青い日記帳 

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吉岡徳仁さんが操る「蜘蛛の糸」

翡翠のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下しなさいました。
芥川龍之介『蜘蛛の糸』青空文庫より引用)



所変わって、21世紀の日本では、御釈迦様の代わりに吉岡徳仁さんが「蜘蛛の糸」を巧みに操ります。カンダタ(犍陀多)ではなく、私たちの為に。

現在、東京都現代美術館で大好評開催中の「吉岡徳仁−クリスタライズ(TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize)」展にて初披露された新作「蜘蛛の糸



吉岡徳仁さんの新作「蜘蛛の糸」はたった7本の糸から生み出された椅子です。そう言われ「なるほど〜」と容易に理解出来ませんよね。

正確には7本の糸と結晶が作り出す椅子です。



7本の糸から生み出された椅子。芥川龍之介の小説で釈迦は、ただ一度、蜘蛛の命を守る善行を成した悪人に、天上から蜘蛛の糸を垂らす。蜘蛛の糸は、わずかな望みの象徴であり、はかなさの象徴でもある。





2008年《ビーナスー自然結晶の椅子》では、作品の結晶生成に繊維のかたまりを用いてきたが、《蜘蛛の糸》は、自然結晶の構造を応用し、自然から生み出される形により近づける試みが行われている。





フレーム内に留められたわずか7本の糸はまるで蜘蛛の巣のように張られ、三次元の線画として椅子のフォルムを中空に描き出す。





この構造に結晶を育てることで、7本の極細の糸は結晶構造となり椅子形に固定される。形の質量を極限までそぎ落とし、自然に倣い、自然の力で造形した、椅子の彫刻が現れる。





自然のエネルギーを結晶化するプロセスでかたちづくられた椅子「蜘蛛の糸」は、多くの研究と実験を重ね、制作されたそうです。

今回の展覧会では、たった7本の極細の糸が、椅子となって姿をあらわすまでのプロセスをふくめ、3作品が展示されています。

会場全体を「作品」としてしまった、「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」@東京都現代美術館。混雑する前に、この極上の空間に身を浸し、心を清めましょう。

そう「御釈迦様の蜘蛛の糸」に頼らず済むように。

吉岡徳仁−クリスタライズ」レビュー


吉岡徳仁−クリスタライズ
TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize


会期:2013年10月3日[木]―2014年1月19日[日]
休館日:月曜・ただし10月14日、11月4日、12月23日、1月13日は開館、10月15日、11月5日、12月24日、12月28日―1月1日、1月14日は休館
会場: 東京都現代美術館(企画展示室B2F・アトリウム、1F・B室、ホワイエ他)
http://www.mot-art-museum.jp/
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館/日本経済新聞社
企画協力:株式会社吉岡徳仁デザイン事務所
協賛:株式会社日立システムズ/株式会社三宅デザイン事務所/株式会社イッセイミヤケ/参天製薬株式会社/トーヨーキッチン&リビング株式会社/セイコーネクステージ株式会社/株式会社YAMAGIWA ほか
協力:マックスレイ株式会社/ヤマハ株式会社/株式会社ヤマハミュージックジャパン/旭硝子株式会社/スパイバー株式会社/東リ株式会社/日本電気硝子株式会社/株式会社アマナサルト/日プラ株式会社/西武・そごう/NECディスプレイソリューションズ株式会社/パイフォトニクス株式会社/株式会社エス・シー・アライアンス メディアエンターテイメント社/三菱化工機株式会社/KDDI株式会社/朝日酒造株式会社 ほか


吉岡徳仁
http://www.tokujin.com/
アーティスト

【吉岡徳仁氏関連エントリ】
「吉岡徳仁展」東京都現代美術館で開催!
吉岡徳仁「SPARKLE」「PRISM mirror」「Element」@ミラノサローネ2013
吉岡徳仁「MIRAGE」@2013年ミラノサローネ
吉岡徳仁@ミラノサローネ
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吉岡徳仁×132 5. ISSEY MIYAKE
「SO+ZO展」
吉岡徳仁デザイン携帯「X−RAY」
「香水瓶の世界」
吉岡徳仁「Snow」
「ネイチャー・センス展」
「Story of …」カルティエ クリエイション


吉岡徳仁「蜘蛛の糸」(部分)

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JUGEMテーマ:アート・デザイン


吉岡徳仁(1967年生まれ) は、アート、デザイン、建築など幅広い領域において自由な着想と実験的な創作から生まれる作品により、世界に最も影響を与える創り手の一人として、国内外で高く評価されています。

本展は、大規模なインスタレーションをはじめ日本での初公開作品・新作を含むその作品世界を、初めて包括的に概観できる機会であり、常にアートの新しい手法を研究し、大胆な発想と革新的な表現によって世界に驚きを与えてきた、吉岡徳仁の過去最大規模の個展となります。

この展覧会の新作として、音楽を聴かせながら結晶化させた絵画「Swan Lake」、結晶化した薔薇の彫刻「Rose」、7つの糸から生み出される椅子「蜘蛛の糸」などを発表し、クリスタルプリズムでつくられた建築「虹の教会」やインスタレーションを含む代表作、国内初公開作品などを展示します。

本展は、「―自然から生み出される。」という言葉に込められた、吉岡の考える人間と自然の関係性とは何か、それが彼によって「Crystallize(=形を与え、結実させる)」する光景を共有し、次なる創造について考えるための貴重な契機となるでしょう。
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