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「円空展」

東京国立博物館で開催中の
東京国立博物館140周年 特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」に行って来ました。


「飛騨の円空」公式サイト
http://enku2013.jp/

奈良から北海道まで各地を巡り、円空(1632年〜1695年)はその土地の木を用いて作った仏像の数は10万体を越えると言われています。

今回の展覧会は、岐阜県高山市所在の円空仏100体から成っています。


三十三観音立像
円空作 江戸時代・17世紀 総高61.0〜82.0cm 岐阜・千光寺蔵

円空仏といえばこのお顔ですよね〜いずれも同じように眉毛と目がすっっと横一線で表されているにも関わらず、表情にはかなり違いがあります。肌(木目)や口元そして身体つきも良く見ると一体一体全く違っています。

展示空間がまた今回も素晴らしく(本館特別5室はドラマティックな演出が可能な空間ですね)まるで飛騨の森の中に忽然と円空仏が佇んでいるかのような工夫がなされています。

不動明王立像
円空作 江戸時代・17世紀 
総高172.8cm 岐阜・素玄寺蔵

円空仏と向かい合う際のこのリラックスした感じをどう表現したら良いのでしょう。「不動明王立像」独特の憤怒の表情は確かに彫られているのですが、一般的な仏像と比べるとちょっと拍子抜けした感すらあります。

下半身など見方によっては魚の鱗のようで、まるで西洋の昔話しに出てきそうな半漁人(人魚!)に見えなくもありません。(一度そう思ってしまったら二度と「不動明王」に見えなくなります)

八大龍王像
円空作 江戸時代・17世紀
総高16.7cm 岐阜・千光寺蔵

円空は好き勝手自由気ままに山に入り仏像を彫っていたわけではありません。その土地土地の人々のニーズにあった仏をこしらえました。

今回の展覧会には龍を象った仏さまも何点か見られます。言わずもがな龍は水の神様の化身です。日照り続きで作物の生育が…何て困った時に円空さんにこの「八大龍王像」を彫ってもらったのでしょう。

チラシやポスターに使用されている「両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)」もそうですが、円空さんが拵える仏たちは、必ずしも仏教の神というわけではありません。

自然の神やその土地に伝わる異形の神を森の木をそのまま用いて明瞭且つシンプルに表現して行ったのです。だから抵抗感少なくすっと入って行けるのです。円空仏の世界へ。

宇賀神像
円空作 江戸時代・17世紀
総高19.8cm 岐阜・千光寺蔵

「蛇のからだに老人の頭をつけています。」と解説だけ聞くとさぞかしオドロオドロシイものかと構えてしまいますが、実際は10センチちょっとのマスコットのような仏さまです。

その土地の自然の一部(木)を用いて、その土地の人のニーズに直結した仏を彫った円空。そして最も大事なのはその数多の仏に円空の「心」が込められている点です。

シンプルで簡潔な表現の一見誰にでも作れそうな仏にも関わらず、ぐいぐいと展示ケースに額をこすりつけんばかりの勢いで食い入るように魅入ってしまうのはそこに「魂」が未だ宿っているからに違いありません。

金剛力士(仁王)立像 吽形
円空作 江戸時代・17世紀
総高226.0cm 岐阜・千光寺蔵

仏像を観る際についつい、様式美や年代、そして意味を探ってしまいがちですが、本来仏像とは「心」で観るものであることをあらためて教えてもらいました。

そして円空自身も「心」を彫ったのです。

若い人からお年寄りまで、円空仏がリスペクトされる理由がよ〜く分かりました。信仰心の薄い自分ですら純粋に「良かったわ〜」とほっこりした気分になれたのですから。

「円空展」は4月7日までです。
混雑必至です。なるべくお早めに!


飛騨の円空

会期: 2013年1月12日(土) 〜 2013年4月7日(日)
会場: 東京国立博物館 本館特別5室(上野公園)
開館時間: 9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、3・4月の金曜日は20:00まで、4月6日(土)、7日(日)は18:00まで)
休館日:月曜日
(ただし1月14日(月・祝)、2月11日(月・祝)は開館、1月15日(火)、2月12日(火)は休館)
主催:東京国立博物館、千光寺、読売新聞社、NHK、NHKプロモーション
特別協力:高山市、高山市教育委員会
後援:岐阜県

東京国立博物館
http://www.tnm.jp/

【「円空展」の見どころ】

秘仏「歓喜天立像」を特別開帳
7年に一度しか公開されない秘仏「歓喜天立像」。この度、初めて厨子から出して展示します。

千光寺の円空仏を一挙公開
“円空仏の寺”として知られる飛騨・千光寺。本展では同寺のほぼすべての円空仏61体を一挙に公開します。円空屈指の名作である飛騨の伝説の鬼神を表した「両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)」、白洲正子が著書「十一面観音巡礼」で“美しい”と記した「三十三観音立像」など、多彩な円空仏が揃います。

木に梯子を掛けて鉈を振るう円空の姿が紹介されています。


「近世畸人伝 第2巻」
伴蒿蹊著 三熊思孝画
江戸時代・寛政2年(1790) 東京国立博物館蔵

飛騨の円空仏100体が一堂に
現在知られている約5000体の円空仏のうち、1500体以上が岐阜県にありますが、飛騨高山には、とりわけ多彩な円空仏が残されています。「千手観音菩薩立像」(清峰寺)、「柿本人麿坐像」(東山神明神社)など、高山市内の14の寺社が所蔵する100体を東京で初めて一堂に紹介します。

飛騨高山の森、上野に出現
円空は、木を割り、鉈(なた)や鑿(のみ)で彫って像を作りました。その表面には漆や色を塗っていません。木目や節が見え、円空仏が「木」であることを強く印象付けます。展覧会の会場には、ほとけの形をした木が100本林立することになります。これらの木はすべて高山の木に違いありませんから、飛騨高山の森が上野に出現することになるのです。

「飛騨の円空」公式サイト
http://enku2013.jp/

Twitterやってます!
@taktwi

JUGEMテーマ:アート・デザイン


各地の霊山を巡り、生涯で12万体の仏像を彫ったという円空(1632-95)。円空は訪れた土地の山林の木を素材にして、あまり手数を掛けずに仏像を造りました。表面には何も塗らず、木を割った時の切断面、節(ふし)や鑿跡(のみあと)がそのまま見える像が多くあります。木の生命力を感じさせ、素朴で優しい円空の仏は江戸時代以来村人に親しまれ、今も多くの人の心をひきつけます。この展覧会では、「両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)」など、岐阜・千光寺(せんこうじ)所蔵の円空仏61体を中心に岐阜県高山市所在の100体を展示します。穂高岳、乗鞍岳など円空が登った山の名前を書いた像もあります。 林立する飛騨の円空仏。展示室に飛騨の森の空気が満ちることでしょう。

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円空展と本館・総合文化展 / 東京国立博物館 | 南風録ぶろぐ | 2013/01/20 2:44 PM