青い日記帳 

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「Paris、パリ、巴里」

ブリヂストン美術館で開催中の
「Paris、パリ、巴里 ─ 日本人が描く 1900–1945」展に行って来ました。


http://www.bridgestone-museum.gr.jp/

石炭をば早や積み果てつ。中等室の卓のほとりはいと靜にて、熾熱燈《しねつとう》の光の晴れがましきも徒なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ來る骨牌《かるた》仲間も「ホテル」に宿りて、舟に殘れるは余一人のみなれば。

1884年に森鴎外がヨーロッパ(ベルリン)へ赴いた際の経験をもとに執筆された『舞姫』の有名な冒頭部分。現在でこそヨーロッパまで飛行機で十数時間で到着しますが、明治時代は船で約50日を要していました。

我々の欧州に抱く「距離感」とはまるで違う、まさに遥か彼方の異国の地であったわけです。


「Paris、パリ、巴里」展展示風景

今回のテーマ展に出品されている19名の日本人画家たちは、“豊太郎”と同じように、ひと月以上船に揺られ芸術の都パリを目指しました。

そして目にするもの、耳にするもの何もかもが珍しい彼の地で、絵筆を握り必至で描いた35点の作品が紹介されています。

明治期の所謂、洋画はともすれば、西洋絵画の単なる模倣、真似っ子だと一蹴されてしまうきらいがありますが、その考えは果たして如何なものなのでしょう。

それは、現在のものの見方、尺度でしか捉えることしか出来ない、想像力の欠片も感じさせない浅薄な考えだと言わざるを得ません。(自戒の念を込めて)


「Paris、パリ、巴里」展展示風景

展覧会の構成は以下の通りです。

第犠蓮.僖衙博から第一次大戦まで 1900-1914
第蕎蓮_金の1920年代と両大戦間期 1918-1945


今回の展示の為に貝塚健学芸員が書き下ろした、各作品の解説を読めば、これまでの洋画とはまるで違った見方が可能になります。それにほんの少しの想像力を加えてあげるだけで。

ブリヂストン美術館と石橋美術館のコレクションを軸に、他館からも作品を借りてのしっかりとした良質な内容のテーマ展示です。

更に、「Paris、パリ、巴里」展の図録も素晴らしい出来栄えです。来歴、主な展覧会歴、主な文献そして書き下ろしのテキストが、ひと作品毎に掲載されています!
参照→ブリヂストン美術館:美術館ブログ


佐伯祐三「レストラン(アテル・デゥ・マルシェ)」1927年
大阪市立近代美術館建設準備室蔵
佐伯祐三「テラスの広告」1927年
石橋財団ブリヂストン美術館蔵

パリ14区モンパルナスのポール・ロワイヤル大通り付近にあった同じカフェを描いた作品が2点並べて展示されています。佐伯はこの他にも数点このカフェを描いているそうです。

同じカフェのほぼ同じ場所を描いているにも関わらず、並べ比べてみると構図や奥行きの有無などの違いに気が付きます。佐伯はそれぞれ「何」を描きたかったのでしょう。

画中に描かれているポスターの中には1917年に上演された「パレエ・リュス」(ジャン・コクトー脚本、パブロ・ピカソ舞台装置、エリック・サティ音楽)もあるそうです。

カフェと言えば、ブリヂストン美術館のティールーム ジョルジェット(Tearoom Georgette)!虎ノ門にある名店「赤トンボ」から毎日運んでくる数量限定のサンドイッチもう召しあがりました?!

著作権の関係で画像掲載出来ませんが、藤田嗣治の「カルポーの公園」1940年は必見です。

一見藤田の作品とは思えない、厚塗りの画面です。石橋美術館所蔵ですが、これまで一度しか展覧会に出されていない秘蔵のコレクションです。是非ご覧になって感想聞かせて下さい。



ブリヂストン美術館ご自慢のコレクション展示も同時開催されています。
あの名品に逢えます!

今から約100年前の日本人が憧れた「Paris、パリ、巴里」。時に涙しつつ、自分を鼓舞し、絵筆を握りしめ描いた魂の籠められた作品たちに逢いに行きましょう。僅か東京駅から徒歩数分です。

「Paris、パリ、巴里」展は6月9日までです。


テーマ展「Paris、パリ、巴里 ─ 日本人が描く 1900–1945

会期:2013年3月23日(土)〜2013年6月9日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、4月21日(日)
開館時間:10:00〜18:00(毎週金曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
会場:ブリヂストン美術館
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/
主催:公益財団法人 石橋財団 ブリヂストン美術館

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

【これからの展覧会】

色を見る、色を楽しむ。—ルドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…
2013年6月22日(土)〜2013年9月18日(水)

ギュスターヴ・カイユボット展 (仮称)
2013年10月10日(木)-2013年12月29日(日)

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@taktwi

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3207

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明治維新以降、西洋文化を学んでそれを乗り越えることが、日本のひとつの目標となりました。日本人洋画家にとって、芸術の都パリは、19世紀末から聖地となります。いつか訪れてその空気を吸い、泰西名画や最新の美術に直に触れてみたい、と強く憧れる対象となりました。1900年以降、パリを訪れる洋画家たちが増えていきました。聖地パリで、あるものは衝撃を受け、あるものは西洋美術を必死に学びとろうとし、またあるものは、西洋文化の真っ只中で日本人のアイデンティティーを確立しようと試みます。ブリヂストン美術館と石橋美術館のコレクションから、浅井忠、坂本繁二郎、藤田嗣治、佐伯祐三、岡鹿之助たちがパリで描いた作品約35点を選び出し、さらに他館から約5点の関連作品を加えて、日本人洋画家にとってのパリの意味を考えてみます。20世紀前半の、生き生きとした異文化交流のありさまをお楽しみください。
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&nbsp;ブリヂストン美術館で今日から始まったParis、パリ、巴里&#8197;─&#8197;日本人が描く 1900&#8211;1945を見てきました。佐伯祐三《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》、テラスの広告、藤田嗣治《猫のいる静物》、小出楢重《パリ・ソンムラ