青い日記帳 

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エルネスト・ネト「Madness is part of Life」

エスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の
エルネスト・ネト「Madness is part of Life」展に行って来ました。



あのネトがエスパス ルイ・ヴィトン東京にとんでもない作品をこしらえちゃいました。もう怖いもの知らずといいますか…自由すぎるぞ!羨ましいぞ!!ネト。

展示の中心となるのは、巨大なインスタレーション作品『A vida é um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)』です。


「A vida é um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)」

ガラス張りの表参道ヴィトン7階の展示スペースに突如現出した巨大で不気味な物体。誰も観たことない「異物」が昔からそこが棲みかであったかのように横たわっています。

驚くことに、この作品は中に入ることが出来ます。



宙吊りになった通路の上を歩いていると、幼い頃に遊んだ遊具やフィールドアスレチックを思い出すと同時に、今かで感じたことの無いおかしな浮遊感が足元から伝わってきます。

足元の覚束なさに不安を感じながらも、何か先に進むと新しいものが待っているような予感に背中を押されよろよろしながら歩を進めます。



動物の内蔵のような壁の膜は、螺旋状のかぎ針編みの細胞から成っています。因みにこの作品の長い「通路部分」は精子を表しているそうです。

そうすると当然、卵子もあるはずです。先に進んでみましょう。



次第にこのネトが作りだした迷路を歩くコツがつかめてくると、足元ばかり見ていた視線がふと外の景色に向けられます。

ガラスに囲まれた空間に宙づりになりながら東京の街を眺めつつ「目的地」を一心不乱に目指します。



外側から観るとこんな状態になっているのです。ねっ凄いでしょ、何と表現してよいのやら…これを作りたいと言ったネトもネトですが、設置をOKしたヴィトンさんもヴィトンさんです。お互い素敵過ぎます。



さて、いよいよ卵子を表した「居住空間」へ到着です。

ここでは、座ったり、寝転んだり自由に非日常的な時を過ごすことが可能です。画像で見るよりも居心地はよかったりします。



色の変化に気が付きましたでしょうか。「通路部分」が黄土色の縄であったのに対し、この「居住空間」はピンク色になっています。

落ち着かないように思えるかもしれません。確かにいきなりここに来たら「えっ!」と戸惑うでしょう。しかし長い長い不安定な通路を歩いて来ると「ほっ!」と一息つけるリラックススペースに思えるのです。

エルネスト・ネトの作品は単に奇を衒っているわけではないのです。それは毎回そうです。考えに考え抜いて構成された体感型の極上インスタレーションなのです。



メイン作品「A vida é um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)」の他にも、壁に据え付けられた『Linhas pontos e patas(線、点と脚)』、『TorusMacroCopula(トルスマクロボールト)』、そして伸縮性のある素材を用いた複数のボールの集合体『Pedras(石群)』等のインスタレーション作品が展示されています。


「TorusMacroCopula(トルスマクロボールト)」と東京ユニオンチャーチの十字架。

今回の展覧会タイトル『Madness is part of Life』は、現代社会における政治的な正しさや生産性が、狂気を隠蔽してしまっている状況を指しているそうです。

本当の「正しさ」を自分の身体に不安定さに眩暈を感じつつ、自分の存在自体が「生(Life)」という身体の一部であるという身体性の確固たる復権をネトがこの作品で教えてくれます。



【エルネスト・ネト関連エントリ】

エルネスト・ネト展」@丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
メルティング・ポイント」@東京オペラシティアートギャラリー
ネオ・トロピカリア」@東京都現代美術館

今回の展示では香辛料(臭い)の要素は用いられていません。当初用いる予定だったそうですが、ネトがこの会場を実際に訪れ必要ないと判断下したそうです。

「臭い」はなくても余りある「ひかり」がここにはあります。

エルネスト・ネト「Madness is part of Life」展は2013年1月6日までです。是非是非。今なら一階に草間彌生さんもいます。


Madness is part of Life

会期:2012年9月29日(土)〜2012年1月6日(日)
開館時間: 12:00‐20:00
休館日:無休
入場料:無料
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-7-5
ルイ・ヴィトン 表参道ビル7階

ルネスト・ネト(Ernesto Neto)
1964年、リオ・デ・ジャネイロ生まれ、在住。 国際的な美術館での展示や、ヴェネチア・ビエンナーレ2001年のブラジル館代表を務め、ビエンナーレなどで活躍する一方、東京オペラシティ アートギャラリー、金沢21世紀美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、豊田市美術館などでも展覧会に参加するなど、日本での活動も幅広い。


会場内での撮影は自由です。

Twitterやってます。
@taktwi

JUGEMテーマ:アート・デザイン


エルネスト・ネトは、1980年代後半より作品の発表を始め、伸縮性のある薄い布地や香辛料など、自然の素材を用いた有機的な立体作品やインスタレーションで知られています。本展では、ネト自身のキュレーションを通じて、高い天井とガラスの壁面を持つエスパス ルイ・ヴィトン東京の空間を再構成・再解釈します。 エキシビションのタイトル『Madness is part of Life』は、現代社会における政治的な正しさや生産性が、狂気を隠蔽してしまっている状況を指しています。本当の「正しさ」は存在するのか、むしろ狂気こそが私たちの中や周囲に宿る情熱そのものかもしれないのではないか、とネトは提起します。

展示の中心となるのは、巨大なインスタレーション作品、『A vida é um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)』です。来場者は、宙吊りになった通路の上を歩いたり、座ったり、寝転んだりすることで、ガラスに囲まれた空間から周囲の景観を再発見すると同時に、浮遊しているような感覚や眩暈を感じることができます。その他、体感型の作品3点および映像作品をご紹介いたします。

展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

ネトが来ているんですか。つい先日、科学博物館で「元素の不思議」を見たついでに360゜シアターでマントルの流れを見ていて、「このマントルの流れ方はネトの作品と一緒だなぁ」なんて思っていたところでした。
丸亀美術館では触りたい放題でしたが、無理だろうなぁ・・・と思いつつも早速今日行ってきたいと思います。
Cos | 2012/10/08 8:17 AM
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