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「ルーベンス展」

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の
「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」展に行って来ました。


「ルーベンス展」公式サイト
TBS「ルーベンス展」サイト

17世紀、バロック期のフランドル黄金時代の画家ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens、1577年6月28日 - 1640年5月30日)

ネーデルランド(現在のベルギーとオランダに該当する地域)のうち、北のオランダ連邦共和国は、1648年にスペインからの独立を果たし、オランダに黄金時代が到来。レンブラントやフェルメールが美術史に登場して来ます。

レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン(1606年7月15日 - 1669年10月4日)、ヨハネス・フェルメール(1632年10月31日? - 1675年12月15日?)

一方、現在のベルギーにあたる南ネーデルランド(フランドル)はスペインの支配下に残ることに。ルーベンスが居を構えたのは南ネーデルランドのアントワープでした。


「ルーベンス展」展示風景

同じ頃、宗主国であるスペインでは、エル・グレコ(1541年 - 1614年4月7日)やベラスケス(1599年6月6日- 1660年8月6日)、ムリーリョ(1617年12月31日 - 1682年4月3日)らが、豪壮かつ優美なバロック美術が強大な王権を背景とし花開いていていました。

ルーベンスが生きた時代は政治的にも大きな変革期を迎えんとする時代だったのです。

そして、ルーベンスが優秀な外交官(大事な収入源である工房を約2年間閉鎖してまで、故郷の和平交渉に奔走)であり、語学堪能な人(ネーデルランド語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語など)だった理由もこうした当時の自国を取り巻く状況が大きく関係しているのです。


ペーテル・パウル・ルーベンス《ロムルスとレムスの発見》について熱く語る、監修者の中村俊春氏(京都大学大学院文学研究科教授)

日本では数少ない、ルーベンスの専門家であり、ルーベンス研究の第一人者でもある中村俊春氏は、今回の展覧会の見どころとして以下の重要なポイントをあげています。

マントヴァの宮廷画家として8年近くイタリアに滞在したルーベンスは、アントワープに帰郷後、大工房を構えて、ヨーロッパ各国の宮廷のために作品を制作しました。この国際的名声を確立した画家のイタリア美術との関係、および彼の工房での制作方法について、今回の展覧会で見ることのできる。


「ルーベンス展」展示風景

展覧会の構成もそれに沿ったものとなっています。

1:イタリア美術からの着想
2:ルーベンスとアントワープ工房
3:専門画家たちとの共同作業
4:工房の画家たち
5:ルーベンスと版画制作


意外に思われるかもしれませんが、日本で「ルーベンス展」が開催されるのは今回が初めてだそうです。

確かに、ルーベンス作品を展覧会で数点目にすることはあっても、体系的に時系列的に、また工房画家(弟子)や専門画家との共同作業にまで丁寧に光を当てた展覧会は今までありませんでした。

「ルーベンス」という大画家の名前は、それこそ「フランダースの犬」を観た幼い頃から知っていても、彼が何故に17世紀バロック美術を代表する画家なのかは具体的には知らなかったと気付かされます。


ペーテル・パウル・ルーベンス 《毛皮をまとった婦人像》(ティツィアーノ作品の模写)
1629-1630年頃、油彩・カンヴァス、91.8×68.3cm ブリズベン、クィーンズランド美術館

スペイン国王フェリペ4世に派遣されたロンドンで目にした、ティツィアーノの婦人像(現在はウィーン美術史美術館蔵)を模写した作品。

ルーベンスが、62歳でこの世を去る約10年前に描いたにも関わらず、ティツィアーノの作品により「色気」を加え妖艶な美しさをたたえる婦人像に仕立てているのが見どころです。(会場内にあるパネルで比べてみて下さい!)

因みに、翌年1930年にアントワープにもどったルーベンスは60歳で、うら若き女性エレーヌと再婚しています。後世に名を残す大画家たるやこれくらいの活力がないとやって行けないのでしょう。

ルーベンス作品から伝わってくる、みなぎるエネルギーの正体がやっと分かった気がします。

「ルーベンス展」は4月21日までです。是非!


ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア
Rubens: Inspired by Italy and Established in Antwerp

会期:2013年3月9日(土)〜4月21日(日)
開催期間中無休
開館時間:
10:00−19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/

主催:Bunkamura、毎日新聞社、TBS
後援:外務省、イタリア大使館、オーストラリア大使館、ベルギー大使館、ベルギー・フランダース政府観光局、フランダースセンター
協賛:損保ジャパン、第一生命保険、大日本印刷、三菱商事
協力:アリタリア-イタリア航空、エールフランス航空/KLMオランダ航空
監修:中村俊春(京都大学大学院文学研究科教授)

「ルーベンス展」公式サイト
TBS「ルーベンス展」サイト

Bunkamuraザ・ミュージアムにて、3月13日に、宮澤政男(Bunkamuraザ・ミュージアム チーフキュレーターと小林悠(TBSアナウンサー)を招き開催した、ルーベンス展『ブロガー・スペシャルナイト』


ルーベンスのここがすごい!!TBS小林悠アナが宮澤学芸員に直撃取材

こちらの記事にトラックバック送って頂いた参加者の皆さんのまとめ記事がいずれも秀逸です。当日ご参加出来なかった方、是非ご覧下さい。展覧会の魅力がぎっしり詰まっています。


盲導犬の育成普及活動を支援している「パトラッシュ募金」が出口に設置されています。
パトラッシュ基金公式サイト - 日本アニメーション

【Bunkamuraザ・ミュージアム次回展】

現代スペイン・リアリズムの巨匠「アントニオ・ロペス展」
2013/4/27(土)−6/16(日)
会期中無休

今日のスペイン美術を代表する作家アントニオ・ロペス(1936〜)は、その卓越した技術と観察力によってリアリズムを追求しながら独自の世界を描き出しています。また、マルメロを描く作家自身の姿を撮った映画『マルメロの陽光』(監督:ビクトル・エリセ)は、日本でも公開され話題を呼びました。ロペスは10年を経てもなお絵筆を入れるほど、制作期間の長い作家であり、そのため寡作家として知られています。
本展では、ロペスの日本初の個展として、初期の美術学校時代から近年までに手がけた油彩、素描、彫刻の各ジャンルの代表作を厳選して紹介します。


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@taktwi

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17世紀バロック時代のヨーロッパに名声をとどろかせた画家ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)。8年間のイタリア滞在を終えてアントワープに帰郷したルーベンスは、大規模な工房を組織して、数々の傑作を生み出しました。本展では、彼のイタリア時代の作品を紹介するとともに、アントワープ工房の活動に焦点を当てて、彼自身の手になる卓越した作品を軸に、工房作品、専門画家たちとの共同制作作品、彼が直接指導して制作させた版画を展示します。また、彼の工房で活動した画家たちの、独立した画家としての作品を紹介し、アントワープ画派の豊かな芸術的展開を探ります。
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