青い日記帳 

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「おもしろびじゅつワンダーランド展」

サントリー美術館で開催中の
「来て、見て、感じて、驚いちゃって!おもしろびじゅつワンダーランド」展に行って来ました。


http://www.suntory.co.jp/sma/

夏休みに合わせた子ども向けの展覧会かと思いきや、大人の方が楽しめてしまいます。日本美術を扱って50年の歴史を有するサントリー美術館さんが、「日本美術をもっと身近に感じてもらいたい。」との願いから足掛け3年の歳月をかけ開催に漕ぎ付けた展覧会です。

身近に感じてもらいたい想いとは裏腹に、日本美術は非常に脆く保存という大事な観点も持ち合わせています。屏風や絵巻物を小まめに展示替えしなくてはならないのはその一例です。また一年に限られた日数しか展示出来ない作品もあります。


国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」一合 鎌倉時代 13世紀
サントリー美術館蔵

そうなると、「日本美術を身近に感じてもらう」という想いとは裏腹に矛盾を抱えジレンマに駆られてしまうことに。。。

また北条政子所用と伝えられる国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」の蓋の裏側にも繊細な金蒔絵で30種類にも及ぶ草花の模様が施されているにも関わらず普段の展示ではお見せ出来ないこと等も…

日本美術を身近に感じてもらうには別のアプローチが必要だ!ということで考え出されたのが今回の8つのセクション。

展覧会(日本美術のテーマパーク)の構成は以下の通りです。

1:模様のプラネタリウム
2:ススキ林のアプローチ
3:和ガラスの藍色ドーム
4:京都街中タッチパネル
5:顔はめパネルなりきりDancers(ダンサーズ)
6:大人も真剣 全身で影絵遊び
7:何に見える?何に使える?アイディア勝負「見立て」の世界
8:マルの中のクール・デザイン「鍋島」


幾つかご紹介して行きましょう。
(ネタバレのように思えるかもしれませんが、こんな下手な写真では全く今回の展覧会の愉しさ伝わりませんからご安心を。それに会場内にはもっともっと沢山の仕掛けが待っています。)


1:「箱の中に入ってみる」模様のプラネタリウム

国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」の観ることの出来ない蓋の裏側に施された繊細な30種類の草花の模様。これを美術館の天井にプラネタリウムさながらに映し出して見せてくれます。

夜の天空に浮かぶ星々たちの代わりに金蒔絵の草花が咲き誇ります。ルーヴル - DNPミュージアムラボを運営する日本印刷のデジタル技術により4台のプロジェクターを同期させ一種幻想的な空間を作り出しています。外の真夏の暑さとは全く無縁な心地良い場所です。

想像力を働かせ国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」に入った小人気分で星空ならぬ金絵巻の草花を眺めるのも好し。はたまた箱に大事に仕舞われた宝物の気持ちになって観るのも好し。プラネタリウムの先に展示されている本物を観る目もいつもと変わってくること間違いありません!


                     

3:和ガラスの藍色ドーム

今から約300年以上も昔に作られた和ガラス23点がズラリと並ぶ特別展示ケース。長さは何と8.1メートルもあります。

その中にサントリー美術館のお宝「藍色ちろり」や「薩摩切子 藍色被船形鉢」を初めとして大変涼やかな印象の和ガラスを惜しげもなく展示しています。

しかも通常は天井からのファイバー照明だけですが、特注展示ケースの中(下)に仕込んだLEDカラー照明と組み合わせることで、これまでとはまた違った美しさを魅せることに成功しています。

展示台自体が上の2枚のように時間により違った色に変化するのです。藍色ちろりやキリリとした青色が特徴の薩摩切子たちが果たしてどんな風に変わるのか、観てのお楽しみです!


4:「屏風の世界を拡大してみる」京都街中(まちなか)タッチパネル

伝土佐光高による「洛中洛外図屏風」(六曲一双 江戸時代 17世紀後半)を中央にでんと展示し、右隻・左隻をそれぞれほぼ原寸大の60インチもあるシャープの液晶屏風に取り囲まれるような空間が待っています。

気になる場所をタッチすると拡大。清水寺等の名所はそれぞれ名称も画面に触れるだけで分かる仕組みになっています。面白かったのは「洛中洛外図」に描かれている市井の人々の姿。拡大するとその表情までもはっきりと観て取れます。

2人で行ってそれぞれお気に入りの人物を見つけ、会話をしてみたら愉しいでしょうね〜まさに絵の中に入った気分になれます。屏風絵を拝見しようとすると、どうしても肩に力が入ってしまいます。(屏風のあるお宅なんてありませんものね)

でもこれならぐんと敷居が下がるので(巨大なiPadみたいなものです)日常感覚で日本美術に接することが出来ちゃいます。難しい歴史的なことなんて忘れて、変顔の人見つけてみたり、可笑しなことやってる人見つけてみたりするのも好いかも。最後はしっかり本物も観てね。


8:マルの中のクール・デザイン「鍋島」

展示ケースにずらりと並ぶサントリー美術館所蔵の16点の鍋島焼のお皿たち。それぞれ個性的なデザインのものばかり。それらに負けないように自分だけの「鍋島焼」を作っちゃおうというセクション。

デザインセンスが無くても、絵が描けなくても大丈夫。ルーヴル - DNPミュージアムラボを運営する日本印刷のデジタル技術により子どもから大人まで楽しみながら「my鍋島」を作って行けます。画面にタッチするだけで。液晶画面の使い方はもしかしたらお子さんの方が手慣れているかもしれません。

好きな色のお皿を選び、どんな意匠にするか選んだら拡大、縮小、配置も自由自在。「これで良し!」と自慢の一枚が出来たら画面にサインを入れて完成!

完成してから約1分後には自分のデザインした鍋島焼が、展示ケースの中に写し出されます。いつも名作やお宝が陳列されているサントリー美術館の展示ケース内に自作のお皿があるなんてちょっと(かなり)感動的!

勿論、自分の自身作と一緒に記念撮影なんてことも可能です。

何だかここまで紹介してきたものって全てデジタルの力を借りたものですね。デジタルばかりではないんですよ、滅茶苦茶アナログなものもあります。例えば…


7:何に見える?何に使える?アイディア勝負「見立て」の世界

本阿弥光悦の赤楽茶碗 銘「熟柿」(一口 江戸時代 17世紀)と何やら得体のしれない不気味な巨大な物体が展示室にあります。。。

これ、赤楽茶碗 銘「熟柿」を約40倍に拡大した造作物。真後ろから観ると巨大な「熟柿」に見えます?!本当か〜(笑)

さてこの40倍の赤楽茶碗、一体何に使うものなのでしょう?内部が不気味な渋い緑色に光っているのはきっとお抹茶をイメージしているのでしょう。さぁ会場でその目で確かめて下さいな。

まさかまさかの展開が待っています。しかしよくぞこんな巨大な物体が展示室に入りましたね。完成品をそのまま搬入するのは到底無理ですから、きっと相当ご苦労なされたはず。サントリー美術館渾身のギャグです!


2:「作品の空間を感じてみる」ススキ林のアプローチ

これまた超アナログな展示空間です。作者不肖ながらも『伊勢物語』のひとコマをも想起させる個人的に大好きな作品「武蔵野図屏風」(六曲一双 江戸時代 17世紀)

屏風の中と展示空間がススキで繋がっています。浅草橋で手に入れてきたようなチープな(失礼)ススキが逆にいい味出しています。

デジタルとデジタルの六本木の展示空間に突として現れた、武蔵野(埼玉)のアナログなススキ。たまらないですね。このギャップ。それにしても作品との連続性がきちんと表現されているのは流石。作品の世界感をもしかしたら最も体感できるセクションかもしれません。

ということで、ざっくりと観てきましたが如何でしょう。多分誰も経験したことの無い展覧会だと思います。写真撮影も自由に出来ます。会期が短いので思い立ったらすぐ出かけましょう。

「おもしろびじゅつワンダーランド展」は9月2日までです。是非!

〈参考資料:サントリー美術館の教育普及活動


「来て、見て、感じて、驚いちゃって!
おもしろびじゅつワンダーランド」展

会期:2012年8月8日(水)〜9月2日(日)
開館時間 10:00〜18:00(金・土は10:00〜20:00)
※8月12日(日)は20時まで開館
※いずれも最終入館は30分前まで
会場:サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/

主催:サントリー美術館
後援:港区、港区教育委員会、J-WAVE 81.3FM
協賛:大日本印刷、シャープ、三井不動産、三井住友海上火災保険、サントリーホールディングス
企画協力:大日本印刷LDMLプロジェクト

サントリー美術館 次回展

お伽草子 この国は物語にあふれている
9月19日(水)〜11月4日(日)

室町時代から江戸時代初期にかけて作られ、幅広い読者層に愛読された短編小説<お伽草子>。その数は400種をこえ、一寸法師・浦島太郎・酒呑童子など、今でもよく知られる物語が多く含まれています。お伽草子は絵巻や絵本でも親しまれ、その素朴でユーモラスな絵もまた魅力の一つとなっています。本展では、絵巻の優品によってお伽草子の新たな魅力に迫ります。

Twitterやってます。

@taktwi


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2954

JUGEMテーマ:アート・デザイン


当館では2007年のリニューアル・オープンを機に、ミュージアムメッセージ「美を結ぶ。美をひらく。」のもと、展覧会活動などに加えて、教育普及活動を積極的に行っています。ともすれば難しいと思われがちな日本の古美術について、さまざまなプログラムを通してその魅力を「体験」「体感」いただくことで、お客様に日本美術の魅力を「発見」していただくことを目指しています。

本展覧会では、より多くの方に日本美術に親しんでいただきたいという考えのもとルーヴル - DNPミュージアムラボ(LDML)※を運営する大日本印刷の協力を得て、デジタル技術とアナログ手法を駆使したさまざまな展示方法によって当館所蔵の名品約40件をお楽しみいただきます。本来、屏風や漆工品、陶磁器などは、日本人の暮らしの中で実際に使われていた「生活の中の美」であり、身近な存在でした。本展は、そんな日本の古美術品の魅力を、子どもから大人まで五感で「体験」「体感」「発見」いただける、まさに「日本美術のテーマパーク」です。

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