青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< August 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「ぐるっとパス」に“ぐるっとパスナビ”が誕生! | main | 「こども展」 >>

『かわいい琳派』

東京美術より刊行となった『かわいい琳派』を読んでみました。


かわいい琳派
三戸 信惠 (著)

ここ数年の日本美術ブームを一体誰が予想したことでしょう。GWに都内で開催されている主だった展覧会を見ても西洋美術を扱う展覧会よりも多く、人気を博し話題となっているのは日本美術です。

様々な要因が絡み合っての日本美術の人気でしょうが、やはり最も大きなものとして親しみやすさ、身近さがあげられると思います。

絵と向き合い直観的にそこに描かれているものが理解でき、その良さが心に響いてくる。と言い換えても良いでしょう。



そんな親しみやすい日本美術の中でもとりわけ、人気があるのが「琳派」の作品たち。これほどまで老若男女を問わず親しまれている流派は美術の世界だけでなく、他でもそう滅多に見当たりません。

ところが、親しみやすいが為に、逆に本質を見失ってしまいかねない危うさもあります。「ただ親しみやすいだけじゃ嫌!!」ですよね、誰でも。

かわいい琳派』では、「かわいい」を大きなテーマに掲げ、琳派の世界を深く知ってもらう為の一冊です。

入口はソフトですが、中身はしっかりしています。なんせ三戸さんがお書きになったのですから間違いありません。もうそれだけで折り紙つきです。安心して買えます。



【目次】
「かわいい」と「琳派」の出合うところ

第1部 琳派の流れにみる「かわいい」
俵屋宗達 やまと絵ベースのカワイイかたち
尾形光琳・乾山 デザインとユーモアのセンスが光る
中村芳中 ユーモラスでほっこり、ゆるキャラ系カワイイ
酒井抱一 クールで洗練された、都会的カワイイ
鈴木其一 人工的な形態と色彩が織りなすマニアックなかわいさ
神坂雪佳 琳派のうま味を抽出、京風でモダンなカワイイ
浅井忠・杉林古香 アール・ヌーヴォーの刺激を受けたレトロモダンなデザイン

第2部 琳派の「かわいい」ポイント
「かわいい」から琳派を見る
琳派の「かわいい」ポイント1 丸い・曲線的
琳派の「かわいい」ポイント2 デフォルメ・単純化
琳派の「かわいい」ポイント3 無邪気・ほのぼの
琳派の「かわいい」ポイント4 しゃれた遊び心
琳派の「かわいい」ポイント5 繰り返し・パターン
琳派の「かわいい」ポイント6 キラキラ・カラフル
琳派の「かわいい」ポイント7 小さないのち

かわいい動物たち
作家別索引


この目次を見ただけでも、本書の内容が如何に充実しているかが分かります。

また、「かわいい」をキーワードとして多彩な切り口から、これまで言われて来た以外の新たなジャンル分けにも挑んでいます。

清少納言が記した『枕草子』「うつくしきもの」にから江戸時代の琳派そして現代につながる「かわいい」という日本文化特有の感性。

チャラチャラした意味ではなく、しっかりと我々のDNAに刻み込まれていながらも、現代人が忘れかけてしまった大事な大事な感性を喚起してくれる一冊です。愛らしい数多くの琳派作品を通して。

全国のゆるキャラ諸君も読みたまえ!君らの元祖は琳派にあり!!


かわいい琳派
三戸 信惠 (著)

人気の高い琳派の名品から、「かわいい」作品のみをセレクトしました。日本美術ってこんなに楽しい、と目からウロコの1冊です。
子どもや若い世代など、日本美術になじみが薄い層にとっても親しみやすい一冊です。


三戸信惠(ミトノブエ)
1967年広島県生まれ。山種美術館特別研究員。東京大学大学院博士課程満期退学。サントリー美術館に勤務し、「鳥獣戯画がやってきた」展などを企画・担当。2010年より現職。

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3594

JUGEMテーマ:アート・デザイン


シルヴァン・バーネット
東京美術

読書 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/3594
この記事に対するトラックバック