青い日記帳 

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「マウリッツハイスへの道」Vol.14

「Road to Mauritshuis−マウリッツハイスへの道」プロジェクト
「マウリッツハイス美術館展」と拙ブログ「青い日記帳」のオリジナルコラボレーショングッズ制作企画。
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2788


ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》1665年頃
マウリッツハイス美術館蔵

展覧会公式サイト:
http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
「マウリッツハイス美術館展」オランダ・フランドル絵画の至宝

弥田俊男さん池上英洋さん熊澤弘さん麦酒男・タカバシさんおおうちおさむさん林綾野さん宮下規久朗さんといった豪華メンバーによって作り出された「マウリッツハイス美術館展」×「青い日記帳」オリジナルコラボグッズ。

キーホルダー、ビアグラス、ブックマーク(栞)と3種類の商品が出揃いましたので、お待たせしました。最後の協力者、美術史家の宮下規久朗先生の登場です。

このプロジェクトの参加を打診したところ、二つ返事で快く引き受けて下さった宮下先生。制作途中に関わるよりも完成したグッズをご覧になってからエッセイを寄稿したいとのご希望でした。

まさに満を持してのご登場です!有難過ぎて、こそばゆくなってしまう文章を書き下ろして下さいました。お忙しい中、感謝感謝です。(神戸在住の宮下先生ですが、既に「マウリッツハイス美術館展」を30分並んでご覧になられたそうです。お会いした時にでも感想お聞きしておきますね。)

フェルメールのタリスマン
宮下規久朗

 日本でのフェルメール人気も確実に定着した感があり、今回のふたつの展覧会も盛況だ。こうしたブームは、マスコミの大規模な宣伝だけでなく、愛好者の口コミこそが重要な役割をはたしている。長年フェルメールのファンであったTakさんこと中村氏の人気ブログ「青い日記帳」が大いに貢献してきたことは疑いえない。そのTakさんは、いくつものフェルメール本の制作に関わり、トークショーを行うなど、実際にフェルメールブームの仕掛け人のような存在となったのは、まことに悦ばしいことである。

 今回、マウリッツハイス美術館展のグッズ制作を依頼されたのも、Takさんにしかない視点、つまり専門家と一般客をつなぐ立場を期待されてのことであろう。そして彼は苦心の末、愛情をこめて3つのグッズを開発した。いずれも、フェルメールの絵に登場するステンドグラスの窓をモチーフにしたもの。フェルメール・ファンには知られたモチーフとはいえ、これをグッズにしようというアイデアは、フェルメール好きが高じて実際にこのステンドグラスを作ってもらい、自宅の窓に設置したというTakさんならではの発想だ。グッズ開発の過程と並々ならぬ苦心譚は、彼のブログで詳細に読むことができる。



 そもそも西洋絵画のはじまりはキリストを描いた聖像(イコン)であった。そして聖像とは、神を見る「窓」であるとされた。8世紀の聖像論争や16世紀の宗教改革において、聖像は偶像だと攻撃するイコノクラスムが起こるが、こうした激しい論争や迫害の中から、カトリック教会は、聖像は神そのものではなく、神を見る窓にすぎないという理論を確立していった。ちなみにマイクロソフト社の創業者ビル・ゲイツはカトリックであり、それゆえ彼はコンピューターソフトにウィンドウズ(窓)という名称を与え、スクリーン上の小さな記号をアイコン(聖像)と名付けたのである。さらにルネサンスの美術理論の先駆者アルベルティも、絵画というものを世界を見る窓にたとえた。フェルメールの絵に繰り返し窓が登場するのは、この画家が窓のもつこうした象徴的意味を意識していたためかもしれない。窓から差し込む光を主題としたフェルメールの作品世界は、聖像と同じく、まさに窓の芸術であるということができるのだ。


 つまり、フェルメールを象徴するモチーフとして窓ほどふさわしいものはないといえよう。完成したグッズは、キーホルダーとビールグラス。そしてブックマーク。いずれにもフェルメールの絵に登場するステンドグラスの窓が図案化されてきれいに刻印されている。シックな革のキーホルダーは、時間とともに美しい飴色になっていくだろう。グラスはきわめて薄くてまさにフェルメールの光の繊細さを思わせる。ビールを注ぐと、ビールの冷たさと重さが直接掌に感じられ、口をつけるとビールの味がただちに鋭く伝わってくる。メタリックな中にフェルメールの青がきらめくブックマークは、書物という「知への窓」にふさわしい小道具だ。
このグッズは、フェルメール芸術を愛する者、そして広く絵画芸術を愛好する者にとっての符牒にしてタリスマン(護符)となるにちがいない。

宮下規久朗(みやしたきくろう)
1963年名古屋市生まれ。美術史家、神戸大学大学院人文学研究科准教授。
東京大学文学部卒業、同大学院修了。著書に、『カラヴァッジョー聖性とヴィジョン』(名古屋大学出版会、サントリー学芸賞など受賞)、『カラヴァッジョ一西洋絵画の巨匠11一』『モディリアーニ モンパルナスの伝説』(以上、小学館)、『食べる西洋美術史」『ウォーホルの芸術」(以上、光文社新書)、『カラヴァッジョヘの旅』(角川選書)、『刺青とヌードの美術史』(NHKブックス)、『裏側からみた美術史』(日経プレミアシリーズ)など多数。


こちらも併せて。

美術史家に聞く第五回:宮下規久朗先生(前篇)
美術史家に聞く第五回:宮下規久朗先生(後篇)


展覧会公式サイト:
http://www.asahi.com/mauritshuis2012/
「マウリッツハイス美術館展」オランダ・フランドル絵画の至宝

会期: 2012年6月30日(土)〜9月17日(月・祝)
休室日:月曜日
会場 : 東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)
開室時間 : 9:30 〜 17:30(金曜日は20:00)、入室は閉室30分前まで
休室日 : 月曜日(7月2日は開室。休日の場合は翌日休室)
お問い合わせ : ハローダイヤル 03-5777-8600
主催 : 東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、フジテレビジョン
後援 : オランダ王国大使館
特別協賛 : 第一生命保険
協賛 : ジェイティービー、ミキモト、凸版印刷、シュウ ウエムラ

・開室時間の延長 7月21日(土)〜8月31日(金)9:30〜18:30 
 ※期間中は、通常17:30までの開室時間を1時間延長します
 ※なお会期中を通じて、毎週金曜日は20:00まで開室しています

・臨時開室日:8月13日(月)9:30〜18:30

「マウリッツハイス美術館展」混雑状況
8月15日(水)はシルバーデー(65歳以上の方は無料)なので混雑が予想されます。

※2012年9月29日(土)〜2013年1月6日(日)神戸市立博物館にも巡回します。

「マウリッツハイス美術館展」ミュージアムショップ、このボードが目印です!(こちらも、おおうちおさむ氏がこの為だけのデザインして下さったものです。多謝!)


(クリックで拡大します)

【「マウリッツハイス美術館展」関連エントリ】
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「フェルメールのビアグラス」
「マウリッツハイスへの道」Vol.12
「フェルメールのビアグラス」part.2
「マウリッツハイスへの道」Vol.13
「マウリッツハイスへの道」Vol.14

6次元さんでトークショー開催しました。

とんぼの本「フェルメール巡礼」刊行記念イベント
フェルメールナイト 「真珠の耳飾りの少女」を読み解く


洋画専門チャンネル ザ・シネマ「真珠の耳飾りの少女」特設サイトに“名画と映画”と題し駄文寄稿しました。

Twitterやってます。
@taktwi

Takeshi Nakamura | バナーを作成


注:会場内、ショップの画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

この記事のURL
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JUGEMテーマ:アート・デザイン


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この記事に対するコメント

知の博物館のような宮下先生の大絶賛・・凄いですね!

早く展覧会にいかねば!!
ものすごく混んでそうですが・・夏休みだし・・。

それにしても初めからこんなにミュージアムショップの気になる展覧会ってありませんでした。
matsue hisako | 2012/07/29 3:39 AM
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