青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< July 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「中原淳一展」 | main | 「館蔵浮世絵に見る さくらいろいろ」 >>

「奇跡のクラーク・コレクション展」

三菱一号館美術館で開催中の
「奇跡のクラーク・コレクション― ルノワールとフランス絵画の傑作」展に行って来ました。


「クラーク・コレクション展」公式サイト:http://mimt.jp/clark

クラーク美術館
The Sterling and Francine Clark Art Institute

http://www.clarkart.edu/

クラーク美術館は、美術館であると同時に視覚芸術におけるアカデミックな研究の総合施設でもあります。同館のあるマサチューセッツ州最西部のバークシャーは、美しい自然と豊かな文化的伝統によってアメリカの名だたる芸術家、作家、演奏家を魅了し、生活や活動の拠点として選ばれてきた豊かな歴史をもつ地域です。2010年から始まった同館の増改築は、日本人建築家安藤忠雄の設計によるものです。


(クリックで拡大)

マサチューセッツ州最西の学園都市、ウィリアムズタウン。ボストン、ニューヨークから車で3時間も要する緑豊かな穏やかな街だそうです。

そんな大自然に囲まれた場所に建つクラーク美術館。ちょっと旅行ついでに立ち寄れる美術館ではなく、またこれまでまとまった貸出しを行って来ませんでした。

今回の展覧会タイトルに「奇跡の」と付けられているのは、あながちオーバーな表現ではありません。

現在建設中の建物(安藤忠雄氏が担当)が出来るまでの間、ヨーロッパ、北米(マドリード、ミラノ、ジヴェルニー、バルセロナ、フォートワース、ロンドン、モントリオール)と巡回した「クラーク・コレクション」がいよいよ日本にもやって来たのです。


ピエール=オーギュスト・ルノワール《縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル
1882年
油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA

クラーク美術館の創設者であるスターリング・クラークは、祖父であるエドワード・C・クラーク(シンガーミシンの設立者)からの莫大な遺産で妻、フランシーヌ・クラークと共に印象派を中心とする名画を買い集めました。

最初に購入したのは1916年のこと。記念すべき一枚目の作品はルノワールの「かぎ針編みをする少女」(1875年頃)だったそうです。

ミシンで財を成したおじい様から譲り受けた遺産で最初に購入するに相応しい一枚かと。この作品は今回の展覧会に出品されています。


ピエール=オーギュスト・ルノワール 《鳥と少女》1882年
油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵

今回の「クラーク・コレクション展」に出品されている珠玉の73点の中でも、ルノワール作品が群を抜いています。(ルノワール22点、コロー5点、ミレー2点、モネ6点、シスレー4点、ピサロ7点、ドガ4点、ロートレック2点 他)

正直、印象派の画家の中で最も苦手なルノワールがこれだけ出ていると、ちょっと…と二の足を踏んでしまいそうになります。ところが行って観てびっくり!ぼやぼやした画面のいかにもルノワールらしいぼんやりした作品は一枚もなく、どれこもこれも「キリッ!」とした感じの良い作品ばかりなのです。

また、風景画、静物画、人物画いずれを観ても「青色」が大変効果的に用いられていて、晴れやかで、清々しい印象を与えます。印象派絵画が有している「幸福感」を存分に楽しめる作品ばかりです。


ピエール=オーギュスト・ルノワール《ヴェネツィア、総督宮》1881年
油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA

これは、やはりクラーク夫妻のコレクターとしての一貫した審美眼がそこに現れているのだと思います。他にもルノワール作品購入するチャンスは幾らでもあったでしょうが、お眼鏡にかなわぬ作品は手を出さなかったのでしょう。

コレクター視線で観ても楽しめる展覧会かと思います。

モネが描いた「エトルタの断崖」の中でも最も明るい作品ではないでしょうか。


クロード・モネ 《エトルタの断崖》1885年
油彩/カンヴァス
クラーク美術館所蔵
Image©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA

ぼんやりと何が描いてあるか分からぬ作品ではなく、キリッとはっきり明瞭なそして色使いも明るくビビットな作品を好んで買い求めたことがよく分かります。(モネ「レイデン付近、サッセンハイムのチューリップ畑」等)

そして、それらは日本人が大好きな大好きな最も印象派らしい作品なのです。


「光の絵画 印象派の画家たち」展示風景

世界11都市を巡回する「クラーク・コレクション展」ですが、作品の陳列方法や順序は各美術館の裁量に任されているそうです。今回の東京展(三菱一号館美術館)では、ほぼ年代順に並べてあります。

19世紀のフランス絵画の歩みを、クラーク。コレクションの作品を通じて学べます。また印象派を中心にアカデミーや前衛的な作品も何点か出ています。それらも併せ、一貫したコレクションを思う存分に楽しめるはずです。


右:ジャン=レオン・ジェローム 《蛇使い》1879年頃
左:ウィリアム=アドルフ・ブグロー 《座る裸婦》1884年

2010年4月のオープン以来10本の展覧会を開催してきた三菱一号館美術館。意外なことにフランス印象派に的を絞った展覧会は今回の「クラコレ」が初めてだそうです。

1994年に国立西洋美術館で開催された「バーンズ・コレクション展」を手掛けた高橋明也館長が、満を持して放つ「クラーク・コレクション展」。バーンズさんとはコレクションの好みは違えども、勝るとも劣らぬハイレベルな作品73点が丸の内で待っています。

混雑確実です(開催前からかなり話題になっています)。なるべくお早めに!「奇跡のクラーク・コレクション展」は5月26日までです。

東京展終了後は神戸(兵庫県立美術館)へ。その後、上海、ソウルと巡回し、マサチューセッツ州バークシャーのクラーク美術館へ戻ります。


奇跡のクラーク・コレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作

会期:2013年2月9日(土)〜2013年5月26日(日)
会場:三菱一号館美術館(東京・丸の内) http://mimt.jp/
主催:三菱一号館美術館、読売新聞社、クラーク美術館
協賛:大日本印刷
協力:日本航空
公式サイト:http://mimt.jp/clark

注:画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

フランスの幻のチョコレート「ショコラティエ・ボナ」がミュージアムショップに登場!


世界有数のカカオ産地から最高のカカオ豆を選別し、126年前から変わらぬ製法を守り続けているフランスのチョコレートブランド「ショコラティエ・ボナ」。生産数が非常に少なく、パリ市内でもなかなか手に入りづらいため「幻のチョコレート」とも呼ばれているそうです。(特定の原産地のカカオ豆のみで作られる“シングルカカオ”の商品を中心に、9種類の板チョコとアソートセット1種類を販売)

《クラークコレクションこぼれ話し》

「クラーク・コレクション展」の素晴らしい作品を収集したスターリング・クラークの弟、スティーヴン・クラークも同じくフランス印象派を中心とする絵画のコレクターだったそうです。

ただし、この兄弟は仲が悪く30年以上交流を絶ったまま共にこの世を去ってしまいました。(弟のコレクションはメトロポリタン美術館へ寄贈)そんな兄弟のコレクションを同時に展示した展覧会が2007年にメトロポリタン美術館とクラーク美術館でそれぞれ開催されました。

Impressionist and Early Modern Paintings
The Clark Brothers Collect
May 22–August 19, 2007
The Metropolitan Museum of Art


The Clark Brothers Collect: Impressionist and Early Modern Paintings (Clark Art Institute)

その当時のカタログは現在でもAmazonで購入可能です。

【三菱一号館美術館展覧会スケジュール】


浮世絵 Floating World−珠玉の斎藤コレクション−
会期:2013年6月22日(土)〜9月8日(日)

三菱一号館美術館名品選(仮)
会期:2013年10月5日(土)〜2014年1月5日(日)(仮)

「ザ・ビューティフル ― 英国の唯美主義1860-1900」展
会期:2014年1月30日(木)〜2014年5月6日(火・祝)

三菱一号館美術館(東京・丸の内) 
http://mimt.jp/

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3144

JUGEMテーマ:アート・デザイン


クラーク美術館(米国マサチューセッツ州ウィリアムズタウン)は、印象派の油彩画をはじめとする19世紀欧米の美術、工芸、写真など、幅広いコレクションを擁する美術館です。ボストンから車で約3時間。広大な森の中にあるこの美術館のコレクションについて、これまで日本ではほとんど知られていませんでした。2011年、同美術館の増築工事に伴い、世界的にもとりわけ質の高い印象派を中心とした絵画の世界巡回展が開催され、2013年2月、ついに日本に初上陸します。ルノワール22点を筆頭に、コロー、ミレー、マネ、ピサロ、モネ・・・。まるで宝石箱のような、これまで目にしたことのない奇跡のフランス絵画73点が一堂に。三菱一号館美術館で「人生を、美しく生きる幸せ」に出会える幸運にどうぞご期待ください。
展覧会 | permalink | comments(2) | trackbacks(7)

この記事に対するコメント

タクさん、こんにちは。ワクワクしてくるような企画ですね。大いに楽しみです。ところで、世界アチコチ巡回の中にジヴェルニーとありますが、あのモネの?あんなところに、展示会場があるんでしょうかね。ご存知でしたら、ご教示ください。
ぐらっぱ亭 | 2013/02/12 8:48 AM
ジヴェルニーでのクラーク展はこちらです。
bit.ly/X3QUhO

Amazonでカタログも販売されています。
Tak | 2013/02/12 9:33 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/3144
この記事に対するトラックバック
東京丸の内の三菱一号館美術館で5月28日まで、「奇跡のクラーク・コレクション ― ルノワールとフランス絵画の傑作」が開催中です。ルノワールといえば、誰が観ても明るく美しく綺麗、それは皆が知っている事でしょうが、本展に来日した絵画達は、本当にその点が際立っ
&nbsp;今日から開催された奇跡のクラーク・コレクション― ルノワールとフランス絵画の傑作展@三菱一号館美術館に行ってきました。ルノワールがポスターに使われていますが、見に行くとルノワール以外もなかなかいい感じでした。全作品73点のうち59作品が初来日
 奇跡のクラーク・コレクション 三菱一号館美術館に行ってきました。(2/11)           2013.2.9(土)〜5.26(日)              三菱一号館美術館        −ルノアールとフランス絵画の傑作ー「人生を、美しく生きる
 東京駅日本橋口近くでの仕事を切り上げて、タクシーでこの展覧会に駆けつけた。今回の展覧会のサブタイトルは「ルノワールとフランス絵画の傑作」。日本人のルノワール好きは異常なほどなので、初日に行った次第であるが、すでにチケット売り場が混雑して短い行列がで
 これは「その1」にに続く「その2」  それでは、第?章: 伝統と革新〜アカデミズムの画家たちへ。これは3F最後の章。時間がたつにつれ、だんだん観客が増えてきた。 ・ジェローム《蛇使い》: 画家得意のオリエンタリズム絵画。壁はトプカプ宮殿のものだが、
東京 chariot 丸の内の三菱一号館美術館では「奇跡のクラークコレクション―ルノワールと フランス絵画の傑作―」展が開かれています。 会期は5月26日(日)までです。 米国、マサチューセッツ州の...
 三菱一号館美術館で開催中の「奇跡のクラーク・コレクション」。その関連イベントで...