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文化審議会は長谷川等伯のお猿がお好き?!

文化庁の報道発表によると、新に3件の美術工芸品が国宝指定、50件が重要文化財指定となるそうです。
国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について(2月27日)

<彫刻の部>
(重要文化財を国宝に2件)
快慶作
「木造騎獅文殊菩薩及脇侍像」四軀
文殊菩薩像内に建仁三年十月、南無阿弥陀仏、巧匠安阿弥陀仏等の銘がある


宗教法人文殊院(奈良県桜井市大字阿部645)
安倍文殊院http://www.abemonjuin.or.jp/

建仁3年(1203)から承久2年(1220)にかけて快慶が製作した群像。中国五台山を舞台とした文殊説話を主題とする図像になる。
東大寺大仏の再興事業に関連し、俊乗坊重源の構想になる記念碑的造像であり、また運慶と並ぶ鎌倉時代の名匠、快慶の代表作の一つである。


運慶作
「木造阿弥陀如来坐像」一軀
運慶作
「木造不動明王及二童子立像」三軀
運慶作
「木造毘沙門天立像」一軀
各に五大種子、梵字宝篋印陀羅尼及文治二年五月、巧師勾当運慶、檀越平時政、執筆南無観音等の記がある


宗教法人願成就院(静岡県伊豆の国市寺家83−1)

文治2年(1186)に運慶が北条時政を施主として造った群像。その写実を踏まえた力強い作風には運慶ひいては鎌倉彫刻の進む方向が示されており、また卓抜な彫技に運慶その人の技量が存分にうかがえる点で、運慶の代表作として評価される。また鎌倉幕府関係の造像の最も重要な遺品としての意義も大きい。

国宝指定された運慶仏は、以前ご紹介したこちらの本に全てカラー写真で掲載されています。山本勉氏は「気流のように渦巻く衣文が見事」と願成就院の「木造阿弥陀如来坐像」について語っています。当時一般的でなかった「説法印」を運慶が採用したのは、「空間性の表現を狙った」との指摘を。


『運慶: リアルを超えた天才仏師』(とんぼの本)
山本勉/著 みうらじゅん/著 ヤノベケンジ/著 橋本麻里/著

とんぼの本(新潮社)特設サイト
『運慶―リアルを超えた天才仏師―』レビュー

<書跡・典籍の部>
(重要文化財を国宝に1件)
「醍醐寺文書聖教」
六万九千三百七十八点

宗教法人醍醐寺(京都府京都市伏見区醍醐伽藍町1)

醍醐寺にまとまって伝来する聖教類と文書の内容は、醍醐寺の歴史を反映して多岐にわたっている。質量ともに、我が国の寺院に伝来する聖教類、文書中屈指のものであり、宗教史上のみならず、国文学、歴史学上にも学術的価値の高いものである。

平安−明治 政情や災害記す6万9378通 醍醐寺文書聖教 国宝に
(京都新聞)

以上、3件の新たな国宝指定と共に、50件の美術工芸品が重要文化財に指定されました。中でも注目は長谷川等伯の「老松図」「猿候捉月図」(金地院蔵)です。


長谷川等伯「紙本墨画老松図

2010年に東京国立博物館と京都国立博物館で開催された「長谷川等伯展」には「老松図」のみの出品でした。

『もっと知りたい長谷川等伯』には“牧谿と永徳を等伯流に合体”させた作品との解説がなされています。

長谷川等伯筆「紙本墨画老松図」襖貼付六面
長谷川等伯筆「紙本墨画猿候捉月図」襖貼付四面

南禅寺の塔頭、金地院の書院を飾る襖絵で、画風から長谷川等伯(1539〜1610)の筆と認められ、中国南宋時代の画僧牧谿の柔らかい水墨様式を学んだ代表作。
画題・表現様式・構図など、等伯が独自様式を完成させるためにどのようなものを学んだかを伺う上で重要な作品である。


《参考画像》

長谷川等伯「枯木猿猴図」重要文化財
龍泉庵蔵

それにしても等伯が描いたお猿さんの絵が重文指定されるのこれで何件目でしょうか。文化庁文化審議会の皆さまは等伯猿がお好きなのかしら?

狩野探幽筆「紙本金地著色四季松図」、狩野孝信筆「絹本著色後陽成院像」、土佐光吉、長次郎筆「紙本金地著色源氏物語図」も今回の重文指定のリストに名前を連ねています。

長谷川等伯だけでなく、狩野派と土佐派もちゃんと入れてバランス取っているあたりが、またをかし。ですね。

ところで、伊藤若冲や白隠が国宝指定される日は一体いつになるのでしょう。。。まだまだ先かな〜

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平凡社

 文化審議会(宮田亮平会長)は27日、鎌倉時代の仏師、快慶が製作した木造騎獅文殊菩薩及脇侍像や、運慶の木造阿弥陀如来坐像など3件を国宝に指定するよう、下村博文文部科学相に答申した。
 江戸前期の狩野派の絵師、狩野探幽の紙本金地著色四季松図など美術工芸品50件の重要文化財指定も答申。答申通り指定される見通しで、重文は1万524件、うち国宝は871件となる。(時事通信社)
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