青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 特別展 「世紀の日本画」後期・特別観覧会 | main | モネが描いた雪景色 >>

ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡展

渋谷区立松濤美術館で開催中の
「ハイレッド・センター:『直接行動』の軌跡展」に行って来ました。


http://www.shoto-museum.jp/

「ハイレッド・センター」が結成されたのが今から50年前の1963年。未だ解散には至っていない公共機関のような名称の芸術集団が、行ってきた活動を振り返る展覧会がリニューアルオープンした渋谷区立松濤美術館で開催されています。

結成50周年を記念して開催されますが、回顧展というよりも、再出発展として位置づけようと、約3年の歳月をかけて構想を練られたそうです。

世の中を斜めから見つつ、ユーモアを交え当時の社会を批評していったハイレッド・センター。その名称からしてどこか斜に構えたところがあります。

高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の頭文字の英訳(高松のHi、赤瀬川のRed、中西のCenter)を並べただけの名称「ハイレッド・センター(Hi-Red Center)」。


赤瀬川原平「事実か方法か1・2」「復讐の形態学
1963年 名古屋市美術館蔵

展覧会会場で紹介されたハイレッド・センターの「作品」(行動・活躍)をリアルタイムでご存じの方がとても羨ましく思えてなりません。

模型千円札事件」「FLUXUS」「シェルター計画」「山手線フェスティバル」といった伝説の作品たちも今では、主にテキスト情報や写真でしか知ることしかできません。

また、1960年代にハイレッド・センターのこうした「直接行動」がどのように受容されていたのかも気になるポイントです。

半世紀の差は、現代社会においては別世界の出来事であり、想像すら出来ないほどの「隔たり」が存在します。


「山手線フェスティバル」展示風景

山手線車内や駅ホームで顔にドーランを塗り、真っ白な仮面をつけた不気味な風体で、「コンパクト・オブジジェ」と呼ばれるブランクーシ作品のようなモノに懐中電灯で光をあてる……「山手線フェスティバル

車内での喫煙は一般的なことだった当時においてさえ、ハイレッド・センターのこうした「直接行動」は奇異に映ったはずです。その他の「直接行動」全てについても。

彼らが行った行動の目的は、「平穏な日常を「撹拌」して、高度経済成長の道をまっしぐらに進む人びとの意識を覚醒させる」と説明されていましたが、果たしてそれだけだったのでしょうか。

当時の様子を知らぬ者の戯言に過ぎませんが、それにも増して「芸術」というモノの先行きが見えない得も知れぬ不安や、押しつぶされそうな閉塞感を作家自らが打破するための「直接行動」であったようにも見えました。

今から50年前、1964年の東京オリンピックを目前に控え、ハイレッド・センターは、「首都圏清掃整理促進運動」という「直接行動」に出ました。

テロやデモといった物騒なものではありません。銀座の並木通りで、白衣とマスクそれに「!」印の腕章を着用し、東京の街頭を掃除したのです。


「首都圏清掃整理促進運動」展示風景

(再)半世紀の差は、現代社会においては別世界の出来事であり、想像すら出来ないほどの「隔たり」が存在します。

ツイッターで、Chim↑Pom(チン↑ポム)の行動が取り上げられ、拡散し普段アートに興味関心のない人まで巻き込んでの「大騒ぎ」になる現代社会に慣れてしまった我々にとって、ハイレッド・センターの「直接行動」は、とても新鮮な驚きを持って対峙出来るものなのです。

そして、同じことをせんとしても、それが現代では不可能であることを痛感し、彼らの活躍に心酔し憧憬の念を抱くのです。

ハイレッド・センターはどんなに頑張っても追い付けない逃げ水のような憧れの存在なのかもしれません。

「ハイレッド・センター:直接行動」の軌跡展は3月23日までです。リニューアルし色温厚を調整出来る照明となった松濤美術館へ是非!


ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡展

会期:2014年2月11日(火・祝)〜3月23日(日)
開館時間:午前10時〜午後6時
※企画展期間中の毎週金曜日は午後7時まで
※ただし、入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
会場:渋谷区立松濤美術館
(東京都渋谷区松濤2-14-14)
http://www.shoto-museum.jp/
主催:渋谷区立松濤美術館、日本経済新聞社


「ハイレッド・センター:『直接行動』の軌跡展」展示風景

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

関連イベント

・出品作家による講演会 
日時:3月2日(日)午後2時〜 
「ハイレッド・センターを語る」 中西夏之(画家)

・講演会+フィルムパフォーマンス
「映像における<直接行動>」
日時:2月16日午後2時〜
場所:当館地下2階ホール
講師:飯村隆彦(映像作家)

・ギャラリートーク特別版  
当時を知るゲストを招いて、展示室内をご案内します。
日時:2月15日(土)午後2時〜和泉 達(HRC公式メンバー)
   3月15日(土)午後2時〜田村 敦子(元編集者)

関連展覧会

「あなたの肖像―工藤哲巳回顧展」
東京国立近代美術館

展覧会特設サイト:
http://www.tetsumi-kudo-ex.com/

「工藤哲巳展」レビュー

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3516

JUGEMテーマ:アート・デザイン


 1963年5月、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之らの若き芸術家たちは、「ハイレッド・センター」を正式に結成しました。三人の姓の頭文字の英訳(高松のHi、赤瀬川のRed、中西のCenter)を並べただけの名称「ハイレッド・センター(Hi-Red Center)は匿名の行動により平穏な日常のなかに「芸術」を持ち込むことで、退屈な日常を「撹拌」しようと試みたのです。
 今回の展覧会は、ハイレッド・センター結成50周年を記念して、その「直接行動」を記録した文献資料や記録写真を中心に、主要な構成員でもある高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之のオブジェや絵画などの作品群を加えて、ハイレッド・センターの活動を多角的に紹介するものです。 

展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/3516
この記事に対するトラックバック