニスム等の関係に焦点をあて、19世紀フランス美術の新たな魅力をご紹介するものです。オルセー美術館、オランジュリー美術館、そしてブリヂストン美術館の所蔵作品を中心に、国内外から借用した作品約150点で構成されます。

展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

こんばんわ。
クラシックファンですので是非行きたいです。ところで、
昔の20フランスフランの紙幣の肖像はドビュッシー
でしたが、これは今回来ているマルセル・バシェの
肖像画が元になっているのでしょうか?
がにくん | 2012/07/25 11:36 PM
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