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「ミュシャ展」

森アーツセンターギャラリーで開催中の
「ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展−パリの夢 モラヴィアの祈り」に行って来ました。


「ミュシャ展」公式サイト:http://www.ntv.co.jp/mucha/

アルフォンス・ミュシャ(1860年7月24日〜1939年7月14日)の日本で最初の「ミュシャ回顧展」(「アールヌーボーの花ーミュシャ展」@伊勢丹)が開催されたのが今から35年前の1978年だそうです。

それ以降、数多くの「ミュシャ展」が開催されて来ました。またミュシャ単独展だけでなくアールヌーボーや世紀末関連の展覧会で幾度となく彼の作品を目にする機会が。

もしかして、少々食傷気味な感もあるかもしれません。しかし「あなたが知らない本当のミュシャ。」というキャッチコピーにあるように、確かに今回のミュシャ展はこれまでとは明らかに一線を画す内容となっています。


アルフォンス・ミュシャ《ムーズ川のビール》1897年
1918-1928:チェコスロヴァキア独立10周年記念》1928年
(C)Mucha Trust 2013

上の2枚の作品。どちらもミュシャの手による美しい女性像ですが、雰囲気がまるで違います。左の《ムーズ川のビール》1897年は我々が良く知るグラフィック・アーティストとしてのミュシャの卓越した仕事ぶりが伺える作品です。

それに対し、右の《1918-1928:チェコスロヴァキア独立10周年記念》1928年では、商業的な側面は消え、「スラヴ民族の歴史と運命に深い思いを抱く熱烈なナショナリスト」ととしてのミュシャのもう一つの顔が観て取れます。

見分け方は簡単です。描かれている人物の「目」が違います。

花の都パリを去り、生れ故郷チェコのプラハへ戻ってからミュシャが描いた作品には、故国を想う強い信念が一枚一枚に宿されています。


「第6章:ミュシャの祈り」展示風景

展覧会の構成は以下の通りです。

1:チェコ人 ミュシャ
2:サラ・ベルナールとの出会い
3:ミュシャ様式とアール・ヌーヴォー
4:美の探求
5:パリ万博と世紀末
6:ミュシャの祈り



「第2章:サラ・ベルナールとの出会い」展示風景

2章から5章途中までは、これまでの「ミュシャ展」でもお馴染みの作品や、パリ時代に手掛けた舞台衣裳・装置、アクセサリー、キャンディーボックス、香水、ポスターなどが惜しげもなく所狭しと展示されています。

クワガタ、亀、魚そして女性が一枚に収められている『装飾資料集』等これだけ観るとゲテモノのように思えてしまいますが、いずれもミュシャの作品の中に登場する重要なモチーフです。


アルフォンス・ミュシャ《『装飾資料集』図54》1902年

絵画ファンだけでなく、デザイナーさんにも毎回人気の高いミュシャ展。今回もまた見どころ満載です。(第3章:ミュシャ様式とアール・ヌーヴォー)

ミュシャの挿絵やイラストが、明治時代の文学雑誌『明星』において、挿絵を担当した藤島武二により盛んに模倣された。」(Wikiより)


「第3章:ミュシャ様式とアール・ヌーヴォー」展示風景

さて、今回の「ミュシャ展」の大きな見どころのひとつに、彼が描いた油彩画が30点も公開されていることがあげられます。

ポスターやリトグラフはしばしば目にする機会がありまあすが、油彩画となると中々そう簡単にはお目にかかれません。


アルフォンス・ミュシャ「裸婦」1903年
薔薇色の布をまとった裸婦」1903年

この作品をキャプション無しに見せられて、作家がミュシャであることを言い当てる自信は全くありません。

それにしても上手く描かれているのに驚かされます。裸婦の身体のラインや肌の明暗、そして皺の入った布の丁寧な描写等ルネサンス期のレオナルドの素描を思い起こさせる見事な技量を見て取れます。

因みに、1800年代後半からミュシャは写真を制作に用いていたことも、ここでは明らかにされています。(ミュシャが撮った写真も展示されています。)


「第6章:ミュシャの祈り」展示風景

そして何と言っても最大の見どころは第6章です。

パリでの成功、名声に甘んじることなく、祖国チェコ復興の為に死力を尽くすミュシャの姿が垣間見られます。今回の展覧会の副題「パリの夢 モラヴィアの祈り」は実に上手く付けたものだと感心します。

ミュシャが故国の為に描いた超大作「スラヴ叙事詩」は勿論来ることはありませんが、その下図やデッサン等が展示されています。一枚一枚から祖国愛が伝わってきます。


「第6章:ミュシャの祈り」展示風景

パリ時代とは違い、祖国の民族衣装に身を包んだ女性像を描いたミュシャ。チェコの民族衣装も数点作品と並べて展示されています。
刺繍の施されたリボンが垂れ下った帽子、風船のように膨らむふわふわの襞のあるブラウス、レースを多用したスカートなど、モラヴィア地方の民族衣装はその華やかさで世界的に有名である。民族衣装は「国家の魂」であるという信念を持っていたミュシャは、早くからこうしたモラヴィアの民族衣装をコレクションし、それを作品の中にしばしば登場させた。
「スラヴ叙事詩」の他にも、プラハ市民会館の壁画の習作、ステンドグラス、ミュシャ最後のプロジェクトである三部作 (未完)、《理性の時代》《叡智の時代》《愛の時代》などが展示されています。

冒頭で紹介した遥か彼方を見つめるような強い眼差しの女性たちが登場する祖国愛をテーマにした油彩やポスターは必見です!

第6章は音声ガイドの「音楽」だけを聴きながら是非!


アルフォンス・ミュシャ《四季》1896年

華やかなパリ時代から。故国の為に命を奉げ1939年に78歳でこの世を去るまでに描いた実に多彩な作品約240点から成る正真正銘の「ミュシャ展」です。

この展覧会観ないと「ミュシャマニア」ではありません!この展覧会で世界初公開となるミュシャ作品も2点あります!!→https://twitter.com/taktwi/status/310713904022036480

「ミュシャ展」@森アーツセンターは5月19日までです。混雑必至!お早めに〜


ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展−パリの夢 モラヴィアの祈り

会期:2013年3月9日(土)〜5月19日(日) 
※休館日:4月25日(木)
場所:森アーツセンターギャラリー
http://www.roppongihills.com/art/macg/
開館時間:10:00〜20:00
※火曜日は17:00まで 
※3/23(土)は、「六本木アートナイト2013」開催に伴い22:00まで。
※入場は閉館30分前まで
主催:ミュシャ財団、日本テレビ放送網、森アーツセンター
後援:チェコ共和国大使館
特別協賛:木下工務店
協賛:大日本印刷、日本興亜損保
協力:全日本空輸、KLMオランダ航空、日本通運、JR東日本、BS日テレ、シーエス日本、ラジオ日本、J-WAVE、InterFM、文化放送、テレビ神奈川
企画協力:NTVヨーロッパ

「ミュシャ展」公式サイト:http://www.ntv.co.jp/mucha/


PansonWorks(パンソンワークス)「ミュシャ展」限定コラボグッズ

《巡回先》
新潟県立万代島美術館
2013年6月1日(土)〜 8月11日(日)
愛媛県美術館
2013年10月26日(土)〜 2014年1月5日(日)
宮城県美術館
2014年1月18日(土)〜 3月23日(日)
北海道立近代美術館
2014年4月5日(土)〜 6月15日(日)

そうそう、こんなものも展示されています!


「チェコスロヴァキア・フリーメイソンの入団証書」
「フリーメイソンのゴブレット」(ミュシャによるデザイン)
ミュシャにはまたアール・ヌーヴォー風の彼の作品からは想像しにくい世紀末の象徴主義、これとも関係の深い神秘的、オカルト的なものへの関心、パリとプラハのフリーメイソンのメンバーとしての顔など、いくつかの「知られざるミュシャ」も存在します。
注:展示会場の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

Twitterやってます。
@taktwi

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3171

JUGEMテーマ:アート・デザイン


19世紀末を代表する画家、ミュシャの日本初公開作品を含む珠玉の作品およそ240点が森アーツセンターギャラリーに集結します。日本で最初のミュシャ回顧展が1978年に開催されて以来、数多く開催されているミュシャ展。日本テレビとミュシャ財団共同企画の第2弾となる本展では、作品の美しさに焦点を当て、年代順に構成する従来のスタイルではなく、支柱となる6つのテーマを通して、芸術家ミュシャが生涯変わらず持ち続けたチェコ人としてのアイデンティティーや祖国愛、ミュシャの芸術家としての業績や思想、作品の背景に光をあてます。人間およびアーティストとしてのミュシャの全体像をご覧いただけるこの貴重な展覧会をどうぞお見逃しなく。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんにちは。
私も六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーでミシャ展を見てきました。
いつもながら本質に迫った詳しいご説明を、ミシャ展に出品されていたたくさんの作品を思い出しながら、
ブログを読ませていただきました。
『ジスモンダ』、は非常に繊細な表現の斬新な作品だと思いました。
ほかにもたくさん魅力的な作品がありましたが、油彩画では、
『ヤロスラヴァ』にミシャのチェコ人としての誇りを感じて心に残りました。

私も今回展示されていたミシャ展の作品を見て、ミシャの作品の魅力を私なりにまとめてみました。
ぜひ読んでいただき、ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけるとうれしいです。
トラックバックも大歓迎です。
dezire | 2013/04/24 10:47 AM
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