青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< October 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「大浮世絵展」 | main | シャヴァンヌ展開催記念講演会参加者募集! >>

「シャヴァンヌ展」

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の
「シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」に行って来ました。


「シャヴァンヌ展」特設サイト

フランス人画家ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824年-1898年)の名前をもし知らなかったとしても、彼から多大な影響を受けた画家の作品を目にしたことは必ずあるはずです。

象徴主義の作家から、セザンヌ、ゴーギャン、スーラ、ドニ、ピカソ、マティス、黒田清輝、藤島武二、青木繁等々あげたらきりがありません。

シャヴァンヌの代表作とそれに影響を受け描かれたスーラのこれまた代表作が、大西洋を渡りシカゴ美術館の所蔵となっているのも果たして偶然でしょうか。


シャヴァンヌ「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」1884-89年頃 油彩・カンヴァス シカゴ美術館蔵 93.0 x 231.0cm Potter Palmer Collection 1922.445 Photography ⓒThe Art Institute of Chicago



ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」1884年–1886年 油彩・カンヴァス シカゴ美術館蔵

手元にスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の画像を用意して、Bunkamuraの展示室に掛けられたシャヴァンヌ「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」と比較すると、その色合いや雰囲気以外にも二つの作品に通底するものを発見できるはずです。容易に。

それにしても、ヨーロッパのみならず明治期の日本の画家にも影響を与えたシャヴァンヌを紹介する展覧会が、日本で一度も開かれていかなったとは不思議なことです。

因みにギュスターヴ・モロー(1826年–1898年)とシャヴァンヌは亡くなった年が一緒であり、同じ時代を生きたフランス人画家です。モローの圧倒的な日本における知名度と人気に比べるとシャヴァンヌのそれは、お世辞にも高いとは言えません。


シャヴァンヌ「羊飼いの歌」 1891年 油彩・カンヴァス メトロポリタン美術館蔵 104.5x109.9cm Image copyright ⓒThe Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY

それでは、フランスでのシャヴァンヌの評価はどうだったのでしょう。モローが晩年サロンから遠ざかり自宅に籠り制作を続けたのに対し、シャヴァンヌは74歳で亡くなる前、オーギュスト・ロダン主宰で、当時の著名人約600人が集まる大祝宴会(70歳を祝う会)が開かれたそうです。

その前年(1893年)には黒田清輝が、シュヴァンヌに助言を求める為に会いに行ってます。ラファエル・コランの紹介状を携えて。当時シャヴァンヌは、ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール(国民美術協会)の会長を務めていたのです。

つまり、当時のフランスにあってその存在を知らぬ者はいないどころか、足を向けて寝られぬような大芸術家だったのです。


シャヴァンヌ「海辺の乙女たち」 1879年頃 油彩・カンヴァス オルセー美術館蔵 61.0×47.0cm ⓒRMN-Grand Palais (musée d' Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF-DNPartcom

そんな国民的画家です。しばしば大きな仕事が舞い込んで来ます。ナポレオン3世によるパリの都市改造の最中、その力を認められたシャヴァンヌはパリ市庁舎など次々と壁画制作にあたりその力をいかんなく発揮しました。

壁画家シャヴァンヌ。展覧会の開催が難しかった大きな要因の一つです。しかし彼が残した単体の油彩画や、壁画の縮小版を世界中の美術館から集めることにより、日本初となる「シャヴァンヌ展」が実現しています。
シャヴァンヌは壁画として制作した作品を手元に残す目的で自ら縮小版を制作した。壁画を数多く制作したこの画家の展覧会が可能なのも、こうした質の高い縮小版が存在するからなのである。なお出品作品《プロ・パトリア・ルドゥス(祖国のための競技)》の縮小版は横280cmと大きいが、本作にはさらにかつて切り取られた右端125cmがあり、両者は切断後に本展で初めて出会うこととなる。
Bunkamuraザ・ミュージアム チーフキュレーター 宮澤政男氏による「シャヴァンヌ展」解説


シャヴァンヌ「幻想」 1866年頃
油彩・カンヴァス 大原美術館蔵 264.0×147.6cm

日本国内では所蔵している美術館が少ない為、「幻想」以外では、島根県立美術館「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」「休息」、岐阜県美術館「慈愛のための習作」のみで、他はすべて海外の美術館からの作品です。(国立西洋美術館「貧しき漁夫」は現在開催中の「モネ展」で公開中)

海外でも滅多に開催されることのないシャヴァンヌの展覧会を日本で観られるなんて!それだけでも渋谷まで出向く価値があります。

更に前述した通り、明治期の洋画とも深い関わりがある作家です。東京国立博物館所蔵の黒田清輝作品も展覧会の最後に比較出来るよう展示されています。

名前は知らずとも、見逃せない(観ておかなくてはならぬ)展覧会であることは間違いありません!(こうした展覧会を開催してくれるBunkamuraザ・ミュージアム&島根県立美術館さんに感謝です)

「シャヴァンヌ展」は3月9日までです。是非!
その後、島根県立美術館へ巡回します。(2014年3月20日〜6月16日)


シャヴァンヌ展

開催期間:2014年1月2日(木)〜3月9日(日)
会期中無休
開館時間:10:00−19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/

主催:Bunkamura、日本経済新聞社
協賛・協力等:
[後援]
在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
[協力]
エールフランス航空、日本航空
[企画協力]
島根県立美術館
[特別協力]
東京国立博物館

〜シャヴァンヌ展開催記念講演会〜
展覧会監修者で美術史家のエメ・ブラウン・プライス氏による講演会が下記の日程で開催されます。

【講演会】シャヴァンヌ展開催記念講演会
【日 時】2014年1月11日(土)15:00-17:00
【場 所】アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ(東京都新宿区市谷船河原町15)
【登壇者】エメ・ブラウン・プライス氏(シャヴァンヌ展監修者/美術史家)
【参加費】無料
【定 員】80名(事前申込み不可)
【後 援】日仏美術学会
【お問合せ】アンスティチュ・フランセ東京 TEL.03-5206-2500


シャヴァンヌ《プロ・パトリア・ルドゥス(祖国のための競技)もしくは家族》 1885-87年頃 油彩・カンヴァス トレド美術館蔵 94.0×125.0 cm
Purchased with funds from the Libbey Endowment, Gift of Edward Drummond Libbey. 1951.313

☆プチ・ミュージアムごはん☆
Bunkamuraザ・ミュージアムから歩いて数分の場所に、シャヴァンヌの出身地であるリヨン料理が楽しめるビストロ「ル・ブション・オガサワラ」があります。

ル・ブション・オガサワラ
https://www.facebook.com/lebouchonogasawara

場所:東京都渋谷区円山町13-16 BNKビル 1F
電話・予約:03-6427-0327
営業時間:18:00〜翌3:00
夜10時以降入店可、夜12時以降入店可、日曜営業
食べログで見る

展覧会期間中「シャヴァンヌ展」の半券をお店で提示しるとファースト・ドリンクがサービスに!!

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3473

JUGEMテーマ:アート・デザイン


 19世紀フランスを代表する壁画家として知られるピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-1898)は、フランスの主要建造物の記念碑的な壁画装飾を次々と手がけ、また壁画以外の絵画においても才能を発揮し、数々の名作を残しました。
 イタリアのフレスコ画を思わせる落ち着いた色調で描かれたそれらの作品は、古来、桃源郷と謳われて来たアルカディアを彷彿とさせ、格調高い静謐な雰囲気を湛えています。また、その含意に満ちた奥深い世界は、象徴主義の先駆的作例と言われています。
古典的様式を維持しながら築き上げられたシャヴァンヌの斬新な芸術は、新しい世代の画家にも大きな影響を与えただけでなく、日本近代洋画の展開にも深く寄与しました。本展はこの巨匠を日本で初めての紹介する貴重な機会といえましょう。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

これは年明けから縁起がいいですね!
よもや日本でシャヴァンヌ展が観られる日が来ようとは…
新婚旅行でパリに行った際にシャヴァンヌ目当てにパンテオンにわざわざ行った身としては万難排して行く所存です(笑)
たかぴー | 2014/01/03 11:31 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/3473
この記事に対するトラックバック
 これは、1月5日のこと。シャヴァンヌ展が日本で開かれるのは初めてということで、さぞ混んでいるだろうと思い、正月休み最後の日曜日の午後遅い時間を狙って出かけた。しかし、予期に反して会場はガラガラ。係員に訊いたところ、1月2‐4日もあまり混んでいたかったと
&nbsp;日本で初の本格的回顧展ということでBunkamuraに見に行きました。日本ではあまり馴染みがない画家ですが、いい展覧会でした。アレゴリー、労働、幻想、警戒、聖人のフリーズ、プロ・パトリア・ルドゥス(祖国のための競技)、諸芸術とミューズたちの集う聖な
シャヴァンヌ展 | Star Prince JUGEM | 2014/01/11 6:37 PM
渋谷 chariot 渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、Bunkamura25周年記念、 「シャヴァンヌ展」が開かれています。 副題は「水辺のアルカディア ビュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」と なっています。 会期は3月9日(日)までで、会期中は無休で
Bunkamura ザ・ミュージアム 「シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」 1/2-3/9 Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」のプレスプレビュー