青い日記帳 

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「国宝『卯花墻』と桃山の名陶」

三井記念美術館で開催中の
特別展「国宝『卯花墻』と桃山の名陶―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部―」に行って来ました。


http://www.mitsui-museum.jp/

日本の美術史上最も絢爛豪華な作品から渋い水墨画まで実に多種多様な作品が描かれた室町時代から江戸時代初期。狩野永徳、長谷川等伯、本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳等々まさに『へうげもの』の世界。

時を同じくして、焼き物の世界でも室町から江戸にかけまさに綺羅星の如く、志野・瀬戸・織部といった新しいやきものが呱々の声をあげました。

三井記念美術館で開催中の「国宝『卯花墻』と桃山の名陶」展では、国宝の志野茶碗「卯花墻」をメインに、同じ時代に同じ地域(岐阜県の美濃地方)で焼かれた、瀬戸、織部の名品らと共に紹介しています。

絵画ですらまだまだ勉強中の身ですが、焼き物となると未だ「門をたたく」状態にすら至っていません。しかし、分からないなりにも展覧会へ足を運ぶと「これは!」という驚きや身震いするような感動が待っているものです。

下手な予備知識が無いから余計に心打たれるのかもしれません。

今回の展覧会の展示構成は、志野・瀬戸・織部の順ですが、それとは真逆の道順で桃山の名陶に接してきたようです。つまり織部→瀬戸→志野の順です。


織部波車文沓茶碗「銘山路」 桃山時代・17世紀

今から約20年前にBunkamuraザ・ミュージアムで開催された「花と織部のエキシビション:桃山体験。」で、初めて織部焼というものの存在を知り、衝撃を受けたこと今でも鮮明に覚えています。

織部焼を知らぬ者にとって、初めて接した時のインパクトは他のどの焼き物よりも大きいものがあります。古田織部の存在を後から知り、なるほど驚くのも尤もだと思ったものです。

三井記念美術館の最後の展示室「展示室7」が織部に割り振られています。織部作品とは…とある程度理解している今でもやはり流れの中で拝見すると、その形や文様は確かに規格外のものがあります。

さて、「黒とはすべての色をふくむ」と言われているそうです。瀬戸黒の茶碗で頂くお濃茶は時に言葉で言い表せぬ発色を魅せます。

吃驚仰天の織部に比べ、瀬戸黒の安定感は抜群のものがあります。まさに迷った時の黒です。選択に困ったら瀬戸黒出しておけば急場は凌げそうに思えます。

初任給で母親に茶碗を贈った際も、結局瀬戸黒にしましたし、今でも好きな茶碗のひとつです。


瀬戸黒茶碗「銘小原女」桃山時代・16−17世紀

織部、瀬戸と順調にきましたが、志野までの間には高い壁が存在しているように思えてなりません。中々越えられず、志野の良さが分かりませんでした。

しかし、その「越えられない壁」も、三井記念美術館や出光美術館で鼠志野や志野茶碗に描かれた文様(絵柄)を学ぶことにより閾値も下がり、拝見し「いいな〜」と思えるようになりました。

やはり、絵画もそうですが、焼き物もある程度数を観ないとその良さや魅力が理解できないものです。たとえ感想を言葉に出来ずともまず、自分の目で観ることが何よりも大事です。

そして、どうせ観るのなら一級品、名品と呼ばれているものと対峙するに越したことはありません。特別展「国宝『卯花墻』と桃山の名陶―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部―」はその数少ないチャンスです。

三井家にゆかりのある国宝茶室「如庵」の室内を精巧に再現した展示空間に置かれた志野茶碗「銘 羽衣」(前期展示)の景色の何とまぁ素晴らしいこと。(後期展示は、志野垣根唐草文様茶碗「銘 野辺の垣」)

重要文化財 志野茶碗「銘 広沢」(湯木美術館蔵)は正面に少しだけ傾く姿が何とも言えず、つい展示ケースがあるのも忘れ手を伸ばしたくなるほど。


重要文化財 志野茶碗「銘広沢」
桃山時代・16−17世紀 湯木美術館蔵

鼠志野檜垣文茶碗「銘 さざ波」、紅志野撫子文鉢らの「鬼板」(鉄を含むこの地方特有の顔料)で施された赤みのある文様が白土に映えます。

そう、織部→瀬戸→志野と辿って来たマイブームは何をさて置いても志野茶碗なのです。奇抜さやすべての色をふくむ黒を卒業し、渋い志野へ。

自分も歳をとったな〜とニヤリと笑いながら国宝「卯花墻」を拝見。さぞかし怪しくうす気味悪く映ったでしょうね、周りの方には。

特別展「国宝『卯花墻』と桃山の名陶」は11月24日までです。三井記念美術館の本気が覗える展覧会です。是非。

特別展「国宝『卯花墻』と桃山の名陶―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部―」

開催期間:2013年9月10日〜2013年11月24日
休館日:月曜日(※但し、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振休)は開館。10月15日(火)、11月5日(火)は休館。)
開館時間:10:00〜17:00(最終入館16:30)
開催場所:三井記念美術館
http://www.mitsui-museum.jp/
主催:三井記念美術館、朝日新聞社

三井記念美術館、五島美術館、根津美術館
「茶陶三昧 三館めぐり」キャンペーン
詳細はこちら


特別展「光悦−桃山の古典(クラシック)」
五島美術館
開催期間:2013年10月26日〜12月1日
http://www.gotoh-museum.or.jp/


特別展「井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ」
根津美術館
開催期間:2013年11月2日〜12月15日
http://www.nezu-muse.or.jp/




三井記念美術館で室町の名品を拝見した後は…無料巡回バス「メトロリンク日本橋」で京橋方面へ。芸術の秋満喫しましょう〜


チェコの映画ポスター テリー・ポスター・コレクションより
東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋)
開催期間:2013年8月28日〜12月1日
http://www.momat.go.jp/FC/fc.html


特別展「カイユボット展ー都市の印象派」
ブリヂストン美術館
開催期間:2013年10月10日〜12月29日
「カイユボット展」公式サイト
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/caillebotte/

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桃山時代後期、岐阜県の美濃地方で新しく釉薬の掛かったやきものが誕生します。それらは志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部と呼ばれ、桃山時代の陶器を代表するものとして人気を博しています。白い釉膚に文様が映える志野。黄釉に緑の胆礬釉が滲む黄瀬戸。黒釉が掛けられた重厚な作行きの瀬戸黒。黒釉、透明釉、緑釉、そして赤土、白土が駆使された多彩な織部。いずれも日本で初めて焼かれるようになった装飾性の強いやきものです。焼かれた時期は種類によって若干異なりますが、慶長年間(1596―1614)初頭から元和年間(1615−1623)頃までのわずか20〜30年の間と考えられています。なかでも志野と織部に示された多様な造形と豊かな装飾は当時の人々を魅了し、京都をはじめ畿内一帯で大いに流行した様子が見られます。

三井記念美術館は、平成4年に室町三井家より国宝の志野茶碗「卯花墻」の寄贈を受け、これまでも度々「卯花墻」を公開してまいりました。今回は「卯花墻」と同じ地域で、ほぼ同じ時代に焼かれた名陶を数々ご紹介します。近世にもっとも大きく飛躍した桃山後期の闊達な気風を、一堂に会した志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部の名品から汲み取っていただけると思います。より多くの作行きを見ていただけるように会期中展示替えをいたします。
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