青い日記帳 

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「日本SF展・SFの国」

世田谷文学館で開催中の
「日本SF展・SFの国」に行って来ました。


http://www.setabun.or.jp/

インターネットはおろか、テレビも無かった時代、来るべき未来の姿を夢見ながら空想の翼を大きく広げることに役助したSF小説。

日本でも「サイエンス・フィクション」(SF)を広げようと必死でペンを走らせた作家たちがいます。戦前の海野十三を筆頭に、戦後目覚ましい活躍を果たした星新一、小松左京、手犲C遏筒井康隆、真鍋博らの業績を紹介する展覧会です。



会場内は夏の特別開校、SFの国学び舎「日本SF大学校」という設定で、授業・講義形式に各セクションが構成されています。

思い切り想像力を膨らませ、SF大学の学生になった気分で(何ならコスプレでもして)展覧会を観てまわりましょう。

ただし、生半可な気持ちでは及第点貰えないどころか、自滅(自主退学)を余儀なくさせられます。とにかくテキストが多い!絵画の展覧会とは違い眼で観賞するのではなく、眼で読みこなして行かねばなりません。

学芸員さん渾身のテキスト(解説)がビッシリ!図録に全て掲載しきれていない点も生徒泣かせです。



日本SF概論
1限目 日本SF作家クラブ創世記アルバム 解説:豊田有恒(作家)
2限目 古典SFについて 解説:北原尚彦(作家・古書研究家)
3限目 SF雑誌の歴史 解説:牧眞司(SF研究家・書評家)
4限目 「SFマガジン」の歴史を鑑賞します
5限目 「創元SF文庫」の歴史を鑑賞します
6限目 SFアートの世界 解説:大橋博之(ライター)
7限目 日本SFの父・海野十三 解説:菅野昭正(世田谷文学館館長)
8限目 とり・みき作オリジナルアニメーション「日本SF黎明期 childhood's beginning」


本格講義に入る前段階の概論で既にこの濃さです。少なく見積もってもこれだけで30分はかかります。「SFマガジン」の歴史を顧みるコーナーでは歴代の「SFマガジン」がずらりと、壁一面に並びます。


SFマガジンの軌跡

その時代を象徴する画題と絵師による、一目で分かる戦後日本SFの歴史です。因みに2014年5月で700号を迎えたそうです。実に55年に渡り常にSF小説の最先端であり続けた雑誌です。凄いな〜〜〜

SFマガジンが創刊された1959年はやっと民放のテレビ放送が始まった年です。当時の子どもたち、若者、そして大人に至るまで全ての世代に大きな夢と影響を与えたSF。

この時代に読み耽り、空想、妄想、想像し夢を抱いた人たちの中に、今第一線で活躍している科学者も多くいるはずです。「創造」は「想像」からですからね。まず、何よりも活字による。

日本SF専門講義 
1限目 筒井康隆 創作の極意と掟
2限目 手犲C遏〆邁箸燭舛読む〈手犲C遏
3限目 真鍋博 未来・創造力・思想
4限目 小松左京 SF魂
※『日本沈没』に関する、半村良から小松左京に宛てた手紙を初公開
5限目 星新一 SF・想像力・ショートショート


さて、概説が終わると本格的な講義の開始です。

戦後SF界を率いたメンバーの中で唯一まだ現役でいる筒井康隆からはじまり、教科書にもショートショートが掲載されていた国民的SF作家、星新一まで、それはそれは濃密な5時間の授業が繰り広げられます。



小松左京の名作『日本沈没』を読んで衝撃を受けた半村良が小松に宛てた手紙が初公開され話題となっています。切磋琢磨し合う仲だった二人ですが、『日本沈没』の出来栄えを前に半村はペンを置く覚悟もしたとか。

しかし、良きライバルの存在はより一層作家を成長させるもので、この後、『戦国自衛隊』はじめとする半村良の代表作を次々と生み出すことになります。

また、星新一が愛した品々も展示されています。「小さいものコレクション」や「テディベア」など星新一のリアルな側面を目の当たりにすると、久々に彼のショートショートが無性に読みたくなるものです。

筒井康隆にせよ、星新一にせよ、構想メモをどこにでも書き連ねていたことが展示品から分かります。思いついたことを書き留めておく。中々出来るようで難しいことなんですよね。

日本SF専門講義 
6限目 特殊講義1―日本の特撮
7限目 特殊講義2―日本のアニメーション
8限目 特殊講義3―大伴昌司の〈仕事〉
9限目 特殊講義4―日本SFと〈大阪万博〉
10限目 特殊講義5―日本SFと〈戦争〉
11限目 特殊講義6―日本SFと〈映画〉



「猿の軍団」や「ウルトラマン」で使用された小道具

大伴昌司の描く「サンダーバード秘密基地」(『少年キング』1967年11月号付録)や手塚治虫の『鉄腕アトム』直筆原画など、主に眼で愉しめる唯一のセクションかもしれません(と言ってもテキスト量はそれなりに…)。

それにしても「ウルトラマンタロウ」のZATヘルメットやZATガンの所蔵が世田谷文学館であることには驚きました。撮影所が近くにあったからでしょうか。

日本SF演習
浦沢直樹『20世紀少年』を多角的に考察します
考察の視点
視点1 手犲C遒留洞
視点2 星新一を愛読
視点3 日本SFへのオマージュ ほか



(C)1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館

手塚治虫『ライオンブックス』「安達が原」直筆原稿と、浦沢直樹の『20世紀少年』のコラボ展示。これ浦沢さんが一番喜んでいるんじゃないかな。

筒井康隆の『時をかける少女』。原田知世主演(1983年)の映画から、アニメまでその歴史を顧みつつ、やっぱり角川映画だよな〜と変な結論に落ち着いた「日本SF展」でした。

さて、「竹取物語」から読み直ししますか!日本のSF!!

最後に星新一の言葉を「きょうの想像力があすを築く」


日本SF展・SFの国

会期:2014年7月19日(土)〜9月28日(日)
休館日:月曜日(ただし7月21日、9月15日は開館し、7月22日、9月16日は休館)
会場:世田谷文学館2階展示室
http://www.setabun.or.jp/

主催:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館
監修:筒井康隆、豊田有恒
特別協力:星ライブラリ、小松左京ライブラリ、手爛廛蹈瀬ション、円谷プロダクション、東宝、日本SF作家クラブ
協賛:岩崎書店、啓文堂書店、光文社、小学館、東京創元社、東邦ホールディングス、徳間書店、早川書房
後援:世田谷区、世田谷区教育委員会


コンパクトサイズの図録は絶対に手に入れたい一冊です。

注:展示室の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

こちらのコラムも是非。
ムットーニに会いに行こう!
(世田谷文学館)


「日本SF展」@世田谷文学館推薦図書一覧。

『銀河帝国の興亡』
『タウ・ゼロ』
『宇宙消失』
『万物理論』
『宇宙船ビーグル号の冒険』
『非Aの世界』
『イシャーの武器店』
『時間封鎖 上・下』
『遠き神々の炎 上・下』
『トリフィド時代』
『宇宙戦争』
『月世界へ行く』
『子供たちの消えた惑星(グレイドベアド)』
『影が行く』
『地球幼年期の終わり』
『重力への挑戦』
『マッカンドルー宇宙記』
『渚にて』
『時間線を遡って』
『銀河パトロール隊』
『嵐の惑星ガース』
『ヴァリス』
『失われた世界』
『神の目の小さな塵 上・下』
『異星の客』
『キャプテン・フューチャー全集』
『結晶世界』
『沈んだ世界』
『火星のプリンセス』
『戦士志願』
『猿の惑星』
『未来世界から来る男』
『何かが道をやってくる』
『10月はたそがれの国』
『惑星救出作戦』
『異星人の郷 上・下』
『時間衝突』
『分解された男』
『星を継ぐもの』
『歌う船』
『黙示録三一七四年』
『移動都市』
『レッド・マーズ 上・下』
『ブラインドサイト 上・下』
『銀河英雄伝説』
『バビロニア・ウェーブ』
『あがり』
『盤上の夜』


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夏、特別開校、SFの国の学び舎「日本SF大学校」へようこそ!
豪華な教材!! 充実のプログラム!!

かつて、日本にSFを育てようと集った若き作家たちがいました。
星新一、小松左京、手犲C遏筒井康隆、真鍋博ら、日本SFの第一世代と呼ばれる作家たちです。彼らは、日本ではまだ認知度が低かったSFをどう表現するか、読者に届けるために奮闘しました。やがて彼らの作品は、子どもや若者を中心に熱狂的に受け入れられ、今や世界を席巻する日本のアニメーションや特撮映像作品とともに大きな発展を遂げます。また、「日本SF」に親しんで育ったかつての読者たちが、現在では文化芸術や科学技術分野のほか、多方面で活躍しています。
作家たちは、未来を語るために「想像力」を磨き、それぞれの表現を追求しました。彼らの作品は、俯瞰的にものを見る大人の知力に支えられ、ひとりの人間としてあらゆる事象に立ち向かうためのヒントに溢れています。
作家たちがSFという表現を信じ、私たちになにを、どのように伝えようとしたのか、本展では時代背景や多彩な資料から読み解いていきます。

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それにしても暑いですね・・・(^_^;お出かけする気が起きないですね・・・・・・(^_^; そんな中、こんなニッチな展覧会を観るために、新宿から京王線各駅停車に揺られて芦花公園駅まで出かけてまいりましたー。 日本SF展〜SFの国(世田谷文学館) 初めて耳にする会場
SFの国に遊ぶ | 鴨が行く ver.BLOG | 2014/08/19 9:49 PM