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「日本の民家一九五五」展

パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の
二川幸夫・建築写真の原点「日本の民家一九五五」展に行って来ました。


http://panasonic.co.jp/es/museum/

1957年から59年にかけて発行された写真集『日本の民家』全10巻(写真・二川幸夫、文・伊藤ていじ、美術出版社)に収められた日本各地の民家を写した280点の写真の中から、約70余点を選び、最新のデジタル出力技術により新たにプリントし紹介する展覧会。

すこし前までこの空間で「ルオーのサーカス展」が華やかに賑やかに開催されていたとは信じられないほど、今回の展示室は落ち着いた雰囲気に包まれています。



2012年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞受賞した、建築家の藤本壮介氏が手掛けた会場構成。これだけでも一見の価値ありです。

壁を作り写真を展示するのではなく、作品作品をそうまるで「家」のように、「集落」に見立てた会場内に点在させます。キャプションも要らぬと考えたそうですが、そうもいかず申し訳程度に足元に設置されています。

二川幸夫氏の撮影した古民家がどれもその要求に見事に応えているからこそ、完成度の高い空間に仕上がっていることはもちろん言うまでもありません。



展示構成は以下の通りです。

京・山城
大和・河内
山陽路
四国路
西海路
陸羽・岩代
武蔵・両毛
信州・甲府
北陸路
高山・白川


日本各地の民家を、ファインダーに収めて来た二川幸夫氏の足跡を辿るかの如く、追体験するかのように会場内はうねうねとした「路」が作られています。

ただし、決して順番通りに観る必要はありません。またそれを強いてはいません。遠くの方に気になる古民家の写真があればそこまで歩み寄り、対峙する見方もありです。

1955年頃の日本の民家の写真を観て「懐かしい」感じは受けませんが、代わりに比類なき「美しさ」を存分に感じ取ることが出来ます。

その美しさは、観光地化した「古民家」でもなく、「古民家風」の佇まいでもなく、人がそこに慎ましく生活していることを伺い知ることが可能な正真正銘の民家なのです。初めて観た感動も同時に味わえます。


資料コーナー

何でも全て旧いものが良いというわけではありません。ノスタルジックな感傷に浸りに行くわけでもありません。しかし、贔屓目無しに美しいものは美しいのです。その美しさを一層引き立てているのが二川氏の写真なのです。

これほどまでに美しい(作品も空間も)建築写真の展覧会今まで拝見したことがありません。「美術にぶるっ!」展の第二部と関連させるまでもなく、見応えあるそれはそれは美しい展覧会です。

「日本の民家一九五五展」は3月24日までです。是非。


二川幸夫・建築写真の原点「日本の民家一九五五」展

開館期間:2013年1月12日(土)〜3月24日(日)
開館時間:午前10時〜午後6時
(入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週曜日

主催:パナソニック 汐留ミュージアム、日本経済新聞社
特別協力: A.D.A. EDITA Tokyo Co., Ltd., GA Photographers
会場構成:藤本荘介
技術協力:エプソン販売株式会社
出品出力協力:株式会社堀内カラー
展示協賛:タキカ株式会社、株式会社谷平工業、東リ株式会社
後援:一般社団法人日本建築学会、社団法人日本建築家協会、港区教育委員会

パナソニック 汐留ミュージアム
http://panasonic.co.jp/es/museum/

Facebook「パナソニック 汐留ミュージアム」
http://www.facebook.com/shiodome.museum

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

【次回展】
パナソニック汐留ミュージアム開館10周年記念特別展
「幸之助と伝統工芸」展

会期:2013年4月13日(土)〜2013年8月25日(日)

「経営の神様」松下幸之助(1894-1989)と日本の伝統文化との関わりを紹介する展覧会です。松下幸之助は、自身が大切にした「素直な心」が茶道にあると考えます。茶道具を制作する工芸家に関心を持つようになった幸之助は、彼らへの支援を始めました。 本展では、松下幸之助と茶道の出会いを導入部分として紹介し、次に日本の伝統工芸に関心を寄せる契機となった作家の作品を陳列、最後に重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝を中心とした作家が制作した作品をご紹介します。松下幸之助ゆかりの美術工芸作品が一堂に会す展覧会です。

タイトル:モローとルオー −聖なるものの継承と変容−
2013年9月7日(土)−12月10日(火)

メイド・イン・ジャパン 南部鉄器 −伝統、柳宗理、コンテンポラリー−
2014年1月11日(土)−3月23日(火)

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@taktwi

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この国の自然と風土、歴史と文明のなかから生まれ、育まれてきた庶民の住まい「民家」。モダニズムの建築や今日の住宅を考える上でも、私たちの原点といえるでしょう。一方で快適で合理的なライフスタイルを優先する現代的な感覚にはそぐわなくなり、いにしえの民家は日本の風景から確実に姿を消しつつあります。

1957年から59年にかけて発行された『日本の民家』全10巻は、日本が国際的な経済発展に向けて飛躍しようとしていた頃に、あえて民家の最期の美しさにカメラを向けて、世間を瞠目させました。大地とつながる民家の力強さ、そしてそこに蓄積された民衆の働きと知恵をとらえた280点のモノクロ写真は、現在、国際的に高く評価される二川幸夫が20歳前後に撮影したものです。文章は当時新鋭の建築史家、伊藤ていじ(1922-2010)が著しました。

二川幸夫は確かな評価眼を通して見たものを建築写真として定着し、自ら主宰する出版社を中心に発表してきました。優れた建築を追って世界中を駆け巡り、比類のない作品を精力的に残してきた彼の建築の旅の原点は、この『日本の民家』にあります。

本展は1955年にさかのぼって、若き日の二川幸夫がとらえた貴重な民家の姿、そして日本人の本来の逞しさと しなやかさを、選び抜いた約70点の作品にご覧いただきます。ここに見るような建築のあり方を、これからの 日本で再構成することはできるのでしょうか―そんな想像がふくらむ展覧会です。

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二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年 | nest design Lab. Blog ネストデザインラボラトリー 一級建築士事務所 | 2013/03/05 9:14 AM