青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション」 | main | 「101年目のロバート・キャパ」 >>

「ねこ・猫・ネコ」

渋谷区立松濤美術館で開催中の
リニューアル記念特別展「ねこ・猫・ネコ」に行って来ました。


http://www.shoto-museum.jp/

昨年6月から半年かけリ32年ぶりのニューアル工事を行った松濤美術館。白井晟一の建築設計した建物には手を加えることなく、照明をLEDに替えたり、エレベーターを新しいものにする等、作品にとっても利用者にとっても利便性が向上しました。

「ねこ・猫・ネコ」展は、リニューアルオープンした後に開催される本格的なオープニング展です。

猫をテーマとした展覧会の構想は、館長がトーハクに籍をおいていた頃から企画、実施したいと思っていた展覧会だそうです。一般的でオーソドックスでない展覧会を開催したいという想いから、辿り着いたのが猫展だったとは意外です。


朝倉文夫「よく獲たり」1946年 朝倉彫塑館
千草掃雲「木蔭」1922年 京都国立近代美術館
矢澤弦月「水圏戯」1950年 東京藝術大学
堂本印象「」1927年 京都府立堂本印象美術館

犬と同様、我々にもっとも身近な動物である猫です。藤田嗣治など多くの著名な作家が猫を描いています。絵に描かれているもので比べると圧倒的に犬より猫の方が多いのも、猫が愛されキャラである証左。

しか〜し!多くの著名な作家が作品にしているにも関わらず、意外にもこれまで「猫の展覧会」をやってないのですからにわかに信じがたいですよね。

トーハク(東京国立博物館)で実現出来なかった「猫展」を、渋谷で苦節うん十年の時を経て実現に漕ぎつけたのが「ねこ・猫・ネコ」展なわけです。


藤田嗣治「眠る猫「猫十態」の内)昭和時代 和泉市久保惣記念美術館
西山翠慞「猫児(眠)」制作年不詳 三重県立美術館

自然と気合も入り、資料・作品集めをしつつ、2年がかりで検討したそうです。どのような展覧会にするのか。確かに人気の猫の絵を集めて展示するれば、それなりのものが出来るでしょう。

しかし、折角、初の「猫展」を開催するのであれば、きちんとした内容のものを観たいものです。

その点を踏まえ、今回の展覧会には古代エジプトで作られた猫のブロンズ像から、中国の南宋時代の猫絵にはじまり、江戸時代から現代まで日本の画家たちによって制作された猫作品がテーマ毎に分けられ会場に所狭しと展示されています。


「第七章:中国・朝鮮の猫」展示風景

手前の円形の作品は、伝 毛松による重要文化財「麝香図」。中国南宋時代の猫絵です。

展覧会の構成は以下の通りです。

序章:猫の誕生
第一章:孤高の猫
第二章:猫のいる情景
第三章:眠る猫
第四章:猫と蝶
第五章:猫と鼠
第六章:猫と美人
第七章:中国・朝鮮の猫
特別出品


猫好きの方なら、この展示構成観ただけでリアルな猫の姿と共に、どんな作品なのかが自然と浮かんでくるはずです。その期待を裏切らない作品が並んでいます!


朝倉文夫「居眠る猫」1914年 朝倉彫塑館
栗本翠庵「草花に猫蛙図」江戸時代 個人蔵
富取風堂「微風」大正時代 川越市立美術館

因みに「特別出品」は何かと言いますと…館長が、日本画家の中島千波と畠中光亨に猫絵の出品依頼をしたところ、お二人ともこれまでに一枚も猫の絵を描いたことがく出せる作品がなかったそうです。

無いのであれば描けばよい。と「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」的な展開で急遽二人の大家にこの展覧会の為に猫絵を描き下ろしてもらった作品が「特別出品」として展示されています。とってもレアな二枚です。

2階展示室の「猫と美人」のコーナーにはこんな艶っぽい作品も!(あくまでも「猫展」ですからね!!)


田中保「裸婦」1924年 埼玉県立近代美術館
牧野邦夫「白の憂羅」1975年 個人蔵

川端玉章の「女三の宮」や岡本一平の「漱石先生」といった一度は目にしたことのある作品もあれば、初めて観てはっとさせられるものまでバラエティー豊かな展示内容。

そして猫派の人から、実は犬派な人まで存分に楽しめる展覧会です。


中村貞以「」1948年 東京都現代美術館

一匹じゃなく、一枚どうしても選べと言われたらこれかな〜少女の黒髪と黒猫の艶のある毛並みの表現が実に見事です。そして全体的に観ると不思議な疑問が次々湧いてくる作品でもあります。

猫の心のように決して掴みきれないものが描かれています。

「ねこ・猫・ネコ」展は5月18日までです。(前期は4月28日まで)猫人気に決してあやかることなく、作品を各美術館から集め、よく練られた展示となっています。満足度高しです!混雑する前に是非。


リニューアル記念特別展「ねこ・猫・ネコ」

開催期間
 前期:2014年4月5日(土)〜4月28日(月)
 後期:20144月29日(火・祝)〜5月18日(日)
開館時間: 午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)
金曜日は午後7時(入館は午後6時30分まで)
休館日:4月7日(月)、14日(月)、21日(月)、5月7日(水)、12日(月)
会場:渋谷区立松濤美術館(地下1階及び地上2階展示室)
http://www.shoto-museum.jp/
主催:渋谷区立松濤美術館、読売新聞社


「ねこ・猫・ネコ」展 2階展示風景

講演会:
4月19日(土)午後2時〜
今橋理子(学習院女子大学)
「福猫たちの図像学 <江戸の動物画>の思考法」
参加費無料(要入館券)
場所:地下2階ホール(先着順 定員80名)

担当学芸員によるギャラリートーク 4月26日(土)、5月6日(火)、10日(土)
各日午後2時〜参加費無料(要入館券)

ねこ・猫・ネコ落語 5月3日(土・祝)午後2時〜3時
出演者:慶応大学落語研究会
参加費無料(要入館券)
場所:地下2階ホール(先着順 定員80名)

私の愛する猫たち(ネコ割)!
自分で撮影した猫の写真を入口で渡すと、入館料が2割引きに!写真は会期中、松濤美術館に飾られるそうですよ〜(リピーター割引もあります。詳しくは松濤美術館のサイトで)


美術館で「猫会議」ですか?!みなさんww

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3565

JUGEMテーマ:アート・デザイン


32年ぶりのリニューアル工事を完了、2014年の春、松濤美術館は猫でいっぱいになります!

古代エジプトで山猫を家畜化して誕生したといわれる猫は、鼠の害から穀物を護る家畜として世界中に広まっていきました。日本へは仏教伝来にともない、船上での鼠の害から経典をまもるためにもたららされたと伝えられています。以後、猫は実用性からばかりでなく神秘的で魅惑的、美しく気高く可愛らしい動物として人々の生活の中に溶け込んできました。
「枕草子」や「源氏物語」などには天皇や貴族階級に愛されたことが記され、平安・鎌倉の絵巻からは庶民の生活の中で生きる猫が描かれています。江戸期には、美人画の中で猫が愛くるしい姿をみせ、長崎派花鳥画では長寿の象徴として猫が大きな役割を果たしています。近代以後も、愛猫家としてしられる朝倉文夫・藤田嗣治・猪熊弦一郎などをはじめ、多くの画家や彫刻家が猫を題材に名品を残しています。

本展では、近世以後の猫が描かれた作品を中心に、中国・朝鮮の作品も含む87点の絵画・彫刻により、多くの人たちに愛された猫の気高さ・美しさを観るとともに、猫と人との営みを顧みたいと思います。
展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/3565
この記事に対するトラックバック