青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「ツタンカーメン展」 | main | 「レーピン展」 >>

「第18回 秘蔵のアートコレクション展」

ホテルオークラ東京 宴会場「アスコットホール」で開催中の
「東日本大震災復興支援チャリティーイベント“アートで心をつなぐ” 第18回 秘蔵の名品アートコレクション展 東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち」に行って来ました。


http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/art2012/

1994年よりホテルオークラ東京でスタートした「アートコレクション展」も今回で18回目を迎えます。真夏の日差しが照りつける中ホテルオークラへ名画を観に行くのが、すっかりこの時季の年中行事となりました。

企業が所有する「隠れた名品」をチャリティー目的で公開する「秘蔵のアートコレクション展」。毎回テーマを変え西洋絵画から日本画まで多岐にわたる作品を紹介してきました。

今回第18回目は東京藝術大学所蔵の作品をメインに据え、宮内庁、美術館、企業、百貨店、個人から関連する作品を拝借することにより大変見応えのある展覧会となっています。


中央に黒田清輝の「婦人像(厨房)」両脇に同じく黒田がレンブラントの自画像を模写した「羽根帽子をかぶった自画像」と和田英作によるミレーの模写「落穂拾い」が掛けられています。(3点とも東京藝術大学所蔵)

黒田が1889年(明治22)に模写したレンブラント作品はマウリッツ美術館所蔵。フランスへ留学しラファエル・コランに師事した黒田ですが、オランダ絵画にも強い関心を示していたことを窺い知れる一品です。

現在、上野の東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」にこの作品のオリジナルが展示されています。オリジナルと模写が都内で同時に公開されているのです。展覧会監修者の粋な計らいが垣間見られます。


横山大観「村童観猿翁」1893年(明治26)

猿回しのサルを背に乗せた牛を11人の幼子が取り囲んでいます。皆ニコニコとよい笑顔をたたえています。大観が東京美術学校時代の同期だった11人の絵師の幼顔を想像して描いた作品だそうです。

大観らしい雑さや朦朧体表現もまだ用いられておらず、とても丁寧な仕上がりとなっている作品です。植物の描き込みや着物の柄の表現などとても細やかです。

猿回し芸人のおじいさんも描かれています。この人物こそ師である橋本雅邦その人に他なりません。様々な想像をかき立てる一枚でもあります。



ここ数年再び注目を集めている松岡映丘の2点(「浦の島子」、「千草の丘」)。藝大卒業制作として1946年に描いた「浦の島子」とそれから20年以上経ってから女優の初代水谷八重子をモデルに描いた「千草の丘」。ポイントは女性表現の変遷かな。

さて、画面奥に堂々と控えるのは宮内庁所蔵の東山魁夷「悠紀地方風俗歌屏風」と高山辰雄「主基地方風俗歌屏風

平成2年に今上天皇のご即位の際(大嘗祭)に東山魁夷と高山辰雄が選ばれこの屏風を描きました。以前「皇室の名宝展」にも出ていたので覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。滅多に観られない名品です。



今回の展覧会に於いて重要な役割を果たしているのが藝大の自画像コレクションです。13人の作家の自画像が藝大から出ています。

画像にあげた3人の自画像それぞれ誰の作品だかお分かりになりますか?時代やヨーロッパ絵画の影響が色濃く出ています。左から駒井哲郎、山口薫、野間仁根です。キャプション無ければ全く分かりませんでした。もっとも画家の名前が分かった後でも同じかもしれませんが…

藝大の自画像と企業コレクションを上手く展示してる点がここの一番の見どころです。たとえば、こちら。


香月泰男「自画像」1936年(昭和11)、「聖堂」1973年(昭和48)

ほんの僅かでも香月についての知識がある方でしたらこの2枚の並びは、非常に考えさせられるものがあるのではないでしょうか。

初々しくまだ何処か幼さの残る昭和11年の自画像と黒一色の闇の中にかすかに光るステンドグラスを描いた昭和48年の作品。

香月泰男とい作家を人間性の根幹から大きく変えてしまったシベリア抑留。この2枚の作品の間に偶然に展示パネルの縦線が通っていたのが何やらとても象徴的で印象的でした。(まさかそこまで考えてませんよね)

藝大所蔵の名品は沢山ありますが、こうした形でまとめて藝大美術館以外でお目にかかれる機会滅多にありません。そうした点からもとても貴重な機会だと思います。

「第18回 秘蔵のアートコレクション展」は8月26日までです。あっと言う間に終ってしまいます。思い立ったが吉日ホテルオークラへgo!!


東日本大震災復興支援チャリティーイベント 「アートで心をつなぐ」
第18回秘蔵の名品アートコレクション展
東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち

開催期間:2012年8月3日(金)〜8月26日(日)
開催時間:10:00〜18:00(入場は各閉館時間の30分前まで)
※8月3日は12:00〜18:00
会場:ホテルオークラ東京 宴会場「アスコットホール」(別館地下2 階)
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/art2012/

主催:企業文化交流委員会
協賛:株式会社ホテルオークラ東京、ホテルオークラ共栄会
後援:文化庁、一般社団法人日本経済団体連合会、読売新聞社、日本赤十字社、公益社団法人企業メセナ協議会、NHK、港区、港区教育委員会
特別協力:東京藝術大学
協力:NHK厚生文化事業団、公益財団法人山種美術財団、公益財団法人大倉文化財団・大倉集古館、日本通運株式会社、株式会社山元
監修:薩摩 雅登 (東京藝術大学教授)、井出 洋一郎 (府中市美術館 館長)
監修補佐:熊澤弘、大庭朋子、迫間瑛美

「秘蔵のアートコレクション展」のチケットで、大倉集古館で開催中の「国宝 古今和歌集序と日本の書」も観られます。

国宝 古今和歌集序と日本の書
http://www.shukokan.org/

会期:2012年8月4日(土)〜9月30日(日)
開館時間:10:00 〜 16:30(入館は16:00まで)
休館日:8/27、9/3、9/10、9/24

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

Twitterやってます。

@taktwi


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2952

JUGEMテーマ:アート・デザイン


ホテルオークラ東京では、1994年よりホテルの持つ社会性、公共性に基づき社会文化活動の一環として、すぐれた美術の品々を広く一般の方々に鑑賞していただくことを目的とし、日本の各企業・美術館・個人が所有されている美術品(絵画・彫刻・工芸品等)を拝借し、展示公開して美術文化振興に努めております。
当展覧会開催にあたり、株式会社ホテルオークラ東京 代表取締役社長 清原當博が企業文化交流委員会の委員長を務めさせていただき、美術品出展については、企業文化交流委員会が出展依頼書を作成し、ホテルオークラ東京が委員会を代表いたしまして、各企業・美術館・個人を訪問、出展のご協力をお願いいたしております。
展覧会の開催にあたっては入場料を有料とし、純益は日本赤十字社及びNHK厚生文化事業団等を通じ東日本大震災復興支援のために寄付いたします。
展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/2952
この記事に対するトラックバック
ホテルオークラ東京 別館地下2階の第18回 秘蔵の名品アートコレクション展 「東京美術学校から東京藝術大学へ」日本絵画の巨匠たち へ行ってきました。                      8月3日〜26日(日)まで もう会期僅かになってやっと同級の
東京美術学校から東京藝術大学へ | すぴか逍遥 | 2012/08/25 9:52 AM