弐代目・青い日記帳 

  
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『日本美術図解事典』
想像ですが、一般の書店で美術書の売上は1%もないように思えます。都内の大型書店でも売り場面積はほんの僅かしかありません。

そんな美術書の中で隠れたベストセラーとなっている一冊があります。それが今日ご紹介する『日本美術図解事典』(普及版)です。


日本美術図解事典』―絵画・書・彫刻・陶磁・漆工
守屋正彦, 田中義恭, 伊藤嘉章, 加藤 寛 (監修)

2004年に刊行された『日本美術図解事典』(8400円)の普及版。価格も半額以下になり、お求めやすくなったのも売れ行き好評の理由なのでしょう。

しかし、単にそれだけではありません。本も人も「中身」が勝負です。いくら安くなっても内容がぐだぐだなら誰にも見向きされません。

日本美術図解事典が、売れているにはちゃん理由があります。

これ一冊で日本美術を鑑賞する際の知識が全て揃う」何と言ってもこれが最大の魅力でしょう。

絵画・書、彫刻、陶磁、漆工と日本美術をジャンル毎に、紹介し「作品の種類や形状、構造、部分名称、技法などについて、“目でみてわかる”ように図解した画期的な」一冊となっています。


巻子、掛幅、折本、冊子、襖絵、屏風絵のそれぞれの名称、呼び名を緻密な図版で紹介。

各名称にはフリガナが添えられているのも嬉しい点です。カラーページは一切ないシンプルな作りがとても潔く、また事典として大変見やすくなっています。

精細なイラスト1440点、写真185点収録。改訂され新たに描きおこしたイラストも多数収録されています。美術館・博物館で目にしても、意外と部分部分の名称は分からないものです。

日本美術図解事典一冊あれば、知りたい部分名称も一目で分かります。使い勝手の良さは抜群です。


各部の名称だけでなく、技法や実際の制作手順もイラストで丁寧に解説されています。こうしたことが分かると、今までの何倍も深く作品観賞出来るようになるはずです。そして「見方」も変わって来ます。

《目次》
第1章 絵画・書
〈日本絵画の流れ〉
【仏教絵画】、【絵巻物】、【水墨画】、【障屏画】、【琳派】、【文人画】、【円山四条派】、【浮世絵】
〈日本画の素材〉
〈書〉
日本の書の流れ/書道の道具/おもな書の種類/おもな古筆の種類

第2章 彫刻
〈日本彫刻の流れ〉
【各時代の彫刻】、【仏像の形】、【如来】、【菩薩】、【明王】、【天】、【羅漢ほか】

〈仏像の付属品〉
おもな持物/おもな台座/おもな光背―仏像の荘厳


仏像の種類、各部の名称もこの本が最も詳しいのではないでしょうか。

第3章 陶磁
〈日本の陶磁の流れ〉
【陶磁の基礎知識】、【陶磁の茶道具】、【江戸時代の陶磁】、【日本のおもな陶磁】

第4章 漆工
〈日本の漆工の流れ〉
【漆工の基礎知識】、【漆塗りの鑑賞と技法】、【実用漆器】

第5章 名称編
【装束・装身具】、【文様】、【楽器】、【舞台】、【灯火器】、【茶道具】、【仏具】、【石造物】、【武具・馬具】

第6章 資料編
文化財の体系/方位と時刻/干支順位表/月の異名/二十四節気/歴史上の度量衡/神社の祭神/記紀(古事記・日本書紀)/神話の略系図/仏教の流れ/おもな仏教の宗派/禅宗法系略系図/旧国名地図/日本のおもな神社/日本のおもな古寺/日本のおもな城郭/日本のおもな庭園/日本のおもな伝統工芸品/時代区分/西暦・年号対照表/日本美術史年表/主要美術館・博物館一覧


薄茶器の形状、釜の口造り、釜の蓋、釜の形状…次のページには見開きで花入れの形状がずらりと羅列されています。茶道具の紹介だけでもかなりのページ数割いています。

ちょっと異常なまでの徹底ぶりです。これだけ細かな違いの形や名称が掲載されている本(ネットも含め)どこにもありません。売上げ好調なのも納得です。

美術館・博物館の学芸員さんにも好評のようです。

以前、ご紹介した小学館『日本美術のことば案内』とこの本があれば、日本美術を観賞する上での知識は完璧です!


日本美術図解事典』―絵画・書・彫刻・陶磁・漆工
守屋正彦, 田中義恭, 伊藤嘉章, 加藤 寛 (監修)

美術の「ことば」全般について、イラスト・ふりがな付きで解説。
鑑賞、制作、鑑定、修復などに必携の実用事典。

精密な図版で日本美術の全ジャンルを網羅した、「目で見る」日本美術事典。美術品の見方から、意外と調べにくい部分名称、細かい種類の違いまで、見やすい図解・図表と簡潔な説明でわかる決定版。


一家に一冊。常に手が届くところに置いておきたい良書です。『日本美術図解事典』

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