青い日記帳 

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「オルセー美術館展」

国立新美術館で開催中の
「オルセー美術館展 印象派の誕生−描くことの自由−」に行って来ました。


http://orsay2014.jp/

「もう何回目よオルセー展」、「2010年にも新美で見たよオルセー展」と繰り返される心の声を抑え、行って参りました。オルセー美術館展 2014。

初めに簡潔に感想申しておきますと、「○○美術館展」と海外のメジャー美術館の名前を安易に冠しているだけの(内容に乏しい)展覧会とは全く違います。

正直自分も公式サイトにある数点の名画が観られるだけでも満足だと思い足を運んだのですが、最初から最後まで息つく暇もないほどの充実ぶりには唖然茫然。

「ここってパリのオルセー美術館じゃなくて、六本木だよね?」と話している方がいたのにも納得です。(で、これだけ貸してくれて大丈夫なの本家は?!と心配に。)


クロード・モネ 「草上の昼食」1865-66年 
418×150cm(左) 248.7×218cm(右)
身長189cmもある東出昌大さん(「オルセー美術館展」ナビゲーター)と比べてもこの大きさ!

パリのオルセー美術館へは何度か訪れたことありますが、基本的に消化不良で打ちひしがれたようにメトロの駅へ向かうのが常。

いくら美味しい物が目の前にあっても食べられる限度ってありますからね。それと同じで絵も100点越えると身体が受け付けなくなってしまいます。

ルーヴル美術館、メトロポリタン美術館でも同様のことが起こります。日本人の口に合うように厳選し“美味しいところだけ”を紹介してくれる展覧会を東京で観られたら何と幸せなことでしょう。

オルセー美術館の場合他の大きな美術館と比べ、所蔵している作品の幅が近代(主に大好物な印象派)に限られているのも「オルセー美術館展」が期待と大きく違わぬ高い満足度に繋がる要因かと思います。


フレデリック・バジール「家族の集い」1867年/1869年に加筆

嬉しい誤算はまだ続き、展覧会の構成がとても素晴らしいのです。構成内容だけを見ると何の特徴もないように思えるかもしれませんが、良くキュレーションされています。

作家別でなく主題毎に分けられた各章の最初と最後に、「マネ」を持って来ているのが一番のポイントです。マネで始まり、マネで終わる展覧会。それはつまり、展覧会サブタイトル「印象派の誕生−描くことの自由−」を具現化しているのです。

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章:マネ、新しい絵画
第2章:レアリスムの諸相
第3章:歴史画
第4章:裸体
第5章:印象派の風景 田園にて/水辺にて
第6章:静物
第7章:肖像
第8章:近代生活
第9章:円熟期のマネ



ギュスターヴ・カイユボット「床に鉋をかける人々」1875年
アレクサンドル・ファルギエール「闘技者たち」1875年

これだけ、上手くまとめられているとあとは一点一点それぞれお好みの作品の前で時間を好きなだけかけ観入るのが一番の得策です。

最も広い展示空間を「第5章:印象派の風景」にあて、左右対称的に「田園にて」「水辺にて」とコントラスト付けて展示している辺りの配慮もニクイです。

私の下手な説明が全く不要な素晴らしい内容の展覧会。


オーギュスト・ルノワール「アルトマン夫人の肖像」1874年
クロード・モネ「ゴーディベール夫人の肖像」1868年

滅多に展覧会を褒めない某美術史家の先生が「これまでの国立新美術館で観た展覧会で一番良かった。」と諸手を挙げ称賛していたのも会場へ行けばすぐに分かります。

この展覧会について悪たれ口を叩く人がもし居たとするならば、その方は本当は美術がお好きではないのでしょうね。(でも世の中何に対しても悪く言う人いますからね〜ww)

11点のマネ作品が来日しているだけでも大変なことですが、他にも「首吊りの家」を初めとするセザンヌ作品が充実している展覧会でもありました。


ポール・セザンヌ 《スープ入れのある静物
1873-74年頃 油彩/カンヴァス 65×81.5cm
©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

19世紀に起こった絵画の革新は「描くことの自由」を画家に与えましたが、同時に伝統も再評価されるきっかけとなりました。

「印象派」の括りにとらわれず、短い間に起こった絵画の革新を軸に、多様な描き方をオルセーの名画を通し観ることの出来る非常に贅沢な展覧会です。

代表作「笛を吹く少年」を発表当時「貸衣装屋の看板のようだ。」と誹りを受けサロンに落選しながらも、独自の絵画を描き続けたマネの心意気はどこから生まれて来たものなのでしょう。

20年経過しても、トランプのカードのようだと批判を受けつつも、サロンにこだわり続けた点から単純に体制に批判したわけでなく、伝統に乗っ取りつつ革新を求めていったマネとパリに集った多くの画家たちの作品に会いに六本木へ!


エドゥアール・マネ「笛を吹く少年」1866年

僅か四色で描かれた平面的な作品は当時としては大変ショッキングな作品だったようです。具体的には、腕と胴体との空間が無いなど、我々がごく普通に思えることもそうではなかった時代です。

因みに宮島綾子氏(国立新美術館主任研究員)のお話で、胴体のボタン最上部は服のボタンではなく、袖に付いたカフスボタンだとのご指摘がありました。言われないと気がつきません。それこそマネの平面性を知る上で大事なポイントになります。

またその他にも、輪郭線になるようなズボンの線の配置。床と壁を仕切る線がない。等々。観るべきポイントの多い作品です。(ベラスケスや浮世絵からの影響もあり)

「オルセー美術館展 印象派の誕生−描くことの自由−」は10月20日までです。混雑必至です。お早目に!


オルセー美術館展
印象派の誕生 ―描くことの自由―


会期期間:2014年7月9日(水)〜10月20日(月)
休館日:毎週火曜日 ただし、8月12日(火)、9月23日(火・祝)、10月14日(火)は開館、9月24日(水)は休館
開館時間: 10:00〜18:00 金曜日は20:00まで
8月16日(土)以降の毎週土曜日および10月12日(日)以降は毎日20:00まで
入場は閉館の30分前まで
会場: 国立新美術館 企画展示室2E
主催:国立新美術館、オルセー美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網
後援:外務省、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、J-WAVE
特別協賛:キヤノン、第一生命
協賛:エールフランス航空、花王、清水建設、損保ジャパン・日本興亜損保、大日本印刷、大和ハウス工業、トヨタ自動車、みずほ銀行、三井物産
協力:ピー・シー・エー


ジャン=フランソワ・ミレー「晩鐘」1857-59年

展覧会公式サイト:http://orsay2014.jp/
「オルセー美術館展 印象派の誕生 ー描くことの自由ー」
公式Twitterアカウント
https://twitter.com/orsay_2014
公式Facebookページ
https://www.facebook.com/orsay2014info

注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

こちらも注目!
音声ガイドを担当するのは、ラジオパーソナリティーの秀島史香さんです!

音声ガイドを担当します、オルセー美術館展(秀島史香のブログ)

「オルセー美術館展―印象派の誕生」(読売新聞主催)オフィシャル・ブック。


マネと印象派の巨匠たち: 印象派ってナニ?

オルセー美術館所蔵の印象派絵画へのオマージュとしてコサージュを造花工藝作家・造花職人である岡田歩さんが制作されました。

クロード・モネ「草上の昼食」(1865-66年 オルセー美術館蔵)に登場する4人の女性をイメージしたコサージュ。

詳細はこちら→オルセー美術館展×岡田歩さん

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「印象派の殿堂」として知られるパリ・オルセー美術館から、珠玉の絵画84点が来日します。テーマは「印象派の誕生」。1874年の第1回印象派展開催から140年 ― パリの美術界を騒然とさせた「新しい絵画」の誕生の衝撃が、選りすぐりの名画によって東京・六本木に鮮やかによみがえります。
マネに始まり、モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌら印象派の立役者となった画家たちの作品はもちろんのこと、同時代のコローやミレー、クールベのレアリスムから、カバネル、ブグローらのアカデミスム絵画まで、まさに時代の、そしてオルセー美術館の「顔」ともいうべき名画が集結する本展に、どうぞご期待ください。
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