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「夏目漱石の美術世界展」にウォーターハウスがやって来る!

東京藝術大学大学美術館で2013年5月14日より開催される「夏目漱石の美術世界展」で、J.W. Waterhouse(ウォーターハウス)の名画「人魚」、「シャロットの女」が公開されます。


酒井抱一 重文「月に秋草図屏風」東京国立博物館
J.W.ウォーターハウス「人魚」王立芸術院、ロンドン
J.M.Wターナー「金枝」テイト、ロンドン

(チラス裏面)

ジャン=バティスト・グルーズ「少女の頭部像」ヤマザキマザック美術館
伊藤若冲「梅と鶴」
横山大観 重文「瀟湘八景 漁村返照」東京国立博物館
今村紫紅 重文「近江八景 比良暮雪」東京国立博物館
J.W.ウォーターハウス「シャロットの女」リーズ市立美術館
J.E.ミレイ「ロンドン塔幽閉の王子」ロンドン大学

ある意味で、フェルメールよりも好きなウォーターハウスの作品が2点チラシから確認出来ます。しかもウォーターハウス作品の中でもファンならずとも知る超メジャー作品です。

いや〜この2点を拝見するのは2009年の「ウォーターハウス回顧展」(オランダ、フローニンゲン美術館)以来のことです。


J.W.ウォーターハウス「人魚」1900年
王立芸術院、ロンドン

三四郎と美禰子は顔を見合わせて笑った。肝心(かんじん)の主脳が動かないので、二人とも書物をそろえるのを控えている。三四郎は詩の本をひねくり出した。美禰子は大きな画帖を膝(ひざ)の上に開いた。勝手の方では臨時雇いの車夫と下女がしきりに論判している。たいへん騒々しい。
「ちょっと御覧なさい」と美禰子が小さな声で言う。三四郎は及び腰になって、画帖の上へ顔を出した。美禰子の髪(あたま)で香水のにおいがする。
 絵はマーメイドの図である。裸体の女の腰から下が魚になって、魚の胴がぐるりと腰を回って、向こう側に尾だけ出ている。女は長い髪を櫛(くし)ですきながら、すき余ったのを手に受けながら、こっちを向いている。背景は広い海である。
「人魚(マーメイド)」
「人魚(マーメイド)」
 頭をすりつけた二人は同じ事をささやいた。この時あぐらをかいていた与次郎がなんと思ったか、
「なんだ、何を見ているんだ」と言いながら廊下へ出て来た。三人は首をあつめて画帖を一枚ごとに繰っていった。いろいろな批評が出る。みんないいかげんである。

夏目漱石『三四郎』より


J.W.ウォーターハウス「シャロットの女」1894年
リーズ市立美術館

古き幾世を照らして、今の世にシャロットにありとある物を照らす。悉く照らして択(えら)ぶ所なければシャロットの女の眼に映るものもまた限りなく多い。ただ影なれば写りては消え、消えては写る。鏡のうちに永(なが)く停(とど)まる事は天に懸(かか)る日といえども難(かた)い。活(い)ける世の影なればかく果(は)敢(か)なきか、あるいは活ける世が影なるかとシャロットの女は折々疑う事がある。明らさまに見ぬ世なれば影ともまこととも断じがたい。影なれば果敢なき姿を鏡にのみ見て不足はなかろう。影ならずば?――時にはむらむらと起る一念に窓際に馳(か)けよりて思うさま鏡の外(ほか)なる世を見んと思い立つ事もある。シャロットの女の窓より眼を放つときはシャロットの女に呪(のろ)いのかかる時である。シャロットの女は鏡の限る天地のうちに跼蹐(きょくせき)せねばならぬ。一重隔て、二重隔てて、広き世界を四角に切るとも、自滅の期を寸時も早めてはならぬ。
夏目漱石『薤露行』より

現時点で「夏目漱石の美術世界展」公式サイトに、作品に関して何の情報もないのが、非常に残念で寂しいところですが、絶対に観に行きます!


夏目漱石の美術世界展

会期:2013年5月14日(火)〜7月7日(日)
会場:東京藝術大学大学美術館
主催:東京藝術大学、東京新聞、NHK、NHKプロモーション
後援:ブリティッシュ・カウンシル、新宿区
協力:岩波書店、神奈川近代文学館、KLMオランダ航空、日本航空

巡回
2013年3月26日(火)〜5月6日(月・祝) 広島県立美術館
2013年7月13日(土)〜8月25日(日) 静岡県立美術館

おまけ:
オランダ、フローニンゲン美術館「ウォーターハウス回顧展」での一枚。

ウォーターハウス「ヒュラスとニンフたち

この作品は、2000年に当時の安田火災東郷 青児美術館(現:損保ジャパン東郷青児美術館)で開催された「マンチェスター市立美術館所蔵 ラファエル前派展」に出展されました。

関係者の皆さま、何度も言っておりますが「ウォーターハウス展」開催して下さいな!!

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3110

JUGEMテーマ:アート・デザイン


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この記事に対するコメント

驚きの情報をありがとうございました!
抱一の「月に秋草図屏風」、まさか観られるとは予想もしていませんでした。一昨年の大回顧展にも出品されず、幻の作品でしたから。いつから東博の所蔵になったのでしょう?
寒さの只中だけれど、春を思って今からわくわくです。ありがとうございました。
みけ | 2013/01/09 9:23 AM
Takさま

あけましておめでとうございます。
いつも楽しみに拝見して、最新情報を得ております。
Waterhouseファンの一人です。ロンドンの回顧展も観に行きました。
「人魚」は回顧展以前に王立美術院のレストランの入口のBarに掛かっており、名作を見ながら寛いだ想い出があります。
日本でのWaterhouse展がT新聞で企画されているという風の噂を去年耳にしました。
是非、Takさんのお力で実現に向けて動かして下さい!!

今年、漱石さんのお陰で東京にWatrehouse作品が来てくれるのは嬉しいです。

kat
kat | 2013/01/09 10:13 AM
おまけの作品、マンチェスター大学に留学していた時に、一番のお気に入りで、よくみに行きました。ドキドキしますよね。なつかしいです。
みどりライオン | 2013/01/13 12:49 AM
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