青い日記帳 

  
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『ウォーターハウス夢幻絵画館』
東京美術出版より刊行となった『ウォーターハウス夢幻絵画館』を読んでみました。


ウォーターハウス夢幻絵画館』 (ToBi selection)
川端 康雄 (著), 加藤 明子 (著)

「待望の一冊」という表現を100万回繰り返してもまだ足りぬほど、待ちに待った大好きなウォーターハウスを紹介する美麗な本が出ました!

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(John William Waterhouse, 1849年〜1917年)の日本語の本はこれまで2冊出されていますが、絶版となったり高額であったりと入手が困難な状態です。


『J・W・Waterhouse』(トレヴィル、1994年)、『J・W・ウォーターハウス』ピーター・トリッピ(曽根原美保訳、ファイドン、2006年)

またどちらもハードカバーの画集なので「いつも鞄に入れて好きな時に取りだし読む。」なんてことが叶いません。それに比べ、今回のウォーターハウス夢幻絵画館はA4よりちょっと小さめのサイズのソフトカバー。

これなら、ウォーターハウスが描き出した奇蹟的な美しさの妖精(ニンフ)から魔女まで、片時も手放さずに一緒にいられます。もうずーーーと一緒です。何という倖せ。

片時も離れることなく、ウォーターハウスの作品を手元で愛でることのできる昌運。もう堪りません!

実際のウォーターハウスの絵を日本であまり目にするチャンスがないは残念なことですが、こんな美しい作品集が出たのですから佳しとしましょう。これでウォーターハウス好きが一気に増えること間違いなしです。


J.W.ウォーターハウス《人魚》1900年
王立芸術院、ロンドン


J.W.ウォーターハウス《シャロットの女》1894年
リーズ市立美術館

昨年(2013年)ウォーターハウスの作品(「人魚」、「シャロットの女」)が、僅か2枚展示されただけにも関わらず「夏目漱石の美術世界展」があれだけ注目を集め、話題となったのもまだ記憶に新しいことかと。

丁度今、「ラファエル前派展」@森アーツセンターや、「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」@三菱一号館美術館が開催されています。

“ラファエル前派第三世代”とも言われるウォーターハウスです。このウォーターハウス夢幻絵画館の出版を契機に近い将来「ウォーターハウス展」が日本で開催される可能性もぐんとアップしたに違いありません。

2009年にオランダ、フローニンゲン美術館で開催された「ウォーターハウス回顧展」に行く前にこの本が出されていたらさぞかし、もっと見方も理解度も変わっていたことでしょう。

因みに信じられないことですが、フローニンゲン美術館での「ウォーターハウス回顧展」は誰でも写真撮影OKでした。




(フローニンゲンまで「ウォーターハウス展」観に行っちゃうなんてどんだけ好きなんだ自分…)

とにかく、ウォーターハウス作品の魅力はその美しさにあります。それに加え物語性も備えているのですからある意味最強の組み合わせです。

ウォーターハウス夢幻絵画館では、その点をよ〜く分かっていらっしゃるらしく、作品画像は当然オールカラーでかなりの割合でクローズアップ画像も配されています。

また描かれているギリシャ神話や文学作品の簡単なストーリーも紹介されているので、どんな場面を描いたものなのかがすぐに分かります。(ウォーターハウスの絵を観て興味関心を持ちイギリス文学の世界へ進まれる方が出てきたらいいな〜)

夏目漱石をイチコロにしただけあり、その文学性と蠱惑的な魅力は折り紙つきです!


(クリックで拡大)

生前はロイヤル・アカデミーの会員にも選出されるなど高い評価を得ていたにも関わらず、時代的(戦争の時代です)に亡くなってからは徐々に忘れられた存在となってしまったウォーターハウスですが、近年その作品が再び脚光を浴び始めました。

ヴィクトリア朝の人々を魅了した甘美な幻想の世界。

ただ観てながめるだけでなく、作品についての解説、または資料の乏しいウォーターハウス自身についての記述も豊富に盛り込まれている一冊です。

是非是非是非、お手に取ってみてください。

「モダンなラファエル前派」ウォーターハウスの魅力を存分に味わえる至極の一冊です。(永久保存用にもう一冊買わねば)


ウォーターハウス夢幻絵画館』 (ToBi selection)
川端 康雄 (著), 加藤 明子 (著)
東京美術

ラファエル前派を継承する“正統派"画家ウォーターハウスの傑作選。
神話や伝説を独自の解釈と卓越した技法で絵画化。
ロイヤル・アカデミー(保守派)に籍を置きながら、印象派やラ ファエル 前派の手法を柔軟に取り入れ、美しくも抑制のきいた抒情世界を作り上げ19世紀後半から20世紀初頭の英国で人気を博した。
主題や自然主義的描写の傾向からラファエル前派「第三世代」として位置づけられ近年ラファエル前派の復権とともに脚光を浴びはじめている。

魔女や妖精、悲劇のヒロインなど、いわくありげな美女たちが多く登場する美しく幻想的な絵画で、英国ヴィクトリア朝を魅了した画家の傑作選。展覧会開催で話題の「ラファエル前派」の画風を継承する、夢とロマンにみちた作品世界に浸ってください。


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