弐代目・青い日記帳 

  
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「レーピン展」
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の
「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」に行って来ました。



Twitterで「レーピン展」を観て来た旨をツイートしたところ、海外在住の方から「日本はなんて恵まれているんだ。レーピンの展覧会が開催されるなんて!」と驚きと羨望のリプがありました。

19世紀後半から20世紀初頭のロシア革命に至る激動の時代を生きた写実主義の画家イリヤ・レーピン(1844-1930)の日本初となる本格的な回顧展がBunkamuraで開催されています。


イリヤ・レーピン「自画像」(1887年)の前で解説する国立トレチャコフ美術館 ロシア美術部門キュレーター、スヴェトラーナ・カプィリナ氏

ロシアの美術館の通例で回顧展を開催する際はその画家の自画像をまず展覧会の最初に展示するそうです。因みにこの自画像はレーピンが亡くなるまで手元に置いておいた作品です。

ウクライナで生まれロシアで活躍し晩年はフィンランドで暮らしたレーピンは、画家としてだけでなく美術史家としても活躍し大きな功績を残しています。

イリヤ・レーピンというロシアの画家の名前をもし知らずともレーピンの遺した作品はどこかで必ずや一度は目にしています。この記事の文末に載せた子供向けの美術入門書『うつくしい絵』 (かこさとし)にも「モナリザ」や「ゲルニカ」等と並んでレーピンの作品が紹介されています。


イリヤ・レーピン「皇女ソフィア −ノヴォデヴィチ修道院に幽閉されて1年後の皇女ソフィア・アレクセエヴナ、1698年に銃兵隊が処刑され、彼女の使用人が拷問されたとき」1879年
右隣りは「修道女」(1878年)レーピンの弟の妻ソフィヤ・レーピナがモデルを務めた作品。

この皇女ソフィアをほぼ等身大で描いた鬼気迫る迫力の作品は、中野京子氏の『怖い絵3』でも紹介されているので御存知の方も多いはずです。(中野氏は一作目の『怖い絵』でもレーピンの「イワン雷帝とその息子」を取り上げています。)


イリヤ・レーピン《皇女ソフィヤ
1879年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵
©The State Tretyakov Gallery

こちらを睨みつける皇女ソフィアの眼力に後ずさりしてしまいますが、踏みとどまりよく作品を観ると窓のガラスの向こうには皇女を擁して処刑された銃兵隊の死体が吊り下げられているのが分かります。

奥には怯えた女中の姿も。不自然な場所に置かれた椅子は皇女の活動範囲の狭さを象徴しているかのようです。レーピンは光の当てる位置を窓とは反対側に置くことで、より劇的にドラマティックな場面をこの大きな絵の中に現出させています。

人の顔、心、人生というドラマ、自然の印象、自然の生命と意味、歴史の精神−これらが私たちの主題でもあると思います
レーピンからクラムスコイに宛てて

そう、レーピン作品の大きな魅力のひとつはまさにここにあるのです。だからこそ何気ない人物画にも心を揺り動かされてしまうのです。


イリヤ・レーピン《思いがけなく
1884-1888年 油彩・キャンヴァス
国立トレチャコフ美術館所蔵
©The State Tretyakov Gallery

大げさでも何でもなく、この作品を観て絵に対する考え方が根本から変わりました。人生観をも変えてしまう程の衝撃を受けました。

この絵の持つ得も言われぬ感覚は他のどんな名画といえども持ち合わせていません。こんな凄い絵が世の中に存在していたなんて…

どこにいても、何に熱中していても、どれほど夢中になって何かを愉しんでいても、美術はいつでもどこでも私の頭にあり、私の欲望の中にあります。最良の、もっとも密かな欲望の中に
レーピンからスターソフに宛てて

展覧会の構成は以下の通りです。

1:美術アカデミーと「ヴォルガの船曳き」
2:パリ留学:西欧絵画との出会い
3:故郷チュグーエフとモスクワ
4:「移動派」の旗手として:サンクト・ペテルブルク
5:次世代の導き手として:美術アカデミーのレーピン



「第5章:次世代の導き手として:美術アカデミーのレーピン」展示風景

近代ロシア絵画の旗手として活躍し、数多くの名作を残しましたレーピンですが、日本での知名度は同時代のチャイコフスキーやムソルグスキーといった作曲家に比べるまでもなくお世辞にも高いとは言えません。

しかし、ひとたびBunkamuraでレーピンの作品を目にしたなら、間違いなくこれまで味わったことのない絵画鑑賞体験(しかも劇的な)が出来るはずです。いや〜これは凄いや。

「レーピン展」は10月8日まで会期中休み無しで開催されています。大型展覧会がひしめく今年2012年にあって間違いなくベスト5に入る展覧会です。何としてでも観に行って下さい是非!!


国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展
会期:2012年8月4日(土)〜10月8日(月・祝) 開催期間中無休
開館時間:10:00−19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷・東急本店横) 
http://www.bunkamura.co.jp/
主催:Bunkamura
後援:ロシア連邦外務省、ロシア連邦文化省、在日ロシア連邦大使館、ロシア連邦文化協力庁、ロシア文化フェスティバル組織委員会
協力:日本航空
企画協力:アートインプレッション

巡回先:
浜松市美術館 2012年10月16日(火)〜12月24日(月・祝)
姫路市立美術館 2013年2月16日(土)〜3月30日(土)
神奈川県立近代美術館 葉山 2013年4月6日(土)〜5月26日(日)[予定]

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

Twitterやってます。

@taktwi


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2953

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文学ではトルストイやドストエフスキーといった文豪を、音楽ではチャイコフスキーやムソルグスキーといった作曲家を輩出した19世紀後半から20世紀初頭のロシアは、美術の分野でも才能ある多くの画家を世に送り出しました。なかでもロシア革命に至るこの激動の時代を生きた写実主義の画家イリヤ・レーピン(1844‐1930)は、近代ロシア絵画の旗手として活躍し、数多くの名作を残しました。当時の進歩的グループ「移動派」に加わり、社会的矛盾を鋭く捉えた作品や、革命運動をテーマにした衝撃的な作品を発表する傍ら、ロシアの民族精神を鼓舞する歴史画の大作や、深い洞察力で文化人等の肖像画の傑作を描いた画家としても知られています。また一方で、妻や娘など身近な人々を描いた心温まる作品にも注目したい画家です。
 本展は、ロシア美術の殿堂であり世界最大のレーピンのコレクションを誇るモスクワの国立トレチャコフ美術館の収蔵品により、画業の初期から晩年に至る様々なジャンルの油彩画と素描、約80点により構成される、日本における過去最大の本格的な回顧展です。観る者を感動の世界に誘うレーピンの芸術を、心ゆくまで堪能できるまたとない機会となるでしょう。




| 展覧会 | 23:22 | comments(0) | trackbacks(5) |









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「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」 Bunkamura、ザ・ミュージアム
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【美術展】「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」Bunkamuraザ・ミュージアム/近代ロシア絵画の巨匠、日本初の本格回顧展
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| 投資一族のブログ | 2014/06/26 9:11 PM |
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