青い日記帳 

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「竹内栖鳳展」

山種美術館で開催中の
「【特別展】 没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち―」 展に行って来ました。

展覧会関連イベント『竹内栖鳳―京都画壇の画家たち展』(@山種美術館)をリアルタイムでレポートしよう!


http://www.yamatane-museum.jp/

東の大観、西の栖鳳」と並び称された日本画家・竹内栖鳳(1864-1942)。近代の京都画壇を牽引した栖鳳は関東では大観に比べると馴染みの薄い画家です。(先日、山下裕二先生による「教科書に載らない実力派・竹内栖鳳について」と題された講演会がありました)

円山応挙を祖とする「円山派」と呉春を祖とする「四条派」(「円山・四条派」)の流れを受け継ぎ徹底した写生に基づく作品や水墨表現から、自らのヨーロッパ遊学体験で得た西洋画の画法も積極的に取り入れるなどといった「多様性」が栖鳳の最大の魅力です。


竹内栖鳳「雨霽」明治40年
東京国立近代美術館蔵

呉春の「柳鷺群禽図」(京都国立博物館)に着想を得たと指摘され四条派風の水墨表現が見事な絹本屏風絵。左右で「静」と「動」を表す等、栖鳳らしさが観られます(「群」と「孤」なども)


竹内栖鳳「飼われたる猿と兎」明治41年
東京国立近代美術館蔵

こちらは応挙や芦雪の系統を引く徹底した写生に基づいた作品。動物園や自宅で実際に猿や兎を観察して描いています。

栖鳳はころんとしたまん丸く愛らしいこれまでのウサギとは違い、写生によって気がついた、だらんと伸びた(リラックスした)兎の姿を描いています。「飼われたる」というタイトルがポイントです。

雨霽」の翌年に描かれているということは、画風の変化が栖鳳の中に起こったというよりも、元々彼が、四条派と円山派の描き方を得とくしていたと考える方が自然です。


竹内栖鳳「晩鴉」昭和8年
山種美術館蔵

こうした水墨画に適した独自の和紙を岩野平三郎製紙所(福井県)に特注して作らせた所謂「栖鳳紙」が用いられています。

栖鳳は徹底して和紙にもこだわったそうです。岩野平三郎製紙所では同時代の横山大観も和紙を発注していましたが、それとは違うオリジナルのものを作らせ積極的に使用していました。

残念ながら栖鳳和紙の素晴らしさを画像でお伝えすることが出来ません。実際に観ないと(しかも意識して観ないと)その違いは分かりません。しかしながら分かってしまうとその凄さにひれ伏します。


竹内栖鳳「梅園」昭和5年頃

この作品も一見すると梅の木に愛らしいメジロが止まり春の訪れを告げているワンシーンにしか見えませんが、少し膝を屈伸させ作品を斜め下から拝見すると…あら不思議。背景にキラキラ光る砂子のようなものが飛び込み一層春の華やかさに花を添えることに。

ここで栖鳳が用いているマジックのタネはやはり和紙にあります。「銀潜紙」(ぎんせんし)と呼ばれる独特な和紙を使用しているのです。紙に銀の砂子を敷いて漉き込んだ和紙だそうです。

齢60を過ぎてもなお、新しいことに挑まんとする栖鳳の積極性またはそこから発生する多様な画風を観てとることが出来ます。守りに入ることなく常にチャレンジャーであった。そんな絵師なのかもしれません。



展示構成は以下の通りです。

第1章:先人たちに学ぶ
第2章:竹内栖鳳の画業
第3章:栖鳳をとりまく人々


「虎図」を描いた円山応挙は生きた虎は目にしたことがありませんでしたが、栖鳳はヨーロッパ(アントワープ、ロンドン)の動物園で実際にその目で観ています。その差を確かめてみるのも面白い試みではないでしょうか。

そして写生画をベースにして栖鳳は仏画まで描いているのです!


竹内栖鳳「散華」明治43年
京都市美術館蔵

東本願寺の大谷光演から大師堂の天井絵の制作依頼を受けた栖鳳が遺した試作段階の絵。(最終的には未完で終わる)

実際のモデルを使い女性の優美な身体のラインや衣の表現などに注視。細い金泥線が引かれたシルエットに裏彩色(肌部分)等々、栖鳳の細部へのこだわりと共に、常に新たな境地を開拓せんとする前向きな気持ちが汲み取れる貴重な一枚です。


竹内栖鳳「緑池」昭和2年頃
山種美術館蔵

「緑池」は個人的に大好きな一枚。これお持ち帰りしたい。水面から顔を出した一匹の蛙。ただそれだけですが、どうですかこの美しさ。言葉失いますよね。

《配色のこと》
色というものは、支那には支那の色があり、日本には日本のいろがあり、西洋には西洋の色がある。そして吾々の伝統は、その色に於ても、配色に於ても、芸術的に優れている。」竹内栖鳳

「多様性」をキーワードに竹内栖鳳の作品を何点かご紹介してきましたが、まだまだ全然紹介しきれていません。南画風の中国風景やリアル過ぎて可愛げのない動物画まで見応え十分です。

自分の作品スタイルを常に変化させていこうという意欲が最後の最後まで観て取れます。「絵になる刹那を求め続けた絵師」竹内栖鳳の展覧会。東京では10年ぶりの開催だそうです。

「【特別展】 没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち―」 展は11月25日までです。

尚、Twitter、Facebook、ブロガーさん特別内覧会を10月20日に開催致します。詳細はこちらです。お時間ある方奮ってご参加下さい。


「【特別展】 没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち―」

会期:2012年9月29日(土)〜11月25日(日) 
会場:山種美術館(東京都渋谷区広尾 3-12-36)  
http://www.yamatane-museum.jp/
主催:山種美術館、日本経済新聞社

山種美術館へのアクセス
・JR・東京メトロ日比谷線 恵比寿駅西口より徒歩約10分
・恵比寿駅西口より都バス(学06番 日赤医療センター前行)広尾高校前下車、徒歩1分
・渋谷駅東口ターミナルより都バス(学03番日赤医療センター前行)東4丁目下車、徒歩2分

白うさぎ
「没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち―」 オリジナル和菓子
展覧会毎のお楽しみ!カフェ椿のオリジナル和菓子。
(カフェのみの利用も可能。和菓子はお持ち帰りができます!)

展覧会関連イベント『竹内栖鳳―京都画壇の画家たち展』(@山種美術館)をリアルタイムでレポートしよう!

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3025

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2012年は、「東の大観(たいかん)、西の栖鳳(せいほう)」と並び称された日本画家・竹内栖鳳(1864-1942)の没後70年にあたります。京都に生まれた栖鳳は、早くからその才能を開花させ、30代で京都画壇を代表する画家にのぼりつめました。栖鳳が描き出す、いきものや自然がみせる一瞬の姿を軽やかに捉えた作品は、今なお精彩に富み、新鮮な魅力を放っています。

パリ万博が開催された1900(明治33)年、ヨーロッパ遊学を果たした栖鳳は、渡欧先で西洋美術にじかに触れることで大きな刺激を受けました。帰国後、円山四条派の写生を軸にした画風に、西洋美術の要素をとり入れた新しい表現を生み出していきます。洗練された感性と優れた筆技によって動物、風景、人物と様々な主題を手掛け、日本画の近代化に積極的に取り組みました。

本展では、近代の京都画壇を牽引した栖鳳の画業を、《飼われたる猿と兎》、《絵になる最初》、《蹴合》、《班猫》【重要文化財】、《若き家鴨》など初期から最晩年までの傑作を通してたどります。

また、京都画壇の歴史的展開にも注目し、栖鳳の造形的源泉となった円山派の祖・円山応挙(おうきょ)をはじめとする江戸時代の作品を併せてご紹介いたします。さらに、栖鳳の指導を受けて活躍した上村松園(しょうえん)、西村五雲(ごうん)ら弟子たちの作品を通して、江戸から近代へといたる円山四条派のDNAの核心に迫ります。

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