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「山口晃展 画業ほぼ総覧−お絵かきから現在まで」
群馬県立館林美術館で開催中の
「山口晃展 画業ほぼ総覧−お絵かきから現在まで」に行って来ました。


山口晃展 画業ほぼ総覧−お絵描きから現在まで
館林美術館 http://www.gmat.pref.gunma.jp/

1969年東京、広尾に生まれ、幼少期からから高校卒業まで群馬県桐生市で過ごした山口晃さんの大回顧展が、桐生市から車で約1時間の距離にある館林市で開催されています。 故郷群馬県では初めての展覧会です。

昨年(2012年)から今年にかけ、京都、横浜、新潟で開催された「山口晃展 老若男女ご覧あれ」も多くのファンを魅了しましたが、今回館林美術館での「山口晃展 画業ほぼ総覧」はそのタイトルに違わず、これまでのどんな「山口晃展」よりも充実した内容となっています。

正直これを観ずして山口晃ファンは語れません。都心から1時間半を要する美術館ですが、観に行かれる価値は十分過ぎるほどあります。巡回はしません(これだけの個人蔵の作品を集める展覧会そうそう開けません)ので、今から2014年1月13日までの間、万障繰り合わせ観に行く時間捻出しましょう。


20年ぶりの公開となる、「自画像」 1994年 東京藝術大学蔵 や藝大時代に描いた1990年初期の作品がまず出迎えます。

今、我々が知るところの「山口晃」の萌芽をそれぞれの作品中に垣間見ることが出来ます。さらに展示室中盤には何と3歳の頃の「お絵描き」から、自身の群馬県立桐生高等学校昭和62年度卒業アルバム(表紙絵を担当)まで展示してあるセクションもあります。故郷ならではの貴重な出展作品です。

今回の展覧会は、クロニクル(回顧展)的な縦軸と、作品・作風を主とする横軸で織り成す見事な展示構成となっています。担当学芸員さんと山口晃さんがやり取りし、試行錯誤し作りあげただけあって、単に作品を並べただけの展示では全くないどころか、会場全体がひとつの大きな物語となっています。

展示構成は以下の通りです。

山愚痴屋諦堂誕生
見のおきどころ
ものがたる絵画
山口晃と桐生
ひろがる山愚痴屋的世界
山愚痴屋澱エンナーレ
眺望絶佳
百人百態


因みに、作品リストは制作年代順にまとめられているので、これも貴重な資料になります。


山口晃《深山寺参詣圖》1994年 仙庄館蔵   
撮影:宮島径
©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery

宮城県鳴子温泉の旅館「仙庄館」のロビー飾られている、山口さんが藝大時代に描いた作品「深山寺参詣圖」。これまで一度も展覧会に貸し出されることはありませんでしたが、満を持しての登場です。

山口さんが「山愚痴屋諦堂(やまぐちやあきらめどう)」と名乗る前に描かれた貴重な作品。これ一枚でも観に行く価値十分あります。結構大きな作品です。

そして地元ならではの「作品」も見逃せません!


こどもの頃の「お絵描き」

絵が子供の頃から美味く、細部まで細かく気が済むまで描くスタイルなどに、現在の山口晃さんの才能の片鱗が観られますが、最も驚いたのはそれぞれの「お絵描き」にコメントが添えられていることです。

3歳何ヶ月の頃といったことから、「人が見えはじめた」といった作品に見られる変化まで簡潔に書かれてます。勿論、子供であった山口さんが書いたわけではなく、ご両親が成長の記録として書き込まれたもの。

生まれながらにしての天才はいないと聞きます。山口さんもこうしたご両親の労を厭わぬ助力があったからこそ、大成なさったのだと深く感動しました。


両洋な目―階段参詣圖」2001年 個人蔵

タイトルは「両洋の眼(目)」をもじって付けたもの。左は日本画風に、右は西洋画風に同じ景色を描いた2点組みの作品です。それぞれ別の所蔵者の元へ渡っていたので、約10年ぶりの再会となります。

日本画(大和絵)を敢えて西洋の遠近法を用いた作風にしてみたり、ブリューゲルの作品をフラットにし、金雲を配してみたりする実験的な作品も横に展示してありました。

高校三年生のころに読んだエッセイに、中村光夫の『移動の時代』というものがありました。それは、文化の内発性というようなことを言って、近代化に疑問を呈している内容でしたけれども、それにあてられまして、ああいう西洋追従の近代化はいかがなものかと思うようになりました。」東京藝術大学広報誌『藝大通信』26号「卒業生に聞く。第5回 山口晃」より。

因みにこの中村光夫の『移動の時代』が掲載されている当時の教科書も「山口晃と桐生」のセクションに展示されています。


「山口晃展」会場風景

桐生市内のギャラリーで1995年に初めて開催された個展で買い上げられた20点の作品のうち、現在でも所在が確かな8点(未来を見据えて「山口晃展」」から、三浦しをん著『風が強く吹いている』表紙原画、槇原敬之「LIFE IN DOWNTOWN」CDジャケット&歌詞カード原画、WORLD ORDER 「2012 [DVD]」メインジャケット原画&歌詞カード原画等々、様々なジャンルとコラボした作品たちも並びます。


山口晃さんもお気に入りの、WORLD ORDER「2012」のジャケット原画のクオリティーの高いこと高いこと!びっくりしました。

山口晃さんの作品は個人の方が所蔵されているものが多く、中々こうして一堂に会する機会はありません。所蔵者に無理を承知でお願いし何とかOKしてもらった作品もあるそうです。

「山口晃展 画業ほぼ総覧−お絵描きから現在まで」は2014年1月13日までです。大袈裟でなく、これを逃すと観られない作品も多数展示されています。正真正銘の「山口晃展」へ是非!是非!!


山口晃展 画業ほぼ総覧−お絵描きから現在まで

会期:2013年10月12日(土)〜2014年1月13日(月・祝)
開館時間:午前9時30分〜午後5時(入場は4時30分)
休館日:毎月曜日休館(祝休日の場合は開館し翌日休館)、10月28日(月)は開館、12月29日〜1月3日は休館
会場:群馬県立館林美術館 展示室2、3、4
http://www.gmat.pref.gunma.jp/
〒374-0076 群馬県館林市日向町2003
TEL:0276-72-8188  FAX:0276-72-8338
*群馬県民の日(10月28日)は無料
主催:群馬県立館林美術館
助成:芸術文化振興基金
協力:ミヅマアートギャラリー

注:会場内の写真は主催者の許可を得て撮影したものです。
(カメラを忘れたのでiPhoneで…)


【山口晃プロフィール】
1969年東京生まれ。群馬県桐生市に育つ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。2007年上野の森美術館「アートで候。会田誠 山口晃展」、2008年アサヒビール大山崎山荘美術館で「さて、大山崎−山口晃展」開催。同年秋から五木寛之による新聞小説『親鸞』の挿絵を担当。2012年メゾンエルメス(銀座)で「望郷/山口晃−TOKIORE(I)MIX」開催。同年11月平等院養林庵書院に襖絵を奉納。同月より「山口晃展 老若男女ご覧あれ」を、美術館「えき」KYOTO、そごう美術館、新潟市美術館で開催。

【関連事業】
◎山口晃 トークショー+サイン会
日時:11月10日(日)午後2時〜午後3時30分  
会場:講堂
定員:130名(先着順、10月16日より開館時間に電話受付)
*トークショー終了後にサイン会を行います。
[要申込・参加無料]  

◎記念対談「山口晃と桐生(きりゅう)」  
山口晃氏(画家)× <聞き手>蓑昭子氏(桐生タイムス社記者)
日時:12月8日(日)午後2時〜午後3時30分
会場:講堂
定員:130名(先着順、11月6日より開館時間に電話受付)
*終了後、山口晃氏のサイン会を行います。
[要申込・参加無料]

  
◎山口晃 特別講義<高校連携事業>
群馬県立西邑楽高等学校芸術科美術コースの生徒を対象とした特別講義に、一般聴講者
として参加できます。
日時:2014年1月10日(金)1時30分〜午後3時
会場:講堂
定員:40名(先着順、12月4日より開館時間に電話受付)


山口晃《倉敷金刀比羅圖》 2005年 大原美術館蔵
まさかの露出展示!!

・学芸員による作品解説会
10月24日(木)、11月16日(土)、12月11日(水)、12月26日(木)
各日午後2時から約30分 [申込不要・要観覧券]

・子どもギャラリートークスペシャル「親子で楽しむ<山口晃展>」
10月27日(日)、11月23日(土・祝)、12月22日(日)、1月11日(土)
各日午後2時から約30分
小中学生対象 [申込不要・保護者の方のみ要観覧券]

*各事業についての詳細は、HPをご覧頂くか直接美術館へお問い合わせください。

【お問合せ先】群馬県立館林美術館
〒374-0076 群馬県館林市日向町2003
TEL.0276-72-8188 FAX.0276-72-8338 
http://www.gmat.gsn.ed.jp/


山口晃さんの『ヘンな日本美術史』(祥伝社)が、第12回小林秀雄賞(新潮文芸振興会主催)を受賞しました(2013年8月30日)。


山口晃 大画面作品集(青幻舎)

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http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3390

JUGEMテーマ:アート・デザイン


山口晃は、日本の古典的な絵画や古今東西のさまざまな美術を探究し、私たちの日常生活をふまえて、時間と空間、自然と人工物とを自由自在に交錯、融合させた世界を、卓越した描写力によって表す作家として高く評価されています。
作品は、精妙巧緻を極めかつ軽妙洒脱で、鋭い批評精神とユーモアにあふれており、年齢や性別を問わず多くの人々の共感をよんでいます。
近年、その活動は、書籍や新聞小説の挿絵、パブリックアート、CDジャケットやCM原画、他の分野とのコラボレーション、文筆活動まで広くおよんでいます。

本展覧会は、山口晃が幼少期から高校卒業までをすごした群馬での初めての回顧展として開催するもので、絵画や立体作品などの代表作を中心に、当地に関連した最新作、20年ぶりに公開される《自画像》、初出品となる板絵、さらに子どものころのお絵描き、高校時代の貴重な資料などが一堂に会します。
ぜひこの機会に「山口ワールド」の魅力をご堪能ください。
| 展覧会 | 23:26 | comments(1) | trackbacks(0) |
これは行ってみたいですね!
館林は遠いですが、このためだけに行く価値があります。
帰りは館林うどんでも食べて帰ればいいんだし。

トークショーが行われるようですが、
ことごとく日程が合わないのが残念です。
| 鉄平ちゃん | 2013/10/14 1:51 PM |










http://bluediary2.jugem.jp/trackback/3390
【お知らせ】
2018年8月6日に筑摩書房より本を出します。


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