青い日記帳 

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特別展「栄西と建仁寺」

東京国立博物館で開催中の
開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」に行って来ました。


「栄西と建仁寺展」公式サイト:http://yosai2014.jp/


俵屋宗達の国宝「風神雷神図屏風」が5年ぶりに東京で観られるという話題が先行している展覧会ですが、いやいやお宝はそれだけにとどまりません。

国宝「風神雷神図屏風」のインパクトが霞んでしまうほど、その他の作品が充実しています。狩野山楽、海北友松、伊藤若冲らの江戸絵画ザクザク。地味な展覧会と思っていたけど大違いでした(ゴメン)。

とりわけ海北友松(1533年〜1615年)が手掛けた建仁寺本坊大方丈障壁画(室戸台風で方丈が倒壊した後に軸装)の全て展示されます。


海北友松 重要文化財「琴棋書画図」、「山水図」、「竹林七賢図」、「花鳥図」

展示替えはあるものの期間中48幅(50幅のうち「花鳥図」の2面は消失)を全て観ることが可能です。永徳、等伯らと同じ時代に活躍した海北友松ですが、一般的な知名度はまださほど高くはありません。

しかし、日本美術全集10 黄金とわびの第二章「躍動する桃山美術」の中で狩野永徳や長谷川等伯と共に海北友松の作品も同等の扱いを受けています。素早い筆致で描かれた躍動感をも伝わってくる水墨画。スケール感や余白の効果的な使い方など、等伯に引けを取らぬものがあります。

海北友松の魅力を存分に知ることの出来る展覧会です。


狩野山雪「唐人物図座屏」建仁寺
長谷川等伯「竹林七賢図屏風」両足院

「第4章 建仁寺ゆかりの名宝」のセクションでは海北友松と同時代の絵師が手掛けた水墨画を比較しながら観られるまたとない機会となっています。さらっとしかご紹介していませんが、作品は山ほどあります。展覧会最後に控える「風神雷神図屏風」に辿り着くまでにお腹いっぱいになってしまいます。

それに加えて「四頭茶会」の空間再現展示はまさに圧巻の一言に尽きます。


「プロローグ 禅院の茶」展示風景

お茶をたしなまれている方にとってはある意味「聖地」です。聖地へ足を運ばずともあちらから来て下さったのですからこんな有り難いことはありません。

釈迦に説法かと思いますが「四頭茶会」は、毎年4月20日に建仁寺で行われる「茶祖」栄西を讃える一大イベントです。

それを今年は、トーハクでしかも実際の道具や設えをそのまま使って再現しているのですから、観に行かないと「喝」入れられてしまいます。

展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ 禅院の茶
第1章 栄西の足跡
第2章 建仁寺ゆかりの僧たち
第3章 近世の建仁寺
第4章 建仁寺ゆかりの名宝


シンプル且つ分かりやすい配置となっている点も観やすさのポイントかと。(良い作品を展示する際は、あまり手の込んだことをせずとも十分なんですよね〜)

展覧会の準備中に新発見もあったそうです。


康乗「蘭渓道隆坐像」京都・西来院

鎌倉建長寺を開山し、建仁寺第11代住持に就任した蘭渓道隆。1676年に造られたものですが、像内に古像の顔の部分(蘭渓道隆没後間もない鎌倉時代(13世紀後半)に制作された像の一部)が納入されているそうです。

これから調査が進めば、京都最古の頂相彫刻(禅僧の肖像彫刻)となる可能性が高いとパネルに写真と共に書かれてあり、密かな興奮を覚えました。


院達「小野篁・冥官・獄卒立像
京都・六道珍皇寺

3分間で背景のライティングが変化します。画像は地獄の閻魔さまを象徴するかのような真っ赤な炎のような空間表現ですが、じわりと変わって行きます。

彫刻って光の演出でこれほどまでにイメージが変わるものかと、あらためて驚かされます。

そして、最後にこちらがトリを務めています。


俵屋宗達 国宝「風神雷神図屏風」江戸時代・17世紀
京都・建仁寺

安村敏信先生は自身の著江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえすにおいて、「俵屋宗達の『風神雷神図屏風』は、晩年に描かれた傑作である。」とされる“常識”に一石を投じています。

曰く「常識となっている感の強い宗達の『風神雷神図屏風』が、宗達晩年に描かれたということは、一研究者の「直観」でしかなかったと思う。」とズバリ言いきっています。さてさて実際に間近で観るとどのように映るでしょう。

また、俵屋宗達関連図書として玉蟲敏子先生のこちらも是非目を通しておきたい一冊です。

俵屋宗達: 金銀の〈かざり〉の系譜
玉蟲敏子(著) 東京大学出版会

宗達と聞いて多くの人々がイメージするその像は、概ね近代になって紹介された作品や資料に基づいた宗達観に依拠している。とりわけ第二次世界大戦後に盛況を迎える、美しいカラー図版や斬新なレイアウトを駆使した豪華美術書や画集、そして実物を陳列する展覧会などから喚起された視覚の記憶に頼るところが大きかったように思われる。

今月号の『芸術新潮』も宗達の特集ですよね。

5年ぶりに折角本物と向かい合えるチャンスです。直観だけに頼らず、ある程度の知識を入れてこうして超メジャーな作品を観るのがよろしいかと。自身の成長の証としても。

兎にも角にも、久々にトーハクの特別展らしい迫力満点で見応え十分の展覧会です。日本美術の展覧会は会期がどうしても短いのが玉に瑕ではありますが、春のぽかぽか陽気、絶好の展覧会日和が続きます。

「栄西と建仁寺展」は5月18日までです。是非是非!展示替えした頃再訪します!!


開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」

会期:2014年3月25日(火) 〜 2014年5月18日(日)
会場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間: 9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜日は20:00まで、土・日・祝休日は18:00まで開館)
休館日:月曜日
(ただし4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館、5月7日(水)は休館)
会場:東京国立博物館(トーハク)平成館
http://www.tnm.jp/

主催:東京国立博物館、建仁寺、読売新聞社、NHK、NHKプロモーション
協賛:ジェイティービー、日本写真印刷
協力:あいおいニッセイ同和損保

でも、やっぱりこの展覧会の主役は海北友松に間違いありません!


海北友松「龍雲図」安土桃山時代・慶長4年(1599)
京都・建仁寺

注:展示会場の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

【イベント】

国宝「風神雷神図屏風」8Kスーパーハイビジョン上映会

3300万画素の究極の映像により、俵屋宗達の卓越した筆づかいをたっぷりとご堪能いただけます。
会期:4月28日(月)〜5月2日(金)
午前10時から閉館時間まで随時上映
会場:平成館 大講堂

※特別展「栄西と建仁寺」または総合文化展のチケットで観られます。


博物館でお花見を

「博物館でお花見を」は、春の庭園開放(2014年3月8日(土)〜4月13日(日))の時期に合わせた恒例企画です。幾種類もの桜が次々に咲き誇る庭園と、桜に彩られた絵画、陶磁、漆工芸などの名品の数々。日本美術の殿堂で、世界一贅沢なお花見をお楽しみください。

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新潮社
(2014-03-24)
コメント:特別展「栄西と建仁寺」

2014年は、日本に禅宗(臨済宗)を広め、京都最古の禅寺「建仁寺」を開創した栄西禅師(ようさいぜんじ、1141〜1215)の800年遠忌にあたります。これにあわせ、栄西ならびに建仁寺にゆかりの宝物を一堂に集めた展覧会を開催します。
本展は、近年研究の進んでいる栄西の著述のほか、建仁寺に関わりのある禅僧の活動を通して、栄西の伝えようとしたもの、そして建仁寺が日本文化の発展に果たした役割を検証しようとするものです。俵屋宗達の最高傑作、国宝「風神雷神図屏風」を筆頭に、海北友松筆の重文「雲龍図」など建仁寺本坊方丈障壁画、山内の塔頭に伝わる工芸や絵画の名品、栄西をはじめとした建仁寺歴代の書蹟はもちろん、全国の建仁寺派の寺院などが所蔵する宝物を展示します。

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東京国立博物館で今日から開催された開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」展に行ってきました。かなり混んでいましたが、昨年春に京都に行った時訪れた高台寺関連の展示も多数あり、全般的に多くの展示をじっくり見るのに時間を要しました。山手線でよく宣
上野 chariot 上野の東京国立博物館では開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展、 「栄西と建仁寺」が開かれています。 会期は5月18日(日)までです。 臨済宗を日本に伝え、京都に建仁寺を開いた、栄西禅師(ようさいぜんじ、 1141〜1215)の800年遠忌に今年が
「栄西と建仁寺」展 東京国立博物館 | 猫アリーナ | 2014/04/05 9:14 PM
ポカポカ陽気の中、久しぶりに東博へ行ってきました〜 開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」 今回の印象は、とにかく展示物が多いっ! 1つ1つじっくり観ると時間もかかり、ちょっと 体力がいります(笑) それだけ見ごたえ十分ですよ〜
開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」 | 隠れ家ギャラリー緒 主のぶろぐ | 2014/04/19 6:44 PM