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「フェルディナント・ホドラー展」

国立西洋美術館で開催中の
日本・スイス国交樹立150周年記念「フェルディナント・ホドラー展」に行って来ました。


展覧会公式サイト:http://hodler.jp/
国立西洋美術館:http://www.nmwa.go.jp/

日本とスイスの国交樹立150周年を記念して開催中の「ホドラー展」には、ベルン美術館をはじめ、スイスの主要な美術館と個人が所蔵する油彩、素描など約100点で構成されています。

スイスの国民的画家(スイス・フラン紙幣に彼の作品が使われたことも!)ホドラー単独の展覧会が開催されるのは実に40年ぶり!前回(1975年)も国立西洋美術館での開催でした。


フェルディナント・ホドラー「オイリュトミー」1895年
ベルン美術館

カミーユ・コロー(1796年〜1875年)やギュスターヴ・クールベ(1819年〜1877年) の影響を受けているとされるフェルディナント・ホドラー(1853年〜1918年)ですが、彼が後の象徴主義の画家たちとの関連性が、はっきりと素人目にも観て取れます。

今回の展覧会を拝見し、ナビ派は勿論ですが、グスタフ・クリムト(1862年〜1918年)やアンリ・マティス(1869年〜1954年)にもかなりの影響を与えているのではないかと思われました。

過去に「オルセー美術館展」や「スイス・スピリッツ展」などで数点目にしたことはありましたが、こうしてまとめて観られる好機を得られると他の画家との繋がりが鮮明となり、興味関心が湧いて来るものです。


フェルディナント・ホドラー「冬のトゥーン湖とシュトックホルン山脈」1912.13年
UBS美術コレクション
フェルディナント・ホドラー「冬のトゥーン湖とシュトックホルン山脈」1912年
ベルン美術館

また、大型の油彩画やフレスコ壁画など、とりわけ装飾的な大画面を手がけ、高い評価を得たホドラーとBunkamuraで拝見したシャバンヌとの共通項なども見出すことが出来、展覧会と展覧会が数珠つなぎ状態に。

観られる時に、少し無理してでも観ておくことが美術鑑賞にか欠かせません。そうそう、現在、六本木・国立新美術館で開催中の「チューリッヒ美術館展」にもホドラーの良い作品が一部屋まとめて展示されています。こちらも必見かと。


フェルディナント・ホドラー「マロニエの木々」1889年
ジュネーヴ美術・歴史博物館
フェルディナント・ホドラー「ベルン州での祈り」1880.81年
ベルン美術館

展覧会の構成は以下の通りです。

part1:光のほうへ−初期の風景画
part2:暗欝な世紀末?−象徴主義者の自覚
part3:リズムの絵画へ−踊る身体、動く感情
part4:変幻するアルプス−風景の抽象化
part5:リズムの空間化−壁画装飾プロジェクト
part6:無限へのまなざし−終らないリズムの夢
part7:終りのとき−晩年の作品群


幼い頃から身内の不幸に見舞われ、不遇の少年、青年時代を過ごしたホドラー。その後も彼の人生には、常に「死」が身近なものとして存在します。晩年には最愛の恋人を病死で亡くすなどなど。

不幸自慢ならホドラーの右に出る画家は、中々いないように思えますが、それでも彼は人生の要所要所で幸運の「女神」に微笑みかけてもらっています。

ある意味で、とてもツキのある人です。


フェルディナント・ホドラー「昼 III」1900/10年 
ルツェルン美術館

ホドラーが与えた影響や身体表現について等々、語ろうと思えばいくらでもつっこみどころがあり、ネタに尽きない画家です。

彼は人物の精神を表現するためにその身体を描いたのです。

ホドラーのもうひとつの大きな特徴である「リズム」を具現化すべく、会場内にもちょっとした工夫がなされています。(例えば床の色や壁の色を変えてみたり)


「ホドラー展」展示風景

アルプスの湖水を浮遊するかのように、またアルプスの山々にかかる雲の上を歩くかのような展示空間です。これが西洋美術館?!

まだまだ書きたいこと沢山あるのですが、取りあえずこの辺で。「フェルディナント・ホドラー展」は来年(2015年)1月12日までです。是非是非!!


日本・スイス国交樹立150周年記念 フェルディナント・ホドラー展

会期:2014年10月7日(火)〜2015年1月12日(月・祝)
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分〜午後8時
※入館は閉館の30分前まで
※上野公園での「創エネ・あかりパーク(R)2014」 開催にあわせ、11月1日(土)、2日(日)は午後8時まで開館します(入館は閉館の30分前まで)。
休館日:月曜日(ただし、10月13日、11月3日、11月24日は開館、翌火曜日休館)、12月28日〜1月1日
主催:国立西洋美術館、NHK、NHKプロモーション
共同企画:ベルン美術館
後援:外務省、スイス大使館特別協力:ジュネーヴ美術・歴史博物館
協賛:スイス・リー・グループ、大日本印刷、中外製薬
助成:スイス・プロヘルヴェティア文化財団
協力:スイス政府観光局、スイス インターナショナル エアラインズ、ネスレ日本、ルフトハンザ カーゴAG、ユングフラウ鉄道グループ、西洋美術振興財団



展覧会公式サイト:http://hodler.jp/

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注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

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フェルディナント・ホドラー(1853-1918)は、19世紀末から20世紀初頭のスイスを代表する画家です。パウル・クレーやアルベルト・ジャコメッティといった後続するスイス人芸術家とは異なり、ホドラーは生涯をつうじて母国にとどまりました。大規模な室内装飾を数多く手がけ、身近なアルプスの風景を描きつづけた彼は、スイスではいまなお「国民画家」と呼ばれています。最近では、フランスやアメリカでも相ついで個展が行なわれるなど、その存在にはあらためて国際的な注目が集まっています。
19世紀半ばにスイスの首都ベルンの貧しい家庭に生まれ、若くして肉親や兄弟を失ったホドラーは、やがてジュネーヴに移って本格的に画家の道を歩みはじめます。その前半期の絵画には、とくに「死」や「憂鬱」のイメージがまとわりついており、そこにこの画家の不幸な生い立ちを読みとろうとする人々も少なくありません。けれども、ちょうど新しい世紀、20世紀への転換期を境に、ホドラーは「死」よりも「生」の絵画に目醒めます。――踊る人々の姿、そこに身体化される感情、それらが連鎖することで生まれるリズム。さらに、アルプスの山々や雲のような自然界の無機物にさえ、彼は生命感や律動感を見出しました。「パラレリズム」(平行主義)という独自の美術理論を提唱したこの画家は、ただ眼に映る対象よりも、それらをつくり出す構造や原理にこだわり、ゆえに単なる再現的なイメージを超えた、世界の動的な秩序やリズムの抽出に向かったのです。

たとえばヴァシリー・カンディンスキーは、絵画史における「メロディックな構図」から「リズミックな構図」への転換の契機をもたらした画家として、ポール・セザンヌとともにホドラーの名を挙げています。本展では、ホドラーの画業を丹念に跡づけると同時に、まさに絵画の「リズム」をテーマとしながら、その芸術をあらたに読み解きます。同時代に台頭しつつあったモダン・ダンスの思想とも共鳴するホドラーの絵画を前にすれば、わたしたちはそこにある「リズム」を、じかに体感することができるはずです。
本展は、こうしたテーマのもと、ベルン美術館をはじめとするスイスの主要美術館と個人が所蔵する油彩・素描など約100点によって、ホドラー芸術の全貌に迫ります。日本ではおよそ40年ぶりとなる国内最大規模の回顧展です。この画家をすでに知るかたも、そうでないかたも、ホドラーとのあらたな出逢いを、どうかご期待ください。

展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

内覧会に参加させていただきました。素人にも、平行主義や、リズムへのこだわりなどがすんなり理解できるすばらしい内容でした。シャヴァンヌの影響は気づきませんでした!
豆ジャム | 2014/10/10 5:17 PM
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 待ち望まれていたスイスの国民画家・ホドラーの回顧展です。初日に行ってきました。 ホドラー(1853-1918)の経歴はWikipediaに詳述されている。  ホドラーの作品を初めて見たのは、1993年に大丸ミュージアムで開かれた「スイスコレクションにみるヨーロッパ名画