青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 『井浦新の美術探検 東京国立博物館の巻』 | main | 「富士と桜と春の花」 >>

「コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス展」

銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の
「コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス展 エルメスのアトリエにて」に行って来ました。


http://www.maisonhermes.jp/

16人の若いアーティストがエルメスの様々な工房内で制作した作品が一堂に会する展覧会。パレ・ド・トーキョーで開催された展覧会が東京へ巡回して来ました。

一口にエルメスの工房と言っても様々なものを扱っています。皮は勿論、シルク、金属、クリスタルetc…そしてそれらの場所は多くがパリから離れたフランスの片田舎にあります。

エルメス財団が行っている「アーティスト・イン・レジデンス」は、エルメスの工房に入り、自らの作品を創り出していくというとても独創的でユニークなプログラムです。


アンヌ=シャルロット・イヴェール(ジョン・ロブ)
作家名の後のカッコ内は作家が滞在した工房です。
意欲のある若手アーティストたちに、エルメスの工房が有する高い技術や素材を使って、作品を制作する機会を与えることを目的としています。2010〜2013年の4年間を通じて、毎年4人のアーティストがフランスにあるエルメスの工房に滞在しました。なお、工房における円滑なコミュニケーションの必要性から、フランス語を話す若いアーティストが対象となっています。
2010〜2013年のレジデンスで16名のアーティストたちがエルメスの工房で創り出した作品が全て展示されています。

これまでは8階のフロアしか使用していませんでしたが、今回は銀座メゾンエルメス フォーラムの9階のフロアも使っての展示となっています。


この先にも作品があります。俯瞰で8階の作品が観られるのも新鮮です。

さて、タイトル名はフランス語で様々に使われる言葉である「Condensation(コンダンサシオン)」と冠せられています。仏和辞典にもこれだけの意味があります。

Condensation(コンダンサシオン)
1:凝縮、圧縮、凝結
2:簡潔化、要約
3:集中、結集
4:(有機化学)縮合
5:(生物学)縮約
6:(精神分析)圧縮


この展覧会では「変容」といった意味を持たせタイトルを付けたとキュレーターのガエル・シャルボー氏は説明していました。

そして8階と9階が、昼と夜が入れ替わるような「錬金術」さながらの展示スペースにも合わせて注目です。


マリー=アンヌ・フランクヴィル(サンルイ・クリスタル)
ほとんど純潔」2013年

何やら得体の知れぬ、おどろおどろしい物体に見えますが、これられっきとした食器だそうです。確かに言われてみれば食器にも見えなくはありませんが、日常使いのものとはとても縁遠い不気味さを醸し出しています。

作家がこの作品に込めた意図をしれば、なるほど!と納得もできるのですが、それにしても…因みにこの展示台にも意味がしっかりあるそうです。その答えは会場で明らかになります。


セバスチャン・グシュウィンド(サン=タントワーヌ皮革工房)
人類」2011年

「ブレーメンの音楽隊」と作家からの説明で、もう4匹の動物にしか見えなくなってしまった作品。でも、こうして4つ縦に重ねて展示するだけでなく、ひとつひとつ床に置いても展示可能ということ。

そうなると、今度はまるで違ったものになります。目が覚めたら猫・ライオン・パンダ・馬の4匹の動物のどれかに変身していたという心理テスト的なものには…はい、ならないですよね。さすがに。


オリヴァー・ビアー(サンルイ・クリスタル)
沈黙は金(槌骨、きぬた骨、あぶみ骨)」2012年

とっても美しく、素敵な作品。

金で作られた耳の奥にある3つの骨(槌骨、きぬた骨、あぶみ骨)が、それぞれ3つの水晶の中に閉じ込められています。

この3つの骨は、本来音を伝えあう大事な役目をそれぞれ持っているそうです。それらが別々の水晶の中に閉じ込められているということは…

エルメスの職人たちの高い技術によって外界との音から遮断された、音を伝える為の骨たちが新たに彫刻作品として目の前に提示されます。


小平篤乃生(サンルイ・クリスタル)
サンルイのための楽器」2011年

最後にもう一点「音」に関する作品をご紹介。

展示会場内に設けられた音を遮断する小さな部屋にこの作品は設置されています。耳を澄ませてしばし音を拾ってみて下さい。

「ししおどし」や「水琴窟」を古来愛でてきた日本人ならではの繊細な音による芸術をご堪能あれ。

「コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス展」は6月30日までです。会期中無休。入館無料です。豪華な解説書も貰えます。これは行かねばです!是が非でも。


コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス展 エルメスのアトリエにて
CONDENSATION: artists in residence in Hermès workshops

会期:2014年3月20日(木)〜6月30日(月)
開館時間:
月〜土曜11:00〜20:00(最終入場19:30)  
日曜 11:00〜19:00(最終入場18:30)
会期中無休
入場無料

会場:銀座メゾンエルメス フォーラム(中央区銀座5-4-1 8階 TEL:03-3569-3300)
主催:エルメス財団
後援:在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本
キュレーター:ガエル・シャルボー
http://www.maisonhermes.jp/

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3557

JUGEMテーマ:アート・デザイン


会田誠,荒木慎也,大野左紀子,苅宿俊文,暮沢剛巳,谷口幹也,土屋誠一,筒井宏樹,成相肇,橋本誠,日比野克彦,福住廉,三脇康生,村田真,山木朝彦,川崎昌平
フィルムアート社
(2014-03-26)

エルメス財団主催による「アーティスト・イン・レジデンス」は、現代美術と、エルメスの工房で働く職人の優れた技術を連携させたいという願いから、2010年の夏に始まりました。
このプログラムは意欲のある若手アーティストたちに、エルメスの工房が有する高い技術や素材を使って、作品を制作する機会を与えることを目的としています。

国籍も多様な若い作家たちが、フランスにあるエルメスのさまざまな工房に滞在し、職人の協力を得ながら作品を制作しました。
本展では4年間のプログラムにおいて制作された、16人の若手作家たちによる作品を、ガエル・シャルボーのキュレーションによって紹介いたします。
展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/3557
この記事に対するトラックバック