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「リヒテンシュタイン展」

国立新美術館で開催中の
「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展に行って来ました。


リヒテンシュタイン展公式サイト
http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/

今年で開館5年目を迎える六本木、国立新美術館。これまで数々の展覧会拝見して来ましたが、こんなにも興奮したのは初めてです。

そこは、自分のよく知る国立新美術館の展示室ではありませんでした。チラシ、ポスターに謳われた「ようこそ、わが宮殿へ」の意味もよく解せます。まさにバロックの館です。


バロック・サロン(クリックで拡大)

展覧会の構成は以下の通りです。

エントランス
バロック・サロン
リヒテンシュタイン侯爵家
名画ギャラリー
・ルネサンス
・イタリア・バロック
・ルーベンス
クンストカンマー:美の技の部屋
名画ギャラリー
・17世紀フランドル
・17世紀オランダ
・18世紀−新古典主義の芽生え
・ビーダーマイヤー



バロック・サロン

今までにない雰囲気を醸し出しているエントランス(彫刻、絵画勿論展示してあります)を抜け次の部屋に入ると、一瞬今自分がどこに居るのか分からなくなります。微かな眩暈と共に。

確か六本木に来たはずなのに…


リヒテンシュタイン侯爵家が収集した美術コレクションを収蔵、公開しているウィーン「夏の離宮」(2012年3月撮影)

この「夏の離宮」の展示様式を国立新美術館内に再現しているのです。

絵画、彫刻、工芸品と共に家具やタぺスリー等が部屋中に散りばめられ、独自のコンセプトに基づいた展示方法が用いられています。


バロック・サロン

あらためて観るとなんとアントニオ・ベルッチによる天井画(占星術、彫刻、絵画、音楽の寓意がそれぞれ描かれています)までもが再現されているのです。

今までの展覧会で天井に絵画を設置したこと記憶にないですよね。

壮麗なバロック・サロンの雰囲気を損なわないように、この部屋に限ってキャプションが付けられていません。展示室の入口で展示コンセプトと展示品(画像入り)リストを手に観てまわる仕組みが採用されています。バロック空間を再現せんとする想いが伝わってきます。


ラファエッロ・サンティ「男の肖像」1502/04年頃 油彩/板
ルーカス・クラナッハ(父)「聖エウスタキウス」1515/20年 油彩/板

バロック・サロンだけでもお腹いっぱいなのですが、芸術庇護を家訓として代々美術品を収集してきたリヒテンシュタイン公国がこれで許してくれるはずがありません。

ここから先は怒涛の「名画ギャラリー」が展開されます。


ペーテル・パウル・ルーベンス
占いの結果を問うデキウス・ムス
[デキウス・ムス」連作より 1616/17年 油彩/カンヴァス 

横幅4mオーバーのまさに大作。圧巻です。海外の美術館で撮影したひとコマを観ているかのようです。世界屈指のルーベンスコレクションを誇るリヒテンシュタインの底力!

この「ルーベンス・ルーム」はこうした作品以外にも「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」(チラシ、ポスターの作品)や「聖母を花で飾る聖アンナ」等、数十センチの小ぶりながらもルーベンス自身の筆遣いがはっきりと見て取れる優品も揃っています。

きっと記事をご覧になっている皆さんもあまりにも素晴らしい作品の連続で疲れたかもしれません。しかし、リヒテンシュタイン侯爵はこんなものでは、まだ許してくれません。。。

約5世紀にわたり収集された同コレクションには、彫刻、タベストリー、美術工芸品、彩飾写本、陶磁器、狩猟用銃器など総数3万点にも及ぶ美術品が含まれています。


ユアヒム・フリース「ぜんまい仕掛けの酒器(牡鹿に乗るディアナ)」
1610〜1612年

「ぜんまい仕掛けの酒器(牡鹿に乗るディアナ)」の動きが展示ケース手前のモニターに動画で紹介されています。ちょっと意外な動きを見せます。そして何とこれ驚くことに分解可能なんです!

画像奥にはコジモ・ディ・ジョヴァンニ・カストルッチ、ディオニシオ・ミゼローニ、ジュリアーノ・ディ・ピエロ・パンドルフィーニ(工房)によるゴージャスな「貴石象嵌のチェスト」が見えます。 
    
そして、「クンストカンマー:美の技の部屋」の白眉は何と言っても、マティアス・ラウフミラー「豪華なジョッキ」でしょう。


マティアス・ラウフミラー
豪華なジョッキ》1676年 象牙
©LIECHTENSTEIN, The Princely Collections, Vaduz-Vienna

若き女性たちが、男たちに突如略奪されるというショッキングなシーンをモチーフにしているにも関わらず、象牙に施されたその精巧で緻密な彫刻からは全く物々しさを感じさせません。

最も深い箇所で23ミリもの彫り込みが施されているそうです。

溜め息をついている暇も与えてもらえず、そのまま次のセクション再び「名画ギャラリー」へ誘われます。


レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン「キューピッドとしゃぼん玉」1634年 油彩/カンヴァス

この頃になると感覚が麻痺していて、ファン・ダイクやレンブラント、フランス・ハルス、ヘラルト・ダウそしてブリューゲルの作品を前にしても大きな感動が得られなくなっています。畏るべしリヒテンシュタイン展…

そして、「18世紀−新古典主義の芽生え」「ビーダーマイヤー」へ。最後の最後まで全く気持ちが高まりっぱなしです。まさにワクワクの連続。


フランチェスコ・アイエツ「復讐の誓い」1851年 他

間違いなく100%の男性に支持されるであろう、フリードリヒ・フォン・アメリング「夢に浸って」は、本日のお持ち帰りの一枚。

1985-86年にニューヨークのメトロポリタン美術館での「ヒテンシュタイン・コレクション展」以来となる国外への大規模な貸出しです。美術品収集が家訓であるリヒテンシュタイン侯爵家の展覧会まず滅多に観られる機会はありません。

「リヒテンシュタイン展」は12月23日までです。混雑する前にバロック・サロンに、そして名画の数々に酔いしれて下さい!!


国立新美術館開館5周年「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝

会期:2012年10月3日(水)〜12月23日(日・祝)
休館日:毎週火曜日休館
開館時間:10:00〜18:00 金曜日は20:00まで
(入場は閉館の30分前まで。)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
http://www.nact.jp/
主催:国立新美術館、朝日新聞社、東映、TBS
後援:外務省、リヒテンシュタイン侯爵家財団、スイス大使館、オーストリア大使館
特別協賛:木下グループ 株式会社木下工務店
協賛:三井物産、トヨタ自動車、田中貴金属グループ、大日本印刷
協力:オーストリア政府観光局、オーストリア航空、ルフトハンザ カーゴ AG、日本貨物航空、日本通運

「リヒテンシュタイン展」公式サイト
http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/

展覧会巡回予定
高知県立美術館 2013年1月5日(土)〜3月7日(木)
京都市美術館  2013年3月19日(火)〜6月9日(日)



関連イベント【記念講演会】
「バロック美術の殿堂 リヒテンシュタイン宮殿の名画を旅する」
10月13日(土)14:00〜15:30 (開場13:30)
講師 千足伸行 (日本側監修者・成城大学名誉教授)
定員:260名(先着順)聴講無料。但し本展観覧券(半券可)の提示が必要。

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影されたものです。
(撮影:@yukitwi)

Twitterやってます!
@taktwi

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オーストリアとスイスの間にあるリヒテンシュタイン侯国。同国の国家元首であるリヒテンシュタイン侯爵家は、優れた美術品収集こそが一族の栄誉との家訓のもと、500年以上にわたってヨーロッパ美術の名品を収集してきました。その数は3万点に及び、英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションといわれています。本展では同コレクションから139点の名品を選りすぐり、日本で初めて公開します。世界屈指のルーベンス・コレクションからは、愛娘を描いた《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》など10点が一挙に来日。ラファエッロ、クラナッハ、レンブラント、ヴァン・ダイクをはじめとする巨匠たちの名画や、華麗な工芸品が一堂に並びます。

展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(9)

この記事に対するコメント

新国立美術館は火曜日がお休みなのですが、
ちょうどその日に特別展示会が開かれることになり、
幸運にも参加することができたので見に行ってきました。
いやあ、人のいない新国立美術館は新鮮でしたね。

それはともかく、夏の離宮をイメージした展示といい、
圧巻のルーベンスといい、お腹一杯になってしまう展覧会でしたね。
バロック・サロンはどうしてもみなさんに紹介したかったため
Takさんの写真を使わせて頂きました。
なんだか事後承諾のような形で申し訳ないのですが、
お許しください。
不都合があれば言ってください。
鉄平ちゃん | 2012/10/25 12:31 AM
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国立新美術館のリヒテンシュタイン、ルーベンス・ルームを別にしました。        10月3日ー12月23日(日)まで       世界が羨むルーベンスの名作など       侯爵家が500年間守り抜いた秘宝。奇跡の来日。 名画ギャラリー    ルーベ
 ウィーンのリヒテンシュタイン美術館には、2007年に訪れた(記事はこちら)。建物はもちろん、展示物も超一流だった。  ↓左は今回の展覧会のチラシ、↓右はウィーンの図録の表紙である。ウィーンの美術館の門前の幟にも、↓左のルーベンスの娘の画が使われていた
 これは、前回の記事(こちら)に続く第2報である。  第1報は、「名画ギャラリー」の途中のルーベンスで終わっているが、「名画ギャラリー」の展示自体もここでいったん中断し、「クンストカンマー:美と技の部屋」に移る。  ここに展示されているのは9点だけ
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