弐代目・青い日記帳 

  
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「人間のための建築 建築資料に見る坂倉準三」
文化庁 国立近現代建築資料館で開催中の
「人間のための建築 建築資料に見る坂倉準三」展に行って来ました。


文化庁 国立近現代建築資料館サイト:
http://nama.bunka.go.jp/

先月ショッキングな話題が読売新聞で報道され大きなどよめきがweb上でも起こりました。「鎌倉の著名建築物・美術館、閉館し取り壊し!?」(2013年11月19日 読売新聞)

国内初の公立美術館「神奈川県立近代美術館」の鎌倉館が耐震の問題でここ数年クローズ状態であることは承知していましたが、取り壊しとなると黙っていられません。
同美術館は世界的な建築家ル・コルビュジェの弟子で日本近代建築の第一人者・故坂倉準三氏による設計。1999年には国際機関「DOCOMOMO」により「日本の近代建築20選」にも選ばれ、日本のモダニズム建築を代表する建物として知られている。
県立近代美術館集約化で「鎌倉館」廃止方針、貴重な建築の扱いに苦慮/神奈川

・近代美術館鎌倉の保存求め、建築学会が県に要望書提出/神奈川
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1312190029/

近代美術館鎌倉の存続問題でシンポ 神奈川県の方針は来年度提示へ


「神奈川県立近代美術館」100分の1模型。1966年頃

同じような問題は、三重県の伊賀市でも起こっています。

・坂倉準三設計(伊賀市庁舎群の保存活用を求める署名活動)
http://i-collabo.xsrv.jp/

完成してから既に60年が経過しているものもあります。耐震性や利便性から鑑みると確かに取り壊し、新しいものに建て替えるのが筋でしょう。しかし、日本を代表する建築家・坂倉準三の手掛けた建物となると話は別。

ネットからリアルに至るまで喧喧囂囂の議論が噴出するのは当然のこと。まだまだ明確な着地点は見つかっていないようです。

そんな最中、何ともタイミングの良い展覧会(展示)が都内で行われていると知り、善は急げとばかりに出向いて参りました文化庁 国立近現代建築資料館まで。

板倉準三を決して神格化することなく、歴史資料、建築資料を元に「建築家・板倉準三」を紹介しています。(逆にテキストが排除されることでより板倉準三の偉大さが伝わります。)

フランスからも今回の展覧会の為に貴重な資料が来ています。


パリ万国博覧会日本館 グランプリ賞状」1937年 パリ、個人蔵 

展覧会の構成は以下の通りです。

第一部:パリ万国博覧会日本館(1937)−ル・コルビュジエ、シャルロット・ペリアンとの出会い
第二部:戦前から戦後復興期の作品−パリから持ち帰ったモダンムーブメント
第三部:神奈川県立近代美術館(1951)−人間のためのデザインと技術的挑戦
第四部:日本の都市風景となった作品群−家具から都市まで その多様なデザインの展開


第二部では、上野池之端の産業会館で開催された、アジア復興「レオナルド・ダ・ヴィンチ」展の仮設会場の設計図などといったレアな原図も展示されていました。



第四部では、「第12回ミラノトリエンナーレ日本室展示」(1960年)「岡本太郎邸」(1954年)「東急会館」(1954年)「東急文化会館」(1956年)「南海会館」(1957年)「新宿西口駅本屋ビル」(1967年)「神奈川県新庁舎」(1966年)等を紹介。

第一部から第四部まで一貫してブレの無い建築様式(建築美)を追求せんとする板倉準三の姿が見て取れます。

そして「第三部:神奈川県立近代美術館(1951)−人間のためのデザインと技術的挑戦」です。ひとつのセクションを与えられ、神奈川県立近代美術館の持つ重要性が示されています。


神奈川県立近代美術館「鎌倉美術館 弐階・中参階床組伏図」(1950年)

色褪せた設計当時の原図(トレーシングペーパー)を目の前にすると震えが…

神奈川県立近代美術館(鎌倉館)はその端正な美しさにこれまで目が惹かれがちでしたが、今回の展覧会で建物自体の内部構造が当時の技術や資材を可能な限り活かし、建てられているかが分かります。

外見だけでなく中身(見えない部分)も建築的に凄い建物なんだと。


(クリックで拡大)

展示室には存続を求める声明などは一切示されていません。取り壊しの問題の俎上に載せられていることすら紹介されていません。文化庁 国立近現代建築資料館です。直球勝負で挑んでいるわけです。つまり。

存続か取り壊しか。その是非は自分には分かりません。でも、この展覧会で提示されている建築資料を観ると答えは自ずと固まります。大きな濁流には逆らえぬのかもしれませんが、それでも可能性を信じて。


「人間のための建築 建築資料に見る坂倉準三」展示風景

「人間のための建築 建築資料に見る坂倉準三」展は2014年2月23日までです。建築に興味のある方は勿論ですが、多くの方に是非見て頂きたい展覧会です。是非是非!

そうそう、図録を何と無料で配布しています!
(ありがとうございました!!)

http://nama.bunka.go.jp/


人間のための建築 建築資料に見る坂倉準三

期間:2013年11月27日(水)〜2014年2月23日(日)
開館時間 9:30〜16:30
休館=年末年始[12/29-1/3]
会場:文化庁 国立近現代建築資料館
(〒113-8553 東京都文京区湯島4-6-15)
http://nama.bunka.go.jp/

主催:文化庁
協力:公益財団法人 東京都公園協会
制作協力:鹿児島大学
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

【入場方法】
[展覧会のみ閲覧](平日のみ利用可能)
事前申込みの上、湯島地方合同庁舎正門より御入館できます。
入館無料。
http://nama.bunka.go.jp/

[都立旧岩崎邸庭園と同時観覧](会期中は無料)
都立旧岩崎邸庭園からも御入館できます。事前申込みは不要です。
旧岩崎邸庭園の入園料(一般)400円が必要です。


旧岩崎邸の裏手に国立近現代建築資料館資料室があります。

【アクセス】
千代田線「湯島」下車 徒歩3分/銀座線「上野広小路」下車 徒歩10分/大江戸線「上野御徒町」下車 徒歩10分/山手線「御徒町」下車徒歩15分



「人間のための建築 建築資料に見る坂倉準三」ギャラリートーク
会場:国立近現代建築資料館資料室
集合場所:国立近現代建築資料館別館2階ロビー

日時:2014年1月11日[土] 13:00-14:00
講師:鯵坂徹 [鹿児島大学教授]

日時:2014年1月18日[土] 13:30-14:30
講師:北村紀史 [建築家・元坂倉建築研究所]

日時:2014年1月25日[土] 13:30-14:30
講師:萬代恭博 [建築家/坂倉建築研究所]


ギャラリートーク+サブシンポジウム
坂倉準三と建築資料
日時:2014年1月11日[土] 14:00–16:30
会場:国立近現代建築資料館
竺覚暁 [ 金沢工業大学 教授 ]
松隈洋 [ 京都工芸繊維大学 教授 ]
山名善之 [ 国立近現代建築資料館 ] ほか
シンポジウムは定員40名で当日先着順となります。 坂倉建築研究所(坂倉準三建築研究所)関係者による ギャラリートークを13時より実施する予定です。


昨年開館したばかりの文化庁 国立近現代建築資料館。今回の展覧会が2度目となるそうです。因みに初回はこちら。


開館記念特別展示「建築資料にみる 東京オリンピック」
2013.5.8[水]-6.14[金]

年に2回ほど今後も展示を行っていくそうです。要チェックですね!

Twitterやってます。
@taktwi

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3464

JUGEMテーマ:アート・デザイン


日本の建築の多くが、この半世紀、木造から鉄筋コンクリート、鉄骨造に変わり、私たちの生活空間はモダンムーブメントの潮流の上につくられてきた。そのデザインの源流をつくったのが、巨匠・ル・コルビュジエ[1887-1965]であり、パリで彼に師事し、その後、日本国内に多くの作品を手がけた建築家が坂倉準三[1901-1969]である。

坂倉準三は、東京帝国大学で美術史を学び渡仏し、ル・コルビュジエのアトリエで5年間働いた後、1937年にパリ万国博覧会日本館[Exposition internationale des Arts et Techniques dans la vie moderne, Expo 1937]で建築界に華々しくデビューする。帰国後は、大戦からの復興期の1951年に世界的に知られる鎌倉の神奈川県立近代美術館を生み出した。本展では、同館のデザインへいたる足跡とその後の広範囲にわたる多様な作品群について、原図や当時の写真、建築資料によって紹介し、デザインの中心に人間を据える坂倉準三の考え方とその大胆な発想と調和の感覚へ迫る。 更に、坂倉作品が社会に与えた影響と建築の文化の豊かさについて、シンポジウム等を開催し検証する。
| 展覧会 | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0) |









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