青い日記帳 

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「お伽草子展」

サントリー美術館で開催中の
「お伽草子 -この国は物語にあふれている-」展に行って来ました。


http://www.suntory.co.jp/sma/

充実した内容で、何から書いてよいのか見当がつかないほど楽しかった展覧会。時間さえあるなら何度でも会期中足を運びたい内容です。

「この国」のご先祖様たちが読み継いできただけのことはあります。室町時代から江戸時代に盛んに作られた「お伽草子絵巻」。個人蔵から滅多に貸し出さないものまで90点近い作品で会場埋め尽くされています。

展示構成は以下の通りです。

1.昔むかし ― お伽草子の源流へ
2.武士の台頭 ―「酒呑童子」を中心に
3.お伽草子と下剋上
4.お伽草子と〈場〉 ― すれ違う物語・行きかう主人公
5.学芸と想像 ― 異界への関心



浦島絵巻」(部分)16世紀
日本民藝館蔵

浦島太郎が餅をついている様子ではありません(笑)玉手箱を開けた瞬間にもくもくと煙が出てきて一瞬にして翁になってしまう大事なクライマックスシーンです。

えっ?そうは見えないって??脳内補正「強」に設定して下さい。それでも無理かな〜〜

こうした誰しもが知るメジャーな作品はごく一部。その他殆どは初めて名前を聞くような物語ばかり。それがまた新鮮な感動を与えてくれるのです。


おようのあま絵巻」16世紀
サントリー美術館蔵

一人暮らしの老僧の庵へ「おようの尼」と呼ばれる老女が訪れ、身の周りの世話をする若い女性を取り持ってくれることになる。夜になり心待ちにしている老僧のところへ約束通り女性がやってきて一夜を共にする。しかし後朝傍らにいたのはおようの尼(老女)であった。。。

なんて、簡単にストーリーをまとめてしまうと面白さや奥深さ、この話しが意図していることが見えてこなくなってしまいますが、最初は肩の力抜いて素直に楽しむことが一番です。

そして興味を持ったなら当時の人々がどのようにしてこの物語と向かい合ったのか、また解釈したのか、そしてどうして描かれたのかを掘り下げて考えてみるのがよろしいかと。

古典作品はファーストインプレッションが何よりも大事です。そこで「面白い!」と思えたら後は幾らでも深く追求探求できるものです。様々なアプローチをもって。


付喪神絵巻」16世紀
岐阜市・崇福寺蔵

つくも神や百器夜行絵巻も「異界への関心」というセクションにまとめて展示されています。展示の最後にこれを持って来たのは大正解だと思います。展覧会全体がいい感じで締りをみせます。

「百鬼夜行絵巻」に関しては、以前こちらの記事で紹介した「百鬼夜行絵巻の謎」が最もお勧め。国際日本文化研究センター蔵の「百鬼夜行絵巻(百鬼ノ図)」を軸に今回の展覧会で展示されている真珠庵本他多数の絵巻がカラーで紹介されています。
←この表紙の部分が今回公開されています!
「百鬼夜行絵巻の謎」 (集英社新書ヴィジュアル版)
小松和彦氏による名著です!

室町時代の「しぐれ物語」。ピンク色の清水寺に、少女漫画のようなハッキリ二重瞼の美男子。他に類例がない絵巻物。面白過ぎるぞ!「お伽草子展」@サントリー美術館

『今昔物語集』や『宇治拾遺物語集』に代表される説話集が日本には数多くのこされています。ご先祖さまたちが「物語」を求めていたか、愛していたかが分かります。

豊かな国には多くの昔物語が伝承されています。そして世界中広しと謂えどもこれほどまで、多種多様な物語が民間レベルまで取り込んで伝えられている国は日本以外に見当たらりません。

ましてや愉快な(当時の人にとっては真剣な)絵巻ものとしてこれだけ遺されているのです。堂々と胸を張り自国の豊かな文化に矜持をおぼえるそんな展覧会です。

「お伽草紙展」は11月4日までです。お見逃しなく!!


「お伽草子 -この国は物語にあふれている-」展

会場:サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/
会期:2012年9月19日(水)〜11月4日(日)
※作品保護のため会期中、展示替をおこないます。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
開館時間:10:00〜18:00 (金・土は10:00〜20:00)
※10月7日(日)は20時まで開館
※いずれも最終入館は30分前まで
休館日:毎週火曜日
主催:サントリー美術館、読売新聞社
協賛:三井不動産、三井住友海上火災保険、三和プリンティング、サントリーホールディングス

《サントリー美術館 次回展覧会》
「森と湖の国 フィンランドのデザイン」
2012年11月21日(水)〜2013年1月20日(日)

Twitterやってます。

@taktwi


JUGEMテーマ:アート・デザイン


室町時代から江戸時代初期にかけて作られ、幅広い階層に愛読された短編小説<お伽草子>は、題材の斬新さや奇抜さを持ち味に、多彩な物語世界を繰り広げています。400種類を超える現存作品の中には、『一寸法師』・『浦島太郎』・『酒呑童子』など、今でもよく知られる物語が多く含まれています。また、お伽草子は絵巻や絵本などでも親しまれ、その素朴でユーモラスな絵も魅力の一つとなっています。

 お伽草子が流行した室町時代は、度重なる戦乱によって政治や経済、文化面で変革をとげた時期でした。時代は新しい物語を求め、平安時代からの貴族の恋愛物語などに加えて、それまでの物語世界では脇役であった、僧侶や庶民を主人公にすえた多種多彩な物語を生み出しました。
 また、主人公の多様化は、物語の作者や享受者、画風の変化とも深く関係しています。お伽草子ならびにお伽草子絵は、社会の変革の投影、すなわち、文化の創造を担う新たな階層の台頭を伝える一現象ととらえることができます。

 本展では、絵巻を中心とした優品の数々によって、お伽草子ならびにお伽草子絵の新たな魅力をご紹介します。お伽草子の物語世界、そして描き出された当時の人々の息吹や内包された世相、中世末期の人々の豊かな想像力を心ゆくまでお楽しみください。

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