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井浦新×山下裕二トークショー【山下教授の特別課外授業】

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「白隠展」関連トークイベント【山下教授の特別課外授業】に行って来ました。

「白隠展」公式サイト


会場:渋谷ヒカリエの8/COURT
出演:井浦 新(俳優、クリエーター)、山下裕二(白隠展監修者、明治学院大学教授)
日時:2013年1月20日(日)14:00〜15:30

映画「ピンポン」以来11年ぶりに窪塚洋介さんと共演する映画「ジ、エクストリーム、スキヤキ」のクランクインを明後日に控えた多忙な、井浦新さんと、日本美術応援団として土日休日関係無しにイベントに引っ張りだこの山下裕二先生とのトークショー。

井浦新さんは現在、箱根にある彫刻の森美術館で「井浦 新 空は暁、黄昏れ展」も開催しています。

井浦 新 空は暁、黄昏れ展
会期:12月22日(土)〜3月3日(日)
会場:箱根彫刻の森美術館本館ギャラリー
http://www.hakone-oam.or.jp/arata

【山下教授の特別課外授業】大学の講義と同じく90分間たっぷりと。濃密なお話が繰り広げられました。はじめの30分は、井浦新さんと日本美術との関わりから。

山下「今日の会場の99%は新さんのファンでしょ。こんなおっさんの話しなんてどうでもいいから、まずは君のことから伺って行こう。」

二人のそもそもの慣れ染めは、NHKで放映された「男前列伝〜オトコが惚れる表現者の物語〜」(2010年10月2日、NHKBShi)曾我蕭白×ARATA。

因みにこの「男前列伝」は写真集として青幻舎さんから発売になっています。→『attitude(アティテュード) ―男たちの肖像』田村尚子(写真家)
田村尚子さんのサイトはこちらです


曾我蕭白「唐獅子図」朝田寺蔵

曾我蕭白に強く惹かれていた新さんが、蕭白ゆかりの土地を訪ねるといった内容の番組。収録の前に蕭白についてもっと勉強しておきたいと思い立ち、山下先生のご自宅へ「予習」をする為訪れたそうです。

山下「しかし、真面目だよね。そんな俳優さんいないよ、普通。」

井浦「いえいえ、先生の本(『日本美術応援団』)は僕の美術の教科書ですから当然です。」


日本美術応援団』 (ちくま文庫)
赤瀬川 原平 (著), 山下 裕二 (著)

山下「そもそも、いつごろから日本美術にこんなに目覚めたの?」

井浦「20代の頃は海外の民族(衣装、歴史、文化etc)に興味があってヨーロッパの国々やインド、ネパールなど様々な国に旅してました。日本の美術館で観る作品に強烈な印象を受けるようになったのは、そうした諸外国との比較が根底にあります。他国の文化を知って初めて自国の文化の凄さに目覚めたわけです。30代になってからは日本美術を求め専ら日本国内を旅するようになっていました。」

山下「俳優業こなしながらほんと精力的に観てまわっているよね。 無量寺(和歌山県串本町)にも行ったんでしょ。」

井浦「はい。芦雪や応挙の作品が観たくて。本で読んでいるだけ、見ているだけじゃ駄目なんですよね。実物をその土地の風土を感じながら観たいんです。」

山下「無量寺には白隠も何点もあるんだよ。今回の「白隠展」にも「大燈国師」が来ている。」

井浦「観ました!Bunkamuraでもそうですが、無量寺で観た時のことを今でもしっかり覚えています。それまで自分の中に漠然とあった「ハクイン」がまさに「白隠」となり合致し、意識するきっかけになりました。」



(他にも色々と日本美術を求め旅したお話が。「円空展」のことも。)

山下「観てるね〜しかし。」

井浦「でも大乗寺(円山応挙の障壁画)へは行けてないんです。レプリカになる前に行って観たかったんですが残念です。」

山下「展覧会やるよ。(「円山応挙展」)」

井浦「お〜ホントですか!いつですか?」

山下「3月」

井浦「すぐじゃないですか!!」

山下「昨日もその関係で名古屋に行って来たんだ。来てよスゴイ展示になるから。LED照明で明るさを変えたり、色々造作し見応えのある展覧会にするから。観に来てよ。」

井浦「行きます!絶対に行きます!!」

その噂の展覧会がこちら。


「円山応挙展−江戸時代絵画 真の実力者−」
会期:2013年3月1日〜4月14日
会場:愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/

山下「応挙や芦雪、蕭白の話をもっと沢山したいけど、今日は「白隠展」の関連イベントなのでそろそろ…でもその前に若冲も。」

井浦「京都の相国寺で『動植綵絵』30幅揃った時に観に行きました。朝イチで並んでも2,3時間は待ちました。でも凄く感動しました。」

(相国寺の「若冲展」の様子はこちらの記事に。)

山下「美術好きじゃない芸能人が民放の番組で絵の前に立ってろくなコメント言えずにいるけど、新さんは根っからの美術好きなんだね。感心したよ。」



山下「さて、「白隠展」でインパクト受けた作品を聞かせてくれる?」

井浦「やっぱり「眼一つ達磨」ですね。」

山下「白隠は達磨の絵を山ほど描いているけど、一つ目の達磨はこれ一点だけ。どうしてこんな風に描いたのか分からない。賛も読めない謎の多い作品。あくまでも想像だけど、目が二つあるからあちこち迷う。一つなら集中出来るだろうという白隠のメッセージが描かれているのかもしれない。」

(その他何点かピックアップ)

「山下教授の特別課外授業」の最後に大胆な持論を披露されていました。

岡本太郎は白隠の生まれ変わりだと思っている。思想が二人とも良く似ている。若い時に苦しい思いをし更に死にそうにもなっている。また若くして母親を亡くし死に目にも会えてない。

中年(白隠は60歳を過ぎてから)以降は、自分の思想を人々に伝える為に邁進したところ二人の大きな共通点。白隠も太郎も一点もお金と引き換えに作品を渡すことがなかった。

母親の岡本かの子さんは実は白隠のファンでもあった。(白隠が岡本太郎とジョンレノンを生んだ?!)なんだかスピリチャルオヤジみたいな話しになってきたけど、つまり本質的な芸術は軽々と時空を飛び越えてしまうものなんだ。



井浦「不思議な偶然(偶然じゃないのかな)を感じる瞬間を美術を観ていると感じる時があります。自分は縄文が好きで、太郎先生が好きで色々観ていても“何故好きなのか”が分からなかったのですが、若冲や蕭白、芦雪を観るようになって皆、縄文であったりアニミズムの思想が裏に通っていることに気が付くいたんです。自分の好きなものが全て結びついたんです。」

山下「そうだね。最初は偶然好きだと思っていた作品や作家が、ある日突然あるキーワードを軸に繋がる(シナプス化)することがあるよね。それがまさに“芸術が血肉化する”ことなんだ。」

井浦「日本美術の繋がりに、今気付いただけにすぎないのででもっとこれからも勉強して沢山の作品を観て行きたいです。」

山下「そう、ローカルなものをとことん掘り下げていくことこそが、真のグローバル化だからね。」


白隠展 HAKUIN
禅画に込めたメッセージ


会期:2012年12月22日(土)−2013年2月24日(日)
*1月1日(火・祝)のみ休館
★2013年1月22日(火)より、一部作品の展示替えがあります。
開館時間:10:00−19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/
主催:Bunkamura
企画協力:広瀬麻美(浅野研究所)
後援:臨済宗妙心寺派、花園大学国際禅学研究所、臨済会
協賛:日本ロレックス株式会社
協力:三菱レイヨン株式会社
監修:芳澤勝弘(花園大学国際禅学研究所教授)、山下裕二(明治学院大学教授)

「白隠展」公式サイト

こちらはトークの中でも触れていた井浦新さんお勧めの「すたすた坊主ワッペン」


井浦新さんをもっと知りたい方はこちら!

ELNEST
http://elnest.com/

BLOG | ELNEST CREATIVE ACTIVITY
http://elnest.sblo.jp/

【関連エントリ】
井浦新さんが手掛けた国芳展オリジナルグッズ
「白隠展」
“白隠の魅力に開眼”しました?!


白隠展音声ガイドは山下裕二先生と俳優の井浦新さんが担当しています。お二人の息ぴったり合った解説に耳を傾けながら白隠ワールドへ!

お二人のお話にも登場した「縄文」をテーマにした展覧会が開催されています。


勝坂縄文展
神奈川県立歴史博物館
http://ch.kanagawa-museum.jp/kassaka2012.html

注:写真は主催者の許可を得て撮影したものです。

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3122

JUGEMテーマ:アート・デザイン


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この記事に対するコメント

このたびは貴ブログで円山応挙展に触れていただきありがとうございました。関東の方はあまりご存知ないかもしれませんが、3月1日から4月14日まで、愛知県美術館のみでの「円山応挙」展です。出品数は絵画77点、文書4点、資料やく10点の予定。作品保存のため展示かえがあります。国宝の《雪松図屏風》は3月24日までの展示となります。ひとつの見どころは、重要文化財の兵庫県大乗寺の客殿二間、襖24面分をお借りし、その空間を再現展示します。それもガラスケースなしで。記念講演会では3月3日に山下先生に、3月20日に大乗寺副住職の山岨眞應(やまそばしんのう)さんにお話しいただきます。ちょっと遠いですが、ぜひ名古屋までお運びください。
副館長 | 2013/01/27 12:09 PM
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